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「ありがとう」という詩を書こうと思った

普段うまく言えない言葉が
胸の奥でうずくまっている

いま目の前にいる人に
何か理由をつけて言いたくなった

「ありがとう」

たった五文字の言葉を
僕は ....
小さな夜
小さな部屋に
小さな明かりを灯して


泣き叫ぶくらいならどうか
美しく歌わせてください


姿なく鳴く鳥の声は染み渡り
深く胸のうちで跳ね返り
まるであなたを ....
塾の講師なんて仕事をしていると
子供の心に触れてしまうことがある

前に受け持っていた女子生徒が
授業中に突然飛び出して
二階のベランダから飛び降りようとした

「死んでやるー!」と何度 ....
待ち合い室の窓辺には
枯れそうな観葉植物がいて
誰もそれに気付かないまま
誰もがうつむいている

ただ水をあげればいい

枯れそうな観葉植物は
まだ枯れてはいないのだし
渇きをいやせれば
また青々とし ....
どうしてこんなに冬は寒く
こうして身体をふるわせる

秋をくるんだ
あの真っ赤な太陽は
暮れゆく一日に束の間の
焦がれる時をくれたではないか

降り散る枯葉のひとつにも
哀れを誘う言 ....
なんだかとっても寒いので
財布の中をのぞいたら
やっぱり寒い

ころりと100円玉
音をたてることもなく居て

街角の自動販売機
120円という表示が淋しい

一昔前なら缶コーヒー ....
雪融けのせせらぎが
草木に沁み込む速さで伝わる春

ひらいた花のはなびらが
舞い散る中で見た空の
青さを呼吸するような夏を過ぎ

虫の声に名残匂わす
涼しさにはほんのりと憂いの秋が
 ....
兄、あるいは姉と呼ぶべき
生まれなかった命にむけて

もしかしたらこの時代は
貴方たちの手で変えられたかもしれないと
そんな期待を寄せるわたしは
我が侭だとわかっています

 ....
九月
雨が多いのは毎年のことで
それはさしてめずらしいことでもない
のかもしれない

秋というにはまだ早く
ちょうど残暑という言葉があてはまる
そんな晴れの日も多い
九月


家 ....
目を閉じてひゃく数えるあいだの
静けさがこわかった

(いーち にーい さーん)

ぼくはずるだと言われるのがいやだったから
はんぶん泣きそうになりながらゆっくりと

(しーい ごーお ....
ふと遠いところへ行きたくなる

通過電車に手をのばせば届きそうで届かない
本気で身を乗り出すと本当に連れ去られてしまうから
「危険ですから、黄色い線の内側までお下がりください」
というアナウ ....
台風が近づいてくるという
天気予報通りに降りだした雨に
慌てて部屋の窓を閉めました

(淋しさというものは
 そんなささいなところに隠れていて)

窓の外から聞こえてくる雨音を
半歩遠 ....
僕はきっと虫なのだと思うありふれた夜。

その理由はいくつかあるのだけど、つまりそれは虫であるはずもない僕の外見からは想像もつかない。たとえば横断歩道をわたろうとするとき、わき腹のあたりがむずむず ....
つくんと

ときおり胸で感じる痛みを
悲しみのせいだとは
思いたくないから、僕らは
うたおうとする

好きな歌を

思い出せないフレーズで
立ち止まってはいけないと
覚えてるとこ ....
七月の窓辺

夏色の羽をはばたかせて
揚羽蝶がひとり
庭に迷い込んできました

羽を持って生まれてきた生き物は
そんなふうに飛ぶのが
当然なのだというように

ゆらりと抱いた風をふ ....
入院してる友達のために折ってるのと
その子はちょっと淋しそうに

鶴を折っていました

それを手伝おうと
わたしも折ったのですが
できあがった鶴の
羽を広げようとしたとき

その子 ....
はっぱをめくればなめくじ

みんなにきらわれて
しおをまかれたりする

おまえなめくじ

うまれてからずっと
からだじゅうでないている

おれだっておなじ

みんなにきらわれて ....
ふいに君と目があってしまったから
とっさに空を見上げて

あっと声をもらしてしまった

そんな僕を見て
君も不思議そうに空を見上げる

めずらしい鳥が飛んでいたんだよ
なんてもっとも ....
毎日たくさんのものが
あなたから生まれることを知っている
それは言葉であったり、声であったり、感情であったりする、けれど
それらはあなたの分身でしかないことも知っている
そのことをあ ....
かおるさんのベンジャミンさんおすすめリスト(19)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「ありがとう」という詩を書こうと思った- ベンジャ ...自由詩8*06-4-14
小夜鳴鳥(ナイチンゲール)- ベンジャ ...自由詩8*06-3-17
知らないことを知っている- ベンジャ ...自由詩42*06-2-6
白い待ち合い室で- ベンジャ ...自由詩5*06-1-11
どうしてこんなに冬は寒く- ベンジャ ...自由詩4*05-12-13
100円玉の温もり- ベンジャ ...自由詩15*05-10-7
リレーする季節- ベンジャ ...自由詩11*05-10-3
生まれなかった命にむけて- ベンジャ ...自由詩20+*05-9-26
夏からの手紙- ベンジャ ...自由詩14*05-9-13
ぼくは鬼ごっこの名人だったんだ- ベンジャ ...自由詩13*05-9-9
夜の地下鉄は海の匂いがする- ベンジャ ...自由詩52*05-8-31
雨が止むのを待ってます- ベンジャ ...自由詩14*05-7-26
僕はきっと虫なのだと思うありふれた夜。- ベンジャ ...自由詩23*05-7-16
そうやってうたえばいい- ベンジャ ...自由詩17*05-7-14
揚羽蝶- ベンジャ ...自由詩10*05-7-13
千羽鶴- ベンジャ ...自由詩67*05-7-3
めくるめくなめくじ- ベンジャ ...自由詩37*05-6-2
そのとき鳥は飛んでいなかった- ベンジャ ...自由詩6*05-5-26
あなたから生まれる- ベンジャ ...自由詩14*05-5-16

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