すべてのおすすめ
モノを置かないでください
と張り紙のあるところに
モノを置いた
そんな些細なことがきっかけで
そんな些細なことの積み重ねだったのだろう
「いつもの」
そう修飾された朝は
あっ ....
日記は忘れています
かつて
誰かの小鳥であったことを
目を瞑ると
まぶたの中で風景が裏返る
人は皆
空の切れ端でした
レモン水一口飲んでいる間に
地球が生まれ
消えていきました
桜がとてもきれいだったので
あなたに伝言を残そうと思いました
今、入門書が熱い!
という情報を聞きつけ
俺は師走の街をかっ飛び
かっとーび
許されるならすべてを散財し
強弱も忘れずに
強も弱も
俺の大切な兄たちたちが教えてくれたよ
引き連 ....
今朝、あつ子は眼鏡だった
俺はあつ子をかけて新聞を読んだ
悲しい記事をであつ子は泣き
楽しい記事をであつ子は笑う
俺のあつ子、眼鏡は泣きも笑いもしないのだよ
そう言うとあつ子は黙って ....
あの人は頭にツノがありました
ある日
頭にツノがあって大変ですね
と言うと
あなたはツノがなくて大変ですね
そう答えました
あれを初恋と呼んでいいものか
今でも戸惑います
ただ、あ ....
結婚したてのころ
奥さんがバスンバスン布団を叩く音を聞いて
親のかたきじゃないんだから何もそんなにまで
なんて思ったけど
十年目に
「布団は親のかたきなの」
衝撃の告白
親のかたきに ....
あのビルは
誰の羽なのでしょうか
あんなに高くて
空に届かない
見上げるわたしたちは
いつまでも
一枚の写真でした
フセイン、昨晩おまえの夢を見た
おまえは壇上から民衆に向かって演説をしていた
それはおまえの国の言葉なので俺には聴こえなかった
サダム・フセイン、俺がおまえの夢を見ているとき
おまえは俺の ....
二十数年前
大量の醤油を飲んで自らの命を絶った科学者がいる
それが私の父だ
いったいどれくらいの醤油を飲んだのか
警官が説明しようとすると
母はそれを遮り
私の手を引いて長い廊下を歩き ....