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恋をしたのだと
人に告げると
恋はなぜか
はかなく散る
だから僕は
無人駅で
一人列車を降りた
切符は思い出に
コートのポケットに
恋の日付が
記されたまま
....
海辺を散歩して
耳を拾う
かつて貝殻と呼ばれた
それを耳に当てて音を聞く
波の音が消える
大きなその音が消える
代わりに
もっと大きな
大きな音が聞こえてくる
何 ....
階段をのぼる音がする
子供のからだのまま
大人になってしまったこころで
夕暮れ
母は一尾の魚をさばきはじめる
命の尊さも
生きることの残酷さも
何も語らずに
父は形 ....
水に触れると
懐かしくて
飛び込みたくなるけれど
息が出来ないから
死んでしまったあの人や
まだ生まれていないその人は
水の向こうにいるのだろう
何度も水に触れると
く ....
健康診断の結果
肺に小さな影がありますと書かれていた
早く再検査に行きたかったけど
仕事も忙しくて
時々そのことを思い出しては忘れ
思い出すと泣きたくなる夜もあった
実際泣いた ....
湯舟に浸かると
そこは港
ゆっくり岸を離れてゆく
目を瞑れば見えてくる
この世にひとつだけの海を
満天の星々を頼りに
湯舟はどこまでも行く
扉が開く音がして
お風呂 ....
真夜中
港まで自転車で走る
橙のあかりが点々と
その下に一人
また一人と
釣り人が並んでる
釣れますか
聞いても誰もこたえない
みな透明だから
二人乗りしてきた友人も
いつのま ....
空泳ぐ魚が水面に映ってる
せせらぎの声が今日は風邪ぎみで
光る瀬に低空飛行の戦闘機
居眠りの私を蟻が巣へ運ぶ
川の瀬に溺れる私の夕まぐれ
さようなら魚が跳ねて言いました
たちばなまことさんの小川 葉さんおすすめリスト
(8)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
春の切符
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小川 葉
自由詩
3*
10-4-13
偽物賛歌
-
小川 葉
自由詩
1*
09-6-2
光を見たその場所で
-
小川 葉
自由詩
2
09-4-29
水に触れる
-
小川 葉
自由詩
9*
09-4-22
日常の味
-
小川 葉
自由詩
7
09-3-27
湯舟
-
小川 葉
自由詩
9
09-3-24
港
-
小川 葉
自由詩
11
08-6-18
さようなら
-
小川 葉
俳句
6
07-7-16
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