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夏の余した最後の赤で
サルビアが燃える
風が湿気を掃い
柿の実がひっそりと
みどりの果実を隠していても
項を焦がす陽射しや
散水栓の向こうに出来る虹
そういう夏の名残りに守られて ....
柿の実色に日は暮れて
通学路に残ったチョークの○も滲む頃
街中の電線にたわむ百舌たちは
嬉々 嬉々と啼いて安堵する
それを羨む秋の傍らで
きみに書きあぐねている手紙は
お決まりの挨 ....
突如現れ行く手を阻む
急流の渦に
巻き込まれぬよう
さらわれぬよう
細心の注意を払っていたのだが
この淀みにはちょっとお手上げ
けれど
も ....
不覚にも
こころときめき
きみの一挙手一投足に
いちいち振り向くこの僕
恋なんぞ
有り余っているのに
何故またこんな
浮かばれぬ思いを
....