毎朝お弁当を作らなきゃいけないので
私は毎日卵焼きを焼く
冷凍食品の中にひとつだけ
手作りがある
ありがたい、と思ってくれるのか
ただ、また冷凍食品か、とだけかもしれない
昔から私は至らな ....
周りは見ているものなのだから
生活はきちんとしてねと
忠告ありがとう知ってる

良い思い出があたしをぎりぎり締め付けて
真人間の型を取ろうとして
逃げ出したくなった、けど

水に満たさ ....
壁に掛かった
インクジェットの白黒写真
オレンジの間接照明
ゆれる黒い
液体に乗って
通り過ぎていった知らない人たち
照り返す瞬間ごとに
こまかく失明した
方角のひとつひとつが
積も ....
夢の中だったのかもしれない
いつでもおかえり、と
声だけ聴こえた
或いは現実だったのかもしれない
耳の底の小部屋にそれは
棲みついた
文字にすれば水彩
いつでもおかえり

いつ帰って ....
死のうねって約束した十三歳の女の子と
その時は一緒に夢を見ていられて

私今じゃひとりでブランコたまに漕ぐ
悲しさが
二十四時間後にやってきて
にゃーんて叫んでた

あの子は立派に調理 ....
悲鳴の螺旋が落ちていく
蒼穹を自由に飛ぶ舟は
藻屑と等しくなり
白の破片を散らかばして無人の島を飾る

目が合った他人の女の子と手を取り合って急降下した
握りしめた手は暖かくあり腕は海に浸 ....
わたくしの言いなりの小人を呼んで
ゼンマイを巻かなきゃいけないから

そう、わたくしのハムスターは
必死になって火車を回している

頭の中のどこか隅にある組織をつぶして
何処にも出せない ....
全部嘘だと秋の風が言ったので
それでは終わりですねと冬の空が言いました
春の花は無関心そうに頷いて
かたわら、夏の虫が死にました

青空で、歪んだ月明かり
うさぎ達は人を解体して笑っていま ....
すくった砂にふうと息をかける
真砂の信仰の
どよめきは波にかき消され
ぱらぱらと散って
どこかで喜色の声が聞こえる

それがすくって散らして
波は洗ってなくして

透明な海が流してい ....
口の中で消された言葉を想像してみて
私が貪り食ったホットドッグの
無味乾燥さを自分のせいにして
ドロリと、横たわる布団の上

死にたいって、嘯く詩人の戯れ
私は、
私は結局それだけを拠り ....
春の嵐が子供のままの頭と幸せな迎合をし
酷くうろたえて辺りを巻いている

端から端まで街を歩き通している迷い子
同じ景色を見ているあなたに同情を求める
そういう舐め腐っているような態度が
 ....
しんしんとして降り積もる雪が
身に染み寒さは体に渡り
涼しさと凍えの境目も
分からないほど火照った体で
観客はいない二人だけのワルツを踊る

取り合った手と手
そのまま凍ってしまって
 ....
明滅する光
影を作りだしては消す
サーカスという点滅

ね、サーカス
象のカラフルな背に乗り
地平線から浮かび上がったその高さ
夕暮れが近い

飼い慣らされた虎が吠えて
震えて踊る ....
これを普遍の景色としよう
よくありがちな光景だと
そしてここに抱かれる心までも
普遍だと判断されそうになる

自分の息を数え駅のホームで
あなたの訪れをじっと待ちながら
通る電車の影が落 ....
へやじゅうに散らばるこまかいつぶを一つぶずつ拾いあつめ
へやの
左がわにもっていき
さいごの一つぶを左がわに置いたところで
いちばん左がわの一つぶから
右がわへ
もっていく
死ぬまで ....
木村きむさんのおすすめリスト(15)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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全部嘘だと秋の風が言ったので- 倉科 然自由詩317-10-27
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永遠のワルツ- 日々野い ...自由詩417-8-14
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