電車の窓の向こう側の、外の風景のその先
右から左へと過ぎ去っていった心象の中に
少年の頃の自分が口をパクパクさせて泳いでいる
僕は餌なんか持っていない、それなのに
少年の頃の自分が口をパクパク ....
わけもなく心和める夕暮れや
秋はやさしさ運びくるらし

音たててころがりて行く空き缶に
信号待つ間の視線集むる

夜半覚めて物読みおればしぐる音
しばししてより また止みにけり

木 ....
乾いてゆく風があった
薄れてゆく光もあった
綺麗にされた夏だった

目の前に拡がる
どこか懐かしい景色に
なぜかふるい歌を思い出し
海に腕をさし入れる
かなしみが群れているのは
きっ ....
 
 
まだ夜の明けないころ
街は少し壊れた
機械の匂いがする
昨夜からの断続的に降る雨が
いたるところ電柱にも
あたっている
いくつかの窓の中には
ささやかな抵抗と
使い古された ....
始終電車の中で揺れているような一日だった
駅のホームで一息をつく 
そんな感覚でベランダへ出て 
ジーンズの裾を捲り 風が吹くのを待つ

どこか遠くの方では 
花火が上がる音が聞こえている ....
Amで始まるブルースを
ここに届けてはくれないか
そしたら僕はそれに合わせて
君の心臓をノックするよ

あぁ、視界がぼやけていく
なんて美しい世界なんだろう
靄にかかった世界のほうが美し ....
行方不明の洗濯機が二番線のホームで脱水していた


振り返ると家電フロアーの主任が裏口でまだ手を振ってる


今日もレンジの平和を願う君が両手でものを温めている


「いつも利用する ....
八月はしづかに
葉先からくれないに燃え
白い節くれだった骨になる
そのつつましさの中に
芽吹こうとする強い意志を隠しもっている
漂流する鳥たちは
わずかの間のよすがを求め
自らの骨のゆめ ....
目的を持つように見える人々の間を
さも目的があるような顔で私も歩く
ミュージシャンとは付き合うなと言う私に
詩人とは付き合うなと笑いながら君
そんなごもっともな意見を思い出しながら
 ....
素麺を啜りながら東の空を見た
月消えて
すみそにあんかけうまかろう
そらに女のささやきが
ゴアゴアした風にも油断ができた

すみそにあんかけうまかろう
提灯で電気花火に火をつけた
撥撥 ....
ラジオの
途切れ途切れの音が
明日へ、
   明日へ、
とつぶやいている
のに

赤いほっぺたの頃へと
続く夜が
いつまでも車窓を流れてる

さよならと
おやすみと

りん ....
ポケットが汚れ始めている
待合室は朝から眠たい
何かの整備工の人が
口を動かしている
語りかけるように
沈黙を選ぶ言葉があった
目を閉じようとすると
少しばらばらになる
水が優しい濃度 ....
あの彗星を追い抜くには
おれの命はあまりにも遅すぎる

もっとスピードを

もっとスピードを

摩擦熱で燃え上がって灰になるまで

もっと軽やかになるために
おれは足の小指を切り落 ....
 
 
やさしみの
さかなが
しずかに
みなもをおよぐ

やわらかな
さざなみは
しあわせなきおくを
みたそうとする

やきつくされたあさ
さいれんがなりひびく
しきはまた ....
地図はいつでも正確だ
何分の一という尺度から道がどのように走ってその脇にどんな建物があるのか
ことこまかに教えてくれる
ぼくはそこに自分の生活を書き込んでいく
家を基点にして、小林さんの勤めて ....
未来のように
なつかしい
時間を持たない
風景があった

潮の匂いがする方へ
無言のまま
花びらを一枚一枚
千切っては捨てる
日々が続いた

家族が家族である
理由はあったはず ....
 http://www.quilala.jp/prize_bn.html
 で読める掌編小説『最後の海』の、時代的には前の話。
 読む順としては『最後の海』からの方が理想的。


海で泳ぐと ....
あの夏の日の遊園地
父に風船を買ってもらった
赤くて丸くて
自分の顔より大きいやつを

風船を手に
浮かれてはしゃぐ私を見て
父は「手を離しちゃ駄目だよ」と言った
私はこくりとうなずい ....
コラボレーションしようぜ
っていわれて行ってみたら
ただのセックスだったりとか
有り金全部花火買って
そのまま公園に捨てたり
タバコの銘柄を気まぐれに変えまくってみたり
目が覚めたら夕方の ....
光が伸びていく方に
魂があるように
牛もまた
どこかへ向かって
伸びていった

お母さん
と呼べば
お墓の中から
鳴き声が聞こえる

膝をかかえたまま
じっとして
夏の一日だ ....
  
 
庭に雑踏が茂っていた
耳をそばだてれば
信号機の変わる音や
人の間違える声も聞こえた
ふと夏の朝
熱いものが
僕の体を貫いていった
雑踏は燃え尽きた
かもしれないが
庭 ....
その1
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=120607


万里の長城の城壁を全て
絵で埋める計画がある
という
僕が昔ついた大嘘を真に受けて
 ....
かんらん石を積む夢と
黒砂が舞い踊る夢を
秒針が殺したので
小指にてそれを折りました

ざあざあと鳴る
雨の音の降りしきる
信じ
終わり
嫌疑は流れず
淀み腐り異臭を奏で
雨の音 ....
草市に うみほほづきを購いて
海の味する遠き幼日

朝ごとにくぐもり啼ける鳩の声
故里に啼く森を想えり

西陽射す路に日課の水をまく
秋めきし風に虹たてながら

白白と待宵月は行き来 ....
窓を開け放し深呼吸
外は生憎の曇り空
それでも太陽が消えたわけじゃない

難しい言葉はいらないでしょう
ただいつも感謝の気持ちを胸に
そばにあなたがいなくても

ゆっくりドリップした珈 ....
近くにて花火の爆ぜる音のして
幼等の声 広がりてゆく

指染めて高菜をもめばよみがえる
故里の畠にゆるる菜の花

窓明けて寝ながらに見る夏の夜
高層ビルの窓に動く人影

夕立の前 ....
それぞれの皿に苺を盛り分けて
嫁ぎし娘の数も入れおり

盛装の娘の席は遠く しばたたく
目にぼやけゆく宴の席に

夕食の時どき夫は嫁きし娘の
空席言いて酒を呑みほす

月を取れ星 ....
以前にも書いた通り、自分はこの現代詩フォーラムの投稿から
詩歴が始まる。
今まで詩を書いてこなかった自分にとって、どうやったら
詩をうまく書けるのだろう、そう思いながらあれこれと
考えていくう ....
数多のあなたから
発信されることばに
わたしは固くまぶたを閉じる
それらを愛さないために

西側の、部屋
窓に切り取られた風景のなかで
遠く稜線がたそがれてゆく
そう
書いたときには ....
現代短歌は現代短歌で良いと思う。
けれど、現代の短歌は難しい。

昔の短歌は、だれが読んでもわかるものばかりだった。
いまの短歌は学のある人が、学のある人にしかわからないものを作っている ....
Tsu-Yoさんのおすすめリスト(295)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
レールの上- 結城 森 ...自由詩4*07-10-18
64P_「短歌2」より- むさこ短歌7*07-10-17
乾いてゆく風があった- soft_machine自由詩16*07-10-13
拝啓、君は元気ですか- たもつ自由詩36*07-10-11
ポケットと速度- 自由詩1*07-9-29
「この物語はフィクションです。」- 快晴自由詩6*07-9-25
家電- たもつ短歌2107-9-22
螺旋- ワタナベ自由詩2007-9-14
季節ポケット- 快晴自由詩4*07-9-10
怪奇月食- あおば自由詩2*07-9-5
寝台車- AB(な ...自由詩807-9-4
その海から(理由)- たもつ自由詩1607-9-2
猿は彗星にまたがって笑う- 大覚アキ ...自由詩1307-8-29
その海から(やさしみ)- たもつ自由詩40*07-8-28
地図- ワタナベ自由詩4*07-8-24
おはよう- 小川 葉自由詩3*07-8-23
最初の海- 楢山孝介自由詩2*07-8-21
赤い風船- 快晴自由詩4*07-8-18
パーマネントヴァケイション- 大覚アキ ...自由詩307-8-15
牛車- 小川 葉自由詩207-8-15
その海から- たもつ自由詩2207-8-14
長城計画_2- 楢山孝介自由詩8*07-8-14
火曜日- 凛々椿自由詩1007-8-13
54P_「短歌2」より- むさこ短歌12*07-8-12
たとえばこんな朝がある- 快晴自由詩2*07-8-10
52P_「短歌2」より- むさこ短歌8*07-8-3
50P_「短歌2」より〜_嫁ぎゆく娘- むさこ短歌9*07-7-31
「とりあえず1000投稿」を終えて- ぽえむ君未詩・独白21+*07-7-28
数多のあなた- ワタナベ自由詩24*07-7-26
現代短歌について- むさこ散文(批評 ...4+*07-7-25

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