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〈飢カツゑたる我が心かな雪解水〉
【ⅰ】
東北の寒村に突如その威容を現す「秘寶館」。まあ國王、もぐら國王こと杉下要藏には取り立てゝ用がなく、つひ見過ごしてしまふのだが、葛飾北斎の眞筆 ....
〈いかのぼり空に見付けたあり處 涙次〉
【ⅰ】
テオはテレパスである。彼が人間の言葉を話すのは、人の心にダイレクトに語りかけるのであつて、彼が人間と同じ聲帯を持つてゐる譯ではない。そ ....
【ⅴ】
じろさん、泣いてゐたやうだ。自分は、悦美の為に涙一つ零せない。カンテラは憂愁に浸りつゝ、ランタンの中に籠もり、細い火を燈してゐた。と、
「お邪魔します」テオが猫用の出入り口から入 ....
〈竹秋や奈落大好きなる女 涙次〉
【ⅰ】
じろさんは蒼白な顔をしてゐる。「悦美が…壊れていつてしまふ」
そんな焦燥を、カンテラはまともに受け止めたくはなかつた。「今、もぐら國王が ....
【ⅳ】
町會長である松本さんが、封筒を持つて事務所にやつて來た。「粗茶ですが」悦美が茶など出す。松本さんは、おづおづと封筒をカンテラに差し出した。「あの、これ」「は?」「トイレの魔物を退治して ....
〈早蕨や婆サの澁の味がする 涙次〉
【ⅰ】
テオが安保氏に「ボンド・スクーター(作者註)」の改造圖面を、メールで送つたちやうどその時だつた。「きやあああ」悦美の聲である。だうやらトイ ....
本質に即した思考に向かう人は、思考そのものの中に感情と意志とを共に見出すのである。
感情も意志も、現実の深みの中に存在している。
思考から離れて、「単なる」感情と「単なる」意志に向かう人は、
感 ....
〈靑ぬたを食ひたし我が心乾く 涙次〉
【ⅰ】
珍しく仲本の方からコンタクトを取つてきた。
「頼みがある。『もぐら國王』(作者註)を捕らへて慾しい」「單刀直入だな、」とじろさん。「『 ....
人間の魂の働きの内で思考ほど誤解され易いものはない。
意志と感情とは、その状態を後から体験するときにも、魂を暖めてくれる。
思考を後から体験する場合には、大抵の場合、魂は冷えたままである。
思考 ....
ネット詩と理想主義
いろいろと暗すぎる。もっと理想に燃えた状態で、詩を吸収できる人、学び続けられる人、言葉の愉しみを共感できる人がなぜ居ない
ネット詩サイトで釣りで愚痴ってみたけど、 ....
思考の本質を観察を通して理解することの難しさは、次の点にある。
すなわち、思考に注意を向ける魂にとって、
思考はすでにあまりにも容易な仕方で正体を現しているのである。
しかもその場合の思考は魂に ....
【ⅳ】
テオ「あのジムニーの前の持ち主、割れました。白川と云ふ人です。佐武ちやんの顧客名簿に、ちやんと載つてゐましたよ。事故車のリストを、佐武ちやん作つてたんですよ」カン「佐武ちやんにも困つた ....
〈永き日の向かう三軒両隣 涙次〉
【ⅰ】
杵塚の撮つた、カンテラたちのヴィディオが大分溜まつた。それで、テレビ・コマーシャルを制作しやうと云ふ話が持ち上がつた。カン「テレビ界には、い ....
【ⅳ】の續き。
テオ「天神一享テンジン・イツキョウと云ふ男 -この男、一種のマッド・サイエンティストなんですが- がをりまして、侍らし得る限りの、勞務者、家なしの男らを集め、サイボーグに改造 ....
〈梅が枝を車窓に挿せばラジオ和す 涙次〉
【ⅰ】
杵塚は下手くそな俳句を詠んだ。〈コンビニのコーヒー沁みる春寒し〉
苦笑しながらコンビニを後にして、彼は愛機・カワサキZ-250に ....
【ⅶ】
テオはPCを見て云つた。「兄貴、例の藤弁護士が、面會を求めて來てゐますが」カ「さて、だうしたものか」テ「だうせ恐喝の類ひでせう」カ「それも併呑して、この問題を一氣に片付けてやるさ」テ「 ....
【ⅳ】
明日は倖世の遺族、色川家の人びとゝの面談の日であつた。倖世の供養を終へた色川の母は、だうしてもカンテラに、一言禮が云ひたいと、申し出てきたのである。倖世の魂が迷はず成佛出來たのも、何も ....
【ⅷ】
カンテラは護摩を焚いて、その中に坂本のケータイを投げ込んだ。眞言密教の秘術、「修法」。「決戦の時、近し!」
そこは魔界ともこの世ともつかぬ、謂はゞ煉獄のやうな場所であつた。
....
【ⅳ】
カンテラとの入浴、それは悦美にとつては、神聖な儀式のやうなものだつた。
カンテラの躰には精嚢と云ふ、【魔】退治には関係のない、無駄なパーツは一切付いてゐなかつた。従つて、性慾と云ふ ....
【ⅶ】
駆けつけたカンテラ・じろさんコンビ、緑色の液体、を見て「消されたか…」
「次、ベルゼブブが現れさうなところ、と云つたら- 二人顔を見合はせ
「區役所!」
二人は取り急ぎ驛方 ....
【ⅳ】
梅林で呑めや歌えや、はカッちやんの大袈裟であつた。たゞ梅咲き誇る早春を樂しむ、しめやかな會、となつた。酒はカッちやんの調達なので確かな品、である。お重は悦美が澄江さんにアドヴァイスされ ....
天気はさほど悪くなく、三日に一度の山スキーが可能な日ではあったが、前回の山行で古傷であった膝の痛みが発症し、さしあたり体を痛める遊びは慎むべきなのではないかと山スキーはやらない日とした。
ここ一 ....
ゲーテはフリードリヒ・ヴィルヘルム・シェリング(一七七五〜一八五四)について、こう述べている。
「私が詩作に期待を寄せていなかったら、シェリングともっとしばしば会っていたでしょうが、
哲学は私の ....
アラガイsさんのアメリカントランプ2へのコメントへの返信として
- アラガイs
「
そう考えると、笑って際どいジョークのひとつも言えない石破総理なんて、アメリカーナにはちっともおもしろくな ....
直観はもはや理念によって生み出されたものとは言えない。
なぜなら、直観そのものが今は理念なのだから。
しかし、自己創出的なもののこの直観は、自由の直観であるとも言える。
人間は思考を観察すること ....
けれどもゲーテは、解放行為を直接見てとることはなかった。
それができるのは、自分で認識行為に耳を澄ます人だけなのである。
ゲーテは最高の認識方式を身につけていたが、この認識方式そのものを観察したの ....
ゲーテは、あるときこう語った―
「これら(私の著作)と私の存在そのものを理解した人は、それによって内的な自由を手に入れてくれるだろう」(官房長フォン・ミュラーとの対話)
ゲーテはこの言葉で、すべ ....
コーラも好きだが、普段は1000ccの容器にインスタントコーヒーを大匙、一杯、ブライトを大匙、一杯、砂糖を大匙、4杯、入れて、よく溶かした、インスタントコーヒーにスーパーから貰ってきた氷を入れて飲ん ....
ある種の神秘家は曖昧な感情世界に沈潜し、
ゲーテは明確な理念世界に沈潜する。
一面的な神秘家は明確な理念を軽蔑する。
明確なものは表面的だと思っている。
生きた理念界に沈潜する人が何をどう感 ....
ゲーテの世界観から受け取る根本的な気分は、
神秘家の場合に観察できる気分に似ている。
神秘主義は人間の魂の中に事物の根源でもある神性を見出そうとする。
神秘家もゲーテも、内的体験の中に世界の本質 ....
田中宏輔さんの散文(批評随筆小説等)おすすめリスト
(319)
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カテゴリ
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日付
NWSFピカレスク・ロマン(スピンオフ小咄)『もぐら國王』② ...
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髙任勇梓 ...
散文(批評 ...
2
25-2-13
NWSF怪畸幻想譚_斬魔屋カンテラ!!『人質、或ひは齒母神』 ...
-
髙任勇梓 ...
散文(批評 ...
2
25-2-12
NWSF怪畸幻想譚_斬魔屋カンテラ!!『所謂ゾンビ病について ...
-
髙任勇梓 ...
散文(批評 ...
1
25-2-11
NWSF怪畸幻想譚_斬魔屋カンテラ!!『所謂ゾンビ病について ...
-
髙任勇梓 ...
散文(批評 ...
1
25-2-11
NWSF怪畸幻想譚_斬魔屋カンテラ!!『逆襲の汚穢河童』中・ ...
-
髙任勇梓 ...
散文(批評 ...
2
25-2-10
NWSF怪畸幻想譚_斬魔屋カンテラ!!『逆襲の汚穢河童』前篇
-
髙任勇梓 ...
散文(批評 ...
1
25-2-10
〈死んだ思考〉と〈生きた思考〉について3.
-
ひだかた ...
散文(批評 ...
3
25-2-9
NWSF怪畸幻想譚_斬魔屋カンテラ!!番外篇『カンテラvs. ...
-
髙任勇梓 ...
散文(批評 ...
1
25-2-9
〈死んだ思考〉と〈生きた思考〉について2.
-
ひだかた ...
散文(批評 ...
2
25-2-9
ネット詩と理想主義
-
足立らど ...
散文(批評 ...
3*
25-2-9
〈死んだ思考〉と〈生きた思考〉について1.*
-
ひだかた ...
散文(批評 ...
3*
25-2-8
NWSF怪畸幻想譚_斬魔屋カンテラ!!『倖せの黄色いジムニー ...
-
髙任勇梓 ...
散文(批評 ...
2
25-2-8
NWSF怪畸幻想譚_斬魔屋カンテラ!!『倖せの黄色いジムニー ...
-
髙任勇梓 ...
散文(批評 ...
2
25-2-8
NWSF怪畸幻想ロマン_斬魔屋カンテラ!!『子を連れて』②
-
髙任勇梓 ...
散文(批評 ...
1
25-2-7
NWSF怪畸幻想ロマン_斬魔屋カンテラ!!『子を連れて』①
-
髙任勇梓 ...
散文(批評 ...
3
25-2-7
NWSF怪畸幻想ロマン_斬魔屋カンテラ!!『春一番が吹く迄』 ...
-
髙任勇梓 ...
散文(批評 ...
2
25-2-6
NWSF怪畸幻想ロマン_斬魔屋カンテラ!!『春一番が吹く迄』 ...
-
髙任勇梓 ...
散文(批評 ...
1
25-2-6
NWSF怪畸ロマン_斬魔屋カンテラ!!『言の葉魔女』③
-
髙任勇梓 ...
散文(批評 ...
2
25-2-4
NWSF怪畸ロマン_斬魔屋カンテラ!!『言の葉魔女』②
-
髙任勇梓 ...
散文(批評 ...
1
25-2-4
NWSF怪畸ロマン_斬魔屋カンテラ!!『水と空氣と花と』③
-
髙任勇梓 ...
散文(批評 ...
2
25-2-3
NWSF怪畸ロマン_斬魔屋カンテラ!!『水と空氣と花と』②
-
髙任勇梓 ...
散文(批評 ...
1
25-2-3
なごり雪のような雪が舞う真冬のとある日曜日
-
山人
散文(批評 ...
5*
25-2-1
人格と世界観10・直観的思考と詩心②
-
ひだかた ...
散文(批評 ...
3
25-1-19
アラガイsさんのアメリカントランプ2へのコメントへの返信とし ...
-
足立らど ...
散文(批評 ...
1
25-1-19
人格と世界観9・直観的思考と詩心①
-
ひだかた ...
散文(批評 ...
2
25-1-19
人格と世界観8・自由の理念と思考②
-
ひだかた ...
散文(批評 ...
2
25-1-18
人格と世界観7・自由の理念と思考①
-
ひだかた ...
散文(批評 ...
2*
25-1-18
「クレクレ星人の独り言_19」
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ジム・プ ...
散文(批評 ...
2*
25-1-16
人格と世界観6・ゲーテの世界観と神秘主義(下)
-
ひだかた ...
散文(批評 ...
2*
25-1-13
人格と世界観5・ゲーテの世界観と神秘主義(上)
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ひだかた ...
散文(批評 ...
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