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そのはじまりからすでに
鋭く亡びに縁取られているのが夏で
青空と陽射しがどれほどあかるくても
そのあかるささえ不穏なのが夏で

蝉が鳴き騒いでも
祭の喧噪が渦巻いても
濃密な静寂が深々と ....
僕らは 一列に並んで
少しずつ 進んでゆく
かぎりなく長く思える柱廊を
誰も 一言も発さないまま

僕らは 白い衣を着て
白い布で覆われた銀の皿を両手に捧げ
少しずつ 進んでゆく

 ....
自分で自分をさらって
とうとうこんな処まで来てしまった

白い光に
朽ちてしまった街
建物も通りも 空までも色を失くして
そして 誰もいない
ただ乾いた星雲がいくつか
なかぞらで回って ....
それでもこの心は
果てしなく遊離線を描くのだ
そうだよ 憧れは遠いから憧れなのだ
君をとおしてその遥かさを見つめようとしていた
残酷なこの心よ
こしごえさんの塔野夏子さんおすすめリスト(154)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏について- 塔野夏子自由詩27*05-5-23
行_列- 塔野夏子自由詩6*05-5-15
人さらい- 塔野夏子自由詩1*05-4-29
静かなる終景- 塔野夏子自由詩2*05-3-5

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