夏はいつでもなつかしい
ここではないどこかに
いってしまった
ぼく
永遠の夏休み
こどものままで
ここではないどこかに
ずっといる
ぼく

さびしい遊びをしているようだ
家の ....
 




ひとすじの光が
発ってゆこうとするとき
振り返り
振り返り虹を解いた


階段に映る
薄い手紙
窓の水滴
昼から午後へ
めくられる譜


何かが閉まり
 ....
時計の針が壊れた残骸のある
人気のない広場で口笛を吹いている
早朝の光に満ちているが
もはや早朝といった時間を超えている
みな、何かを確かめようと躍起になっている
私は既に確かめ ....
誰かのせいであればよかったのにと
雨雲は思ったりするのだろうか
ちぎり捨ててしまったカレンダーのすきまに
見える青空は私ではないけれど

月が反射するものを遮るもの
もしくは雨粒が激しく歪 ....
窓が溺れている
僕らが雨に気づくまえから


窓が溺れている
灯りを消して微睡むときも


窓が溺れている
ひっそりと溺れている
カーテンのむこう側で
水面もなく 海底もなく
 ....
リルケの詩集を 雪の積もった日に
重いコートの襟を立てて 携えてきた
大事な宝物のように 頬を赤くして
そんな時代に きみの後姿が重なる


茶色くなった 欅の落ち葉に書いた
秋の香 ....
それぞれに運命を入れた容器たちの
つかの間に折々
わずかな光を胎動し
森のかたちにふくまれていく

欲しいからだを差し伸べる
天使たち
祈りをおびて瑠璃色の
小箱にひそめ ....
けぶる空 さよなら
いつか またね
わたしを待っていてくれるのなら
きっと すみれ色で出迎えて

真夜は訪れ
いのちたちは
息をひそめる
ちいさなさよならの

行き交う街角
きっ ....
種は零れる
つゆの光る朝に
手紙を黙読する

ゆき場のない言葉を
ほほに風そう庭のお墓に埋めた
涙に黙礼をする

血筋を経た
自分が今ここにいることを
みつめれば
温 ....
壊れた羅針盤で
/これがこの詩の一行目ではない
壊れた羅針盤で一針一針丁寧に縫い付け
詩人の口を塞ぐ
孤独を売りさばき建てられた黒い城
その地下室で真昼に暗殺された
一羽の青い鳥に対し何を ....
せかいはゆったりしている

小径にすぅと鬼やんまがきえるときも
ほの暗いひんやりとした木かげが
風に戦ぐ
秋の空高く深まる

せかいはゆったりしている

座椅子に ....
サーカスも消えた広場に
日付が変わった南瓜の馬車
燃え落ちた隕石
既に 青くない地球


十二色のクレヨンを握り
極彩色のテレビに見とれている児


やり過ごされていく毒の風に晒さ ....
雑踏の中に屹立する鋼のルサンチマン
辺り一面に広がる「私」の倉庫
風が一度たりとも触れることのなかった都市の特異点で
「あなた」の残響が整備された街路樹を埋めている

角度は徐々に水になり速 ....
林檎や梨が
その位置を偶然から必然へと動かすとき
その表面へ差す光は
外部に言葉を与え 内部を言葉から離した
再び
林檎や梨が
その位置を必然から偶然へと移すとき
昼の底にある闇が
 ....
忘れた、ということを
忘れている道草の
風色はそよそよと
帰れないでいる
ほのぐらい影
(さようなら)さようなら
ずっと

うすぼんやりとともるこみち
ぽつり、ぽつり遠くまで
 ....
素顔を布で覆った、恋人たち
鳥には雲がうかび、空が飛んでいる、鳥
これはパイプではない、とパイプを描く、イメージの裏切り
それらに題名を与えた、マグリットの顔は
青い果実に、隠されている

 ....
八月は切り抜かれ
友達は工場べりを歩いている
街並みを通り抜ける光と
ぬるい膜のなかだって

明け方になって、長い手紙は折りたたまれて、どこへも
手を止めた、重なったビルの中から、適切な坂 ....
 
 
砂漠にさくらが咲いた
砂漠中の魚が集まってきて
あたり一面、銀色に輝いている

わたしが目を閉じると
さくらは散り
砂は空へと帰っていく

そして魚たちはみな
記憶の届か ....
 
 
薄暗いプラットホームから
各駅停車の
ジェットコースターに乗る
あの日、僕は
いったいどこに行きたかったのだろう
雨降りの遊園地で
もう手をつなぐ人すら
いないというのに
 ....
言葉はいつも確かだった
何もないということが
私には
雲が空を超えていく時
時が空間の中をさまよう
夜の
途絶えることのない迷いの中で
どこにいくのだろう
  橋の下の叢に
  ひっそりと落ちていた
  真珠色の受話器と
  捩れてしまった一本のコード
  その先は川に入っていて
  その更に先は
  わからない
  暮れ時、水面に ....
秒針が地球儀のようなものを一周すると、
あなたは
いたずらに、ひとりごとを歌った

残像になった月曜日を憂うよりはやく、
空は、当たり前のように青みを誘って
駆け抜けてしまった


 ....
僕たちは立っていた
路上に立ちつくして
いつ訪れるかわからない
僕たちをどこかに
連れていってくれるであろうものを
ひとすら待ちつづけていた
僕たちは整然と列を
乱さずに立っていた
僕 ....
夏を忘れたように
川面は揺れています
秋柿色に灼ける西のほうこうに
知っているそらはありません
路面電車を染める透明や
季節を渡っていく雲も
映す川面を揺らす風
みんな、私の知らない後ろ ....
いくつもの約束も
微笑みも
泡のように消えて
小さな海に沈んで眠る

囁き合った星々は
鈴のように笑ってる
遠くで眠る砂漠の中に
銀の涙がそっと光る

静かに本を閉じたなら ....
 
 
透明人間が
影ふみをしていた
人数はわからないけれど
楽しそうな声が
風と風の隙間から
聞こえてくる
影がないので
いつまでも終わらない
いつまでも終わらない遊び
終わら ....
明け方の空へ左様なら
わたしはいつか
あちらへ行く。

終わることが出来ない
という のは ある意味、
絶望である
永遠の命なんて。透明な
花時計が求心する眼球の
水 ....
 
 
影を連れて出かける
ふとした拍子に
私と繋がっている唯一の
糸のようなものが切れて
影はどこかに飛んで行ってしまった
影の無い私は
午後三時くらいの腕時計を見る
 
 
 
 
右手の人差し指が
鍵になってしまった
どこの鍵だろう、と
合いそうな鍵穴を探すけれど
鍵の要らない穴しか見つからない
ふと鏡をみると
自分のおでこのあたりに
それらしき穴があ ....
青空ほどの巨大なレモンの上で愛が偽装される
午前二時の女よ
君の美しく透きとおった心臓でカッコウが啼く
塔野夏子さんのおすすめリスト(1178)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
永遠の夏休み- ゆうと自由詩5*15-7-13
去る日_遍歴_- 木立 悟自由詩615-7-1
時計- 葉leaf自由詩415-6-27
雲の隙間を再び照らしている- たりぽん ...自由詩115-6-11
窓が溺れている- 吐水とり自由詩7+*14-11-26
夕萓に- 藤原絵理 ...自由詩8*14-11-8
瑠璃唐草に- 橘あまね自由詩1314-4-2
はざかいで- もっぷ自由詩11*14-1-24
まちあわせ- こしごえ自由詩8*13-12-29
くちばしに- 左屋百色自由詩10*13-11-18
さびしみ- こしごえ自由詩10*13-10-15
午後の祈り- Lucy自由詩19*13-9-19
映像- 葉leaf自由詩613-7-3
静物- 葉leaf自由詩713-5-14
ゆうけい- こしごえ自由詩6*13-1-14
(仮)- sample自由詩6*12-10-19
夏になれば街は- Debby自由詩612-8-24
砂漠のさくら- たもつ自由詩812-4-14
age36- たもつ自由詩712-3-29
詩を_書いた_夜- 番田 自由詩312-2-8
受話器- 草野春心自由詩612-2-3
シーズナル・フィロソフィ- 桐原 真自由詩11*12-1-22
壁画- 岡部淳太 ...自由詩1511-11-27
鈴月はしらない- たりぽん ...自由詩6*11-11-20
夕陽- 自由詩6*11-10-26
終わらない夏- たもつ自由詩511-8-14
独りのロンド- こしごえ自由詩6*11-8-1
腕時計- たもつ自由詩511-7-14
鍵穴- たもつ自由詩1111-6-18
無題- ぎよ自由詩411-5-28

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