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柿が自らの重みに耐えかねて
落下するのはいつだろう
近くで見れば黒ずんできているが
遠くからなら変わりなく
まるく楽しい色を放っている
俺は葉の落ちて実だけになった
この柿の木を美しく思う ....
この冷たさに敗戦を直感する
そうだ敗けたのだった
風景は「終わった後」のものとなる
昔にもこの土地はあった
ガードレールもアスファルトもない頃から
ずっと続いている進化しない夕焼けを
昔の ....
雨水の溜まったバケツに
虫がいた
夏の暑い日だったから
乾いていたのだろう
草で突っついたり
波を立たせて
私は遊んだ
次の日
虫は死んでいた
バケツの中で
私が遊ばず
外 ....
刈り取られた田に
残された稲がある
穂を失くした稲が
何行何列にもなって
整列している
同じ背丈をした
穂を失くした稲たち
穂を支えてきた
立派な茎たち
彼らもまた変化し ....
トイレに入ると
足が冷たくなった
窓が開いていて
風が流れ込んでいた
小便をした
あたたかそうだった
もっと寒かったら
手をつけたかもしれない
東の雲が
肌を赤くしていた
....