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夜がほの蒼いのは
雪が舞っているから

すこし窓を開けて
吐息が白く夜気に放たれ
雪と交わるのをながめる

手を延ばせば舞いおりて
けれどその冷たさは
触れるまもなく掌に溶け ....
花曇りの空に舞う胡蝶の
その透きとおった翅を 
欲しいと思う 

やわらかく笑う 
ということを覚えたのは 
いつの頃だったろう 

新しいピンヒールが
足に馴染まなくて 
ア ....
息を 
わたしたちは潜めて 
東の空の彼方から 
春がやって来るのを 
待ち侘びていた 

夜明けに 
うすい紫の風が
わたしたちの 
頭の上を撫でながら 
通り抜けてゆくとき ....
東京は
私たちの隠れ家だった

誰も私たちを知る人などない街で
なにもかもを忘れたふりをして
ただのオトコとオンナになるための
狭くて大きな隠れ家だった

東京タワーも水族館も
 ....
ねぇ見て 不思議よね
こんなにちっちゃいのに
ちゃんと爪もあるのよ と
満ち足りた母親の顔で彼女は
小さなこぶしをを開いて見せる

アキアカネが飛び交う夕暮れに
生まれたから 茜
はい ....
ぽくぽくと砂埃の道を
踵の低い靴で歩く
道端にときおり現れる
柿の木の下で
風に吹かれて和みながら

寂れた雑貨店は
小さなオアシスのように見えた
冷蔵ケースのコーラの瓶の
くび ....
猫の手も借りたいくらい
忙しかったりしてる時も
日溜りで遊んでいる
となりの猫を掴まえて
手をとってバンザイさせてみたり
ぷにぷにの肉球を瞼に押し当てて
和んでみたり

そんな時間はあ ....
3匹目の獏は道端で
へたりこんでるところを拾った
小さな獏は虚弱体質で
夢はもちろん秘密も嘘も受け付けず
今にも消え入りそうに震えている

私は必死で噂とか言い訳とか  ....
いま泣いたら
なぜかもう二度と
笑えなくなるような

そんな気がしたから
空に向かって入道雲を
ググっと睨んでやった

まひるに嘘をついたりしてはいけません

善良なあたしは
 ....
ベンジャミンさんの落合朱美さんおすすめリスト(9)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雪あかり- 落合朱美自由詩29*07-1-4
花笑み- 落合朱美自由詩4106-4-12
春はあけぼの- 落合朱美自由詩4006-3-3
東京- 落合朱美自由詩32*06-1-30
アキアカネ- 落合朱美自由詩48+*05-9-17
田舎道- 落合朱美自由詩16*05-9-9
となりの猫- 落合朱美自由詩19+*05-7-30
偏食_三- 落合朱美自由詩22*05-7-14
まひるの嘘- 落合朱美自由詩12*05-7-3

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