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夕立は 末期の水
炎暑の臨終を見届け
遺された雲はようやくめいめいの空へと
散ってゆく

蒼ざめた弔問客に
もらわれてゆく
一度話してみるよ
僕にとっても
大事なことだし
彼にとっても
きっとそうだから


みんな
一人に戻ってしまうんだね
使い方も覚えた
ようやく
夏が乾き
昨日へと遡ってゆける余裕が生まれる
抱えたことのない問題によって
ひとは計られるとするならば
誰も 誰一人として
濃い青空や
水に濡れた感熱紙に
 ....
きみに
僕の、人生で最後の遅刻をプレゼントしたかったんだ。

いつも最前列で受講していた、その
小さなレンズ越しにきらめく冴えきった野心に。

その、危うい透度に。
塔野夏子さんの吉岡孝次さんおすすめリスト(4)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
灰より蒼く- 吉岡孝次自由詩507-8-4
秘密基地- 吉岡孝次自由詩105-11-18
ボート・デイズ- 吉岡孝次自由詩805-6-22
退官- 吉岡孝次自由詩105-3-2

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