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泣くために悲しんだことがある


砂浜にかじりつくようにくいこんでいた白い貝は
まるで生きているみたいに艶やかな色をしていたから
指先で撫でたら深くもぐりこんで逃げてしまうような気がした
 ....
風が言葉をさらっていった

ただ黙って
夕暮れを見送る

綺麗なものへの憧れは尽きることなく

たとえばそう
悲しみの結晶が透明であるならば
過去も無かったことにできるだろうか

 ....
満員電車の中で溜息をつく
人の間をすり抜けてゆく生暖かい空気

すみません、おります、という声に
押されてできた小さな隙間
赤いランドセルが送り出される
紙くずが舞うホームに向かって
歩 ....
ふと遠いところへ行きたくなる

通過電車に手をのばせば届きそうで届かない
本気で身を乗り出すと本当に連れ去られてしまうから
「危険ですから、黄色い線の内側までお下がりください」
というアナウ ....
今日が終わる
その少し手前で

ひとつ足りないことに気づく

いつものように
君を送りとどけた駅で

「またね」でもなく
「さよなら」でもなく
「ありがとう」でもない

ひとつ ....
入院してる友達のために折ってるのと
その子はちょっと淋しそうに

鶴を折っていました

それを手伝おうと
わたしも折ったのですが
できあがった鶴の
羽を広げようとしたとき

その子 ....
こぼれおちてゆく
砂の一粒一粒は
空白を埋めるように
足元に降り積もる

ひとひらまたひとひら
音もなく淡雪に似て
けれどそれは
削られたあなたの欠片だから
冷たさにひるむことなく
 ....
手をつなぐように立ち並ぶ
銀杏並木の下を歩く

影踏みをしながら
陽射しを避けて木漏れ日をぬう
揺らめくカーテンの折り目に隠れるように
柔らかい幹に身体をあずければ
背中から伝わる
静 ....
始まりの声に耳をすませば
それは静かでも力強いことに気づく

あなたは
不確かな未来を希望にからめて
堅く結んだ約束を口ずさむ
こぼれたいくつかは落下して砕け散っても
受け止めたいく ....
こんな雨の日に泣きたいのは気のせいだと思った

この間、久しぶりに友人と飲んだとき
ずいぶんとしあわせそうな顔になったじゃないかと言われた
そのセリフの半分が
励ましだということを
僕は知 ....
虚無をまとって闇を隠せば
それは限りなく深い透明のように見える

あなたは
自分を見せることなく
優しさを浮かべた瞳で見つめる

僕は
その優しさの結晶に自分を映す
一つの優しさ ....
   
狂うがままに放たれた色

花びらは
その身をくるむことなく背景を抱く
自ら屈してしまいそうな首をしならせて
けれど
滑らかな曲線はこちらに向かって投げ出され
それを支えようと身 ....
静寂が満ちるのを待つ

あなたは
広げた想像の張力に身をゆだねて
空を映す水面に静かに浮いている

手のひらをつぼみにして
ゆっくりとふくらませるとき
わずかな空間の揺らぎが
水中を ....
張りつめた風の端
やわらかい記憶の糸をほどけば
泣いてしまうかもしれない
あなたは

ほころぶ桜の薄い花びら
その散り際の光景を思い浮かべるとき
過ぎた時を惜しむ眼差しで
未来を見つめ ....
携帯電話で話しながら

「近くのはずなんだけど、、、わかるようにスッキップしてみて」
と言われて正直にスキップする僕は
どうしょうもないバカだ

そんな僕を見て
君が笑ってくれ ....
その女の人は、ずいぶんと寡黙な人で
その寡黙さが
しきりに語りかけてくるのを
熱心に聞いていた

薄い手のひらでくるまれた
さらに繊細な指先は
紙袋のひもに引き伸ばされて
青く静止して ....
感情の糸をわたる指先は
安いヴァイオリンのように響いて
逆立つ髪を宥めれば
傾いた首の方へ流れてゆく


(鼓膜を抜けて届いた先には
 やわらかいあなたがまるまっている)


明滅 ....
風が吹いたと思ったら
あなたはもういませんでした
見上げた空には
枯葉が一枚舞っていて
届きそうで届かない
私は
待っているのをやめて
風になろうと決めたのに
枯葉は  ....
さくさくと軽い音をたてながら
生きものたちの影を求めて歩きました
胸いっぱいの冷たい空気を吐き出せば
白いけむりの中に春が見えないかと
苔にすべってつかまった木の肌は
渇いた鱗のように剥がれ ....
一月の風が過ぎ去った頃
空を迷って辿り着いた木の実が
夜を探していました

まだ
日暮れ前の鳥たちが並んで飛んでいる
公園の歩道には誰かが落としたハンカチが
あと少しで浮こうとしています ....
きれいな空があることを
忘れたくなかった

雨が降るのを
空が落ちてくると言った 僕は
落ちてくる空を見たことはない

びしょ濡れになってもいい
見上げた空がきれいであるこ ....
3DKの家から
1トン車1杯分のゴミを運び出した

できるだけ静かに運ぼうとしたのに
荷台の上で何かが崩れ落ちる音がする

7年前の秋
そこで始まった生活が思い出せない
ゴミ袋に放り込 ....
疑問符をつけてはいけません

押し付けてはいけません

まずい状況では
さらに状況が悪化することがあります

何かをねだるときに使うと
見透かされたときに危険です

正直、あまり使 ....
空が白けて
窓にしがみつき
指先で書いた文字も
ただの水滴

さくっと
逆立った地面から
突き出た衝動のような
脆い僕だから

結晶を解いても
蒸発してしまうだけだってね
わか ....
   1

通りかかったカマキリに
僕以外の卵は食べられた
奇跡的なこの誕生を
誰が祝ってくれただろう

   2

ある日道路を這っていたら
目の前で仲間が鳥に食べられた
姿か ....
嘉野千尋さんのベンジャミンさんおすすめリスト(25)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
砂浜で拾った貝殻はどこまでも沈んでいった- ベンジャ ...自由詩11+*05-10-24
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「街波」【やったよ連詩!やっぱり連詩は楽しいね!】- ベンジャ ...自由詩6*05-10-10
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ひとつ足りない- ベンジャ ...自由詩17*05-8-24
千羽鶴- ベンジャ ...自由詩68*05-7-3
「砂時計」- ベンジャ ...自由詩5*05-5-28
銀杏並木- ベンジャ ...自由詩5*05-5-6
四月になればあなたは- ベンジャ ...自由詩22*05-3-28
こんな雨の日に泣きたいのは気のせいだと思った- ベンジャ ...自由詩11*05-3-22
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ひまわり- ベンジャ ...自由詩4*05-3-9
睡蓮- ベンジャ ...自由詩3805-3-7
それが旅立ちなら- ベンジャ ...自由詩705-3-7
僕はスキップする- ベンジャ ...自由詩12*05-3-6
今日、電車の中で思いついた言い訳- ベンジャ ...自由詩9*05-3-5
慟哭- ベンジャ ...自由詩16*05-3-2
枯葉- ベンジャ ...自由詩10*05-2-22
二月の森- ベンジャ ...自由詩7*05-2-17
「錆びたトタン」より- ベンジャ ...自由詩12*05-2-1
空と大地の間で交信する- ベンジャ ...未詩・独白7*05-1-30
費やした時間の重さ- ベンジャ ...自由詩11*05-1-14
「愛してる」の使い方- ベンジャ ...自由詩11*05-1-9
銀世界- ベンジャ ...自由詩8*05-1-8
チョウになる- ベンジャ ...自由詩9*05-1-5

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