すべてのおすすめ
野を駆けていく
冷たい狂気が
天空に貼り付く太陽に向かって叫ぶ
白く凍てついた舌を揺らめかせ
壮大な夢をみて、壮大な夢をみて
極彩色のパノラマがひらけ
高らかな笑い声が響く
せり ....
クリスマスという
言葉に慣れているけれど
ノエルという言葉の響きが好き
街中のイルミネーション
取り付けが急ピッチで進んだ
子供の頃
家族全員で楽しんだ夜
それは今も続いている
....
存在の孤独が
冷たく露わになるこの夕べ
雨滴は石を穿ち
震える胸奥を
抉るように流れ落ちる
ぽっかり深淵が口を開く
ぽっかり深淵が口を開く
遠くふるさとの汽笛が響き
わたし ....
もっと散歩にいきたかった
もっと抱いてあげればよかった
もっと話しかければよかった
もっと贅沢させればよかった
もっと遊んであげればよかった
もっともっと一緒に
朝に夕に
百万回名前 ....
照れ隠しで
ヘルプミーと叫んだ
みんなは笑った
僕も淋しく笑った
世界には
後悔さえ残らない
僕は
本気だったから
かまぼこのカーブはいつまで美しいだろうか
遠くに霞んでいるトンネルの入り口
小雨が降りはじめ暗い匂いがする
黒く濡れた何かが静かに入ってくる
そんな車からさっと降りた
姉さんは真っ ....
二〇一八年十月一日 「楽しくくたばれ!」
楽しくくたばれ!
二〇一八年十月二日 「断片」
ぼくは何も言わなかった。ひと言も口にすることができなかった。何
を、どう言 ....
痛みというものが こわくないから
なぜ泣くのかも 分らない
ひとりだって 平気です
身体よりも はやこころ砕け
足あとだけは 感じているのか
文字に見えない けれどはっきりと
ことばだ ....
二〇一八年九月一日 「葉山美玖さん」
葉山美玖さんから、小説『籠の鳥 JAILBIRD』を送っていただいた。クリニックに通う女の子の成長物語だ。会話部分が多くて、さいきん余白の少ない目詰ま ....
きみがとつぜん
海がみたいと言ったから
きっと寒いよ?と言ったのに
小さく あったかいよと言い返されたから
ひとのいない砂浜が
どこまでも続いている
どこまで行くの?と聞 ....
ようやく畑にたどり着いた
遠くを見て佇む案山子ひとり
腕はだらりと垂れている
そばへ歩いてゆくと
帽子を取ってお辞儀をしてくれた
私もお辞儀をする
顔を上げると案山子は
帽子を持って ....
絵を飾る
遠い砂浜
日が沈む五分前
遠くに人影が
犬の散歩だろうか
それとも
心の散歩だろうか
気がつけば
絵の中に立っている
橙色に染められて
描 ....
いつも通貨は飢民を迂回して流通する
いびつな地球儀の舵をとっているのは誰
鍋の底に経済の残滓がEDMみたいだ
僕は誰。僕のからだのなかには吸い殻と
古い写真と優しかった女しかいないから
....
冬に向かって息を吐くと
答えが返って来るのに
それを読むことは出来ない
誰かが私の本を
借りてしまったように
冬は長くて
マフラーをきっと折り曲げる
街を歩けば
イヤフォン ....
朝
僕たちの半分は 燃え残り
がらくたを 集めはじめた
不完全なまま 笑ったり
食べたり 愛した
頂点の すこしだけ手前で
自我をもった がらくたが
誰かのかわりに 泣きはじめた ....
十月になっても初夏みたいな日が続き
小さな畑でおくらの収穫をする
母は
穏やかでなんのわずらいもない日よりだと言う
この小さく可憐で柔らかなおくらの花が
せめて実になるまでそれが続きます ....
なんて原始的なんだろう
と
空に浮かぶ雲たちがささやく
それに
値段も八千万円近くと
普通の人間にはとても買えない価格だし
まあ
空を飛ぶ車よりは
ちょっとマシかな
....
快晴に
飛行機雲一筋
圧倒的安全圏より放たれる銃弾
狙いは無差別
I wanna be killed by Something I can't resist.
If so, Ev ....
お前は煤色の赤ん坊を抱いて
焼け焦げたアスファルトを裸足で踏みしめる
サイレンだと思っていたのはいくつもの悲鳴で
雨雲に見えていたのはなにもかもが
無に還ろうと爆ぜる努力の証だった
....
霜月
本当に霜でも降りそうだ。
昼間の怒りの感覚と
冷たい夜との温度差で
自分の頭が軋むとき
暗闇で虫が鳴いているのが聞こえた。
コロコロと。
お前達の行く先は
冷たくなる ....
たとえばきみを大切におもうこと
難破する世界では猫ときみだけが
僕の救いなのかもしれないのだ
神田神保町一冊100¥のコミック
表紙の朽ちかけた神霊全集と世界地図
ひとの周波数は様々 ....
誰かがシャワーを浴びている
雨はすっかり止んでいた
林檎を囓る少女が独り
光は妙に屈曲して
迸る水を艶かしく
向かいの鏡に映していた
今夜は早々と眠りに落ちる
明日はきっと晴れる ....
ああ
初々しい顔して
また夜が来た
ひんやり冷たい
風も吹く
向かいの家では橙の
灯りがともり
人影が
それは忙しく動いている
わたしは独り寝の床を整え
さっきからじっと座っている ....
いつまでも思い出す
自分だけちがう靴を履いてきたような所在なさ
裏庭のベンチがささくれ立っていたこと
ひみつね、と打ち明けられるいくつもの公然
嘘ですらない告白
知らない人間ばかり笑 ....
木立の緑が揺れている
私は冷たい虚を飼って
鉛の監獄から眺めている
気だるく憂鬱な昼下がり
空は一面の灰白模様、
風はもう絶えず吹き
荒れ果てた街並みが
ぱたんぱたんと倒れていく
....
..
. .agitaromasemenvos
{引用= _/
営靴福追求撃発射為日裏苦憂的幸絶賛痛
....
{引用=犬猫たちに売りつけろ
わたしに課せられた使命
マスキングテープのためのコピーライト
わたしの仕事
わたしが社会を企て
会社に貢献するために
騒がしいものたちをだまらせたい
わ ....
冷蔵庫のなかで
さつま芋がつめたい晩秋の風に干からびていた
淡い色のゼリーのようなくちびるの夏は
もうとっくに賞味期限がきれていた
不思議であった
私の前にはいつも道があって
そこをしずしずと歩いている
ホウの葉とサワグルミの、落葉の上を
ソフトに足を進めている
まったくなんの期待もない山旅に向かったのだった
ただ、歩 ....
送信の印を、押せば
一瞬で相手に届く
メールの文面
手紙の文字なら
その人らしさを表わす一字にも
一つの心臓が、宿るらしい
令和3年にもなれば
ポケットから取り出した
長 ....
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