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飲み込んだ言葉が
胸にわだかまりの
どろりとした沼を作る
沼の中で
人に見捨てられ大きくなった亀が
悠々と泳いでいる
よく見ると
子どもを食ってふくれた金魚の尾が
ひらりひらり
....
冬のあいだは閉じていた即売所に
春の野菜が並ぶのをみにいった
空に白い梅の花が
燃え上がるように咲いている
ハンチング帽をかぶった老人が杖をつきながら
老犬とゆったりと歩いていた
....
いつのまにか名前を忘れていて
出席番号だけになった
常緑樹はかわらなくて
花のにおいはかけている
校舎と門
息をするのがむずかしいような
薄い空だけ
水に飽和して粘液のような砂糖 ....
わたしが家事をしながら
ことばをちょこちょこ書いてるあいだ
きみは
外でるんるんはたらいて
手作りべんとうがつがつ食べる
うちに帰ればむしゃむしゃゴハン
つーんと薄荷のお風呂に入り
....
きみが
ふるさとを
いとしく呼ぶ
あいづ と
づ、にアクセントをおいて
うかうか
夜行バスで
きてしまった
きみが歩いた町を
見たくなってさ
雪の白と温泉の湯気
....