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見覚えのない住所から
冬の匂いの封筒は届き
記憶の引き出しから
銀のペイパーナイフと
あらん限りの想いの欠片とを
わたしは交互に取り出す


かさり、と開くと
月夜の薄明かりのなかで　.... 水鏡の裏側からわたしは見ている

黄色い土壁と
くすんだ緑の屋根を
潅木の足元に散り落つ白薔薇を


誰かの足音は
水面に波紋を広げるのだが
雨のひと粒ほどに
まるく響きはしな　.... 夢の無い画面の端に
流星群が見られると記されていた

濃紺に澄んだ空は
白い　あるいは銀や朱に
闇を切り取られている


湿り気の残る髪が凍え
湯上りの匂いが後ずさりする
夜着　.... 春までの道のりを
手探りするきみの指で
うたは束の間、白く結晶する

凍れる河と
色褪せた山並みと
特急列車の行方を挟み
わたしの前で野分の一陣はわらう


今日も約束の書けぬ手紙　.... 空が灰色クレヨンの日
風邪をひいた詩人はゆめゆめ思った


詩人たるもの
移ろう季節を誰より早く
探して言葉にしなくちゃいけない


詩人たるもの
少しはむつかしい漢字くらい
す　.... 秋の匂いのする風は
夏毛にふわり優しくて


愛なんてものを
かたちにして
誰かに見せたい気分になる

さっき
薔薇の棘みたいに
剥がれ落ちた爪は
カナシミってやつと戦ったから


ゆらゆら尻尾が休憩　.... わたし、という曲線を
無謀な指が
掌が
少しの優しさも無くなぞる


書院窓の向うでは
秋の長夜の鈴虫が
交尾の羽音で月の影絵を滲ませて


こっちにきて
こっちにきて、と　.... 風が雨を含んで
空色は薄墨模様


少し、
あと少しと待っていたら
わたし
咲きそびれたらしい


今から夏を追いかけて
間に合わぬなら


誰に囁くこともなく
この秋雨に
紅を濃くして
きっぱりと　.... その愛しい指が
わたしの名を綴ったからといって
距離は変わらずなのだけど


無機質なディスプレイに
時折運ばれる便りの
密やかなときめき


それは
一群れのシロツ　.... 時計はもう帰る時間

もう少しと言ってよいのか

帰ろうと言った方がよいのか


曖昧な夕暮れに

曖昧なフタリが戸惑う


飛行機雲がくっきりと

空色を二つに割って

藍が半分 ふう

夏が終わろうとしてる


僕はきみと
冷たいキスがしたくてさ？

氷の入ったグラスから
たくさんの水を飲んだ



そしたらハラグアイが
少しね



夏の終わりは
そんなアンニュイ にゃはは♪

我輩は猫である

たまには笑っても見せるのさ それは明け方病院からの訃報

病の床にあった父親は
生命を生きることから開放され
静かに去ったという


今を生き残るものたちは
悲しみはさておき
思い出話を必死にかき集めるが
肝　.... 一瞬

ふたりの思惑は重なって

短い沈黙が生まれる



幾度触れても

求めたい唇に



一度は小鳥のように

二度目は

シェイクの最初の一口の　.... 花の表紙のノォトの中に
それはそれは
大切な風に書かれていた


日記であったのか
詩であったのかも
定かでない
淡き恋の想いについて
吐き出された拙い言葉の塊


まるで　.... ほんのり

ほんのり

片思い



恋の悩みと語るには

あまりに未成熟



きみの手紙の「ふ」の字から

微笑む顔を想像し


眠い眠いを繰　.... あんまり強い陽射しだから

「白いところ」と「白いところ」の間を選んで

アツクならないように

そうっと歩くんだ



ぼくの思考回路上

暑くても息を荒くするのは
　....
とうどうせいらさんの銀猫さんおすすめリスト（17）
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ベルベットの夜- 銀猫自由詩24*06-11-2
堕在・黄色い壁の家- 銀猫自由詩16*06-8-8
流星群の日に- 銀猫自由詩14+*05-12-13
六花のうた- 銀猫自由詩19*05-11-20
詩人は傘を忘れる- 銀猫自由詩16*05-10-9
HEY-WA- 銀猫携帯写真＋ ...20*05-9-15
蕾ひらく- 銀猫自由詩17*05-9-9
夏を惜しまず- 銀猫携帯写真＋ ...12*05-9-4
名前を呼んで- 銀猫自由詩12*05-9-4
飛行機雲- 銀猫携帯写真＋ ...13*05-8-21
夏の終わりは哀しくて- 銀猫携帯写真＋ ...14*05-8-17
にゃはは- 銀猫携帯写真＋ ...12*05-8-15
記憶- 銀猫自由詩5*05-8-14
歌うきみ- 銀猫自由詩7*05-8-6
きみへの出さない手紙- 銀猫自由詩10*05-8-3
かたおもい- 銀猫自由詩10*05-8-2
ねこのためいき- 銀猫未詩・独白8*05-8-1
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