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*

夢を見ていたんだ。
そろそろ目を覚まして
朝の支度を始めたらどうだい。

*

どこかで子どもを叱る母親の声がする。

*
 ....
 仏間に坐って
 うなだれ
 首を
 さしだしていたことがある


 白刃の前に


 ながれる水音に
 耳を澄ませていたことがある


 客観的なまでに静まった ....
手のひらの小窓にあなたから写真がとどく。


風にあおられた火が波のように打ち寄せる深い
闇のなかにわたしたちが暮らす岸辺があるみた
いですね。
怖くもあり、それが真実の勇気であるようにも ....
どうして足に板をつけて
高い所から窮屈な格好で滑走して
なんにも持たないで ジャンプ台から

身 ひとつで
空 めざして
飛ぶんだろ

バランス崩したら落ちて
怪我して死ぬかもしれな ....
 草のなかにレールをみつけた
 錆びた鉄の平行な二本線が
 弓なりに
 ここから延びていた
 または
 この草のなかで
 すっぱりと裁断されて尽きていた

 あおぐらい記憶 ....
命を失ったものが
石へと変わる年月は
とても長いのですが
でもいつまでも命を偲ぶ
姿ではいられないのです

時というものは
風に流される木の葉さえ
化石に変えてしまいます
波に打たれ ....
いきる
燃えさし
あがってくると

            ( こころは バイパス
爛れた
くちびる
あてがいながら
眼窩(すかいらいと)
から
入水

          ....
深い森の中に鉄路が走り
群青色の電車が
静かに進んでゆきます
鳥のさえずりを
消さないように

私は食堂車にいて
甘い紅茶をすすりながら
ゆっくりと流れてゆく
外の景色を見て
鳥た ....
猛烈は
空に土足であがりこむ
闘牛の息猛々しいありさまを差しむける
裸(モーレツ)にすれば
コミック漫画のはみ出しイラストにひっぱりだこになる
それほどの猛烈たちがなんども呼びだされて
い ....
引きなさい

少しは
引くことを
覚えなさい

愛しい人から

 しつこいよ

なんて

最低
最悪の
オンナだから

引きなさい

いい加減
引くことを
覚え ....
月が満ちたらわたくしから
横たわったわたくしから
真綿のサナギをそっと剥いで
露わな背中を嘗めて頂戴
ほら、あの月が満ちたら
暗夜に独り、永年独り寝の
あの蒼ざめた女神の腹が膨らんだら
 ....
設えるより
解きほぐすようにして
わたしたちの地平は瓦解する

 いたたまれない
 この指先の感触
 いまも憶いだせない

まっすぐな壁をつくり
(腕が通るほどの位置に)
すんだ窓 ....
{引用=



真夜中に犬の声がかけてゆく


やっと帰宅した息子と
息子の帰宅を待っていた家内が
ダイニング・テーブルではなしをしている
声が
ボソボソきこえる

テレビの ....
れんちゃん、お眼目がとろとろ
おひるねの時間
ママはお出かけ
ぼくはギターのれんしゅう

外はさむいから畑しごとはおやすみしてしっかりれんしゅう
きらきら星と
メリーさんのひつじ
ター ....
頑張りやの
あんな子は二度と来ないでしょうと
しゃきしゃきとわたしの髪は細かく床に散らばる
もともと十二月までの半年契約で
一月からは大阪で開業する先輩の新店スタッフに
あらかじめ呼ばれてい ....
 なにが有効な手なのか
 わからないままに
 かれは
 もう、とっくに
 地図に表記されていない場所にきていた

 音がない
 姿がない
 赤い血が
 ながれることのない ....
止まったままの 時がある
針が曲がってベルトをなくした
金時計の中に
とどまっている

休まず刻んだ針が
不意に歩みを止めた
大地の奥深くから轟音が猛然と駆け上がり
アス ....
ふっと
水気を含んだ本の両脇
不穏がととのい
遡上がはじまる

奥の詩から女がたちのぼる
ひるがえり
紙面にむんずと顔を押しつけ
ことばのインクの溜め池は
頭頂に浮かぶ
巌流島から ....
解けない誤解なら
いっそのこと
編んでしまえばよかった

美しい
セーターにして
きみに贈ればよかった

ありがとうと言ってくれた
その嘘も
本当のことも
 
 
目が覚めるとわたしは突然
車掌さんになっていて
最後尾の車掌室にいる
夢の続きだろうか、と思い
頬っぺたをつねろうとするのに
指が見つからない
車掌さんなんてしたことなどないく ....
ひなびた温泉地の
居酒屋で
地酒の熱燗を呑む

まわりは
方言を使う
地元のお客ばかりだ

あさりの酒蒸し
厚揚げ豆腐を
肴に
2合の徳利を
猪口に注ぐ

木作りの梁
温 ....
青く光った矢印が
一斉に前を示し
両腕にしがみ付く怠惰な風は
酸っぱい痛みを産み落としていった。
萎んだ夜と悴んだ指先には
遠くの方から響いてくる
赤い点滅の伝言を
読み解くことはできな ....
うすい羽のはえた夜行バスにのって
月あかりにかがやくいくつもの雲をこえて
あいした理由も
あいされた理由も
すべてあなただったから

いつもの街角、いつものバス停
やわらかな猫の手に夜の ....
{引用=ひとりでは淋しすぎていられない
震えて眠る私はうさぎ}

抱いて欲しいって言えたらいいのに
もわもわの毛皮をまとっていても
寒くて寒くて震えてる


{引用=耳を立て周りの音を ....
耳をながあく描くだけで

なんでもうさぎになってしまう

うさぎは月のシンボルだ

まあるく明るいまん月は

まえあしみじかく描くだけで

なんでもうさぎになってしまう


 ....
りんご畑の中にある家は
白い雪にくるまれて
ここから見えるのは

車庫の屋根の雪下ろしは
小学生の時の楽しみだった
冬休みともなれば一階を埋め尽くす積雪に
よじのぼり一人前にスコップを
 ....
「よいお年を」



誰かに伝えたい言葉






今日は雪が降りました

吐く息も白いです





そんな当たり前の事が

少し嬉しいのは


 ....
{引用=



 こんなにもかなしくさびしい目をした
 青い犀は
 かつてみたことがない

 霜月はじめ
 いや
 ぎりぎり瀬戸際のこの師走のおわりの
 月さえ凍える
 しろい ....
向こうの外にある空から
根を切られて絶えた花達が
小川のように 流れてくる

一本ずつだった者が
根を捜して彷徨って流れ歩く

土を忘れるように
水を与えられ
雨の届かない屋根の下
 ....
 冬の断崖にたつ理由は
 自殺か
 他殺か
 イノチを落とすためばかりではない
 のこされた者が
  ―― その
 波濤を眼下にする行為に釣りあう不条理感の
 くるしみ
  ....
殿岡秀秋さんの自由詩おすすめリスト(778)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
朝に想うこと_/_トーストと目玉焼きの関係- beebee自由詩6*11-3-6
タタミのうえの椿ふたつ- 石川敬大自由詩23*11-2-28
潮の岬__2011- たま自由詩23*11-2-28
スキージャンパー- 砂木自由詩6*11-2-27
ノスタルジックな軽便鉄道の駅頭にて- 石川敬大自由詩20*11-2-23
恋の化石- 三条麗菜自由詩2*11-2-22
とうえい_(幻肢の砦たち)- 乾 加津 ...自由詩9*11-2-21
薬が効かない- 三条麗菜自由詩4*11-2-15
猛烈_(想起させるものに、忠実に)- 乾 加津 ...自由詩12*11-2-14
引く- 森の猫自由詩6*11-2-13
月齢- salco自由詩8*11-2-10
地平にのこる感触- 乾 加津 ...自由詩17*11-2-8
浮遊するレジ袋と真夜中に棲むものの声- 石川敬大自由詩14*11-2-3
マルセリーノの歌- たま自由詩17*11-1-30
頑張りや- 乾 加津 ...自由詩6*11-1-28
パカッと割れた苦悩なんかない- 石川敬大自由詩17*11-1-28
なゐ- yumekyo自由詩1011-1-24
水底にきえた- 乾 加津 ...自由詩13+*11-1-19
美しい誤解- 小川 葉自由詩6*11-1-19
車掌さん- たもつ自由詩511-1-18
大の字- 森の猫自由詩7*11-1-16
残火の迷夢- 久石ソナ自由詩2311-1-11
朝の日記__2010夏- たま自由詩20*11-1-6
私はうさぎ- 未有花自由詩12*11-1-5
うさぎ大好き- 吉岡ペペ ...自由詩511-1-1
冷たい白でも- 砂木自由詩6*11-1-1
寒い夜- 自由詩8*10-12-30
雪の往還にたつ青い犀___ーー_堀晃の絵画を観て- 石川敬大自由詩19*10-12-30
ほんとの土- 砂木自由詩11*10-12-19
「ゼロの焦点」その擬態のしんじつ- 石川敬大自由詩6*10-12-19

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