すべてのおすすめ
静かな潮の満ち干きが
袂に隠し持つ黒い手帖に蒼い譜面を奏でる
陽炎の傷痕に海月の脚が優しく絡み
波打つ水面に蓋然性の円を結んだ午前零時の次元の窪み

深呼吸は沈む胸の最奥に聳える鍾乳石となり ....
水面を幾重にも抱きながら藻が囁く
流れは何をも見送るもの
躓くものも うつむくものも
嘲笑うものも 祈りのひたいも

魚が撥ねる
いま その尾が視とめた光の破片が
太陽の剥がれた抜殻とし ....
山際に故郷を茂らせて
霧立つ河は唱和する
悠久の径を手引くように
水面には明かりの灯った小さな神輿が流れ
その一つ一つに幼子が蹲っている
名付けられた世界を知らず
生誕の由縁も語れぬまま ....
ベンジャミンさんの由木名緒美さんおすすめリスト(3)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
海の揺籃- 由木名緒 ...自由詩4*21-12-12
虫のなみだ- 由木名緒 ...自由詩15*19-7-20
◎裸身- 由木名緒 ...自由詩1418-2-7

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する