タバコに火をつけて

この世界の片隅の

哀愁ってやつを感じながら

春の風に吹かれている

自分に自惚れている瞬間

こんなときには

こんな自分でも

物語の主人公にな ....
 
   春はやってこない
   夜行列車だ
   海へ
   一点の海へ
   いくつものトンネルを潜る
   トンネルの向こうは雪だ
   房総半島ではもう菜の花が咲いてるだろうか
 ....
波打ち際歩きながらひとつひとつの砂に名前付けた僕は
とっくにおじいさんになってるはずなのにな

遠くからやって来る大きな文字の群れになら
いくらでも負けてやっていい気持ちなんだ

手の中に ....
そのへんから掘り出したような君に
まぶたを縫い付けてあげたんだから

掴まったり 寄りかかったりしてないときでも
光らせる電光掲示板は
もっと高く 空に近く
大きな声で読まれなきゃいけない ....
  シェフトフではないが
  不安である
  なんと言うこともなく不安である
  落ち着いていられない
  地震が来る
  火事がでる
  死が迫る
  急勾配の地下鉄のエスカレータ ....
  

   あまり淋しいから
   ひとりで寝ている
   
   午後15時10分の憂鬱
   外は晴れている

   これから風呂にはいる
   温もればいい

    ....
覚えてる
迷ったときの指先のちょっとした仕草とか
暑い室内でむっと漂ってきた身体の匂いとか

正午、君がサイレンの口真似をすると
僕らは作業を中断して
いつも小さな昼食をとった

今日 ....
浮かばない毎日を過ごすあなたは
気づかないうちに 地下鉄を地下に閉じ込めてるから

四角く押さえてあげたくて
半紙を板に載せる

半紙の位置 忘れないように付けた印を
遠くから振り返ると ....
そのへんで拾ってきた泥を一つかみ投げて
落ちてくる前に すごく笑った

「最近 肌の調子だけはいいの」
なんて言って
絵の具を塗りつけた筆のまま
叩かれても平気

おいしいほこりをいっ ....
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