すべてのおすすめ
背を向けた時計との会話
雨のむこうの夜は赤く
音の径を
少しだけ照らす


指の鋏で
切る仕草
切りたいものを
切れない仕草


溝が 淵が
永く暗い 一本の ....
羽は失く角は折れ
歌は枯葉の底にあり
声は遠く 風は旋り
ちからとかたちを連れ去ってゆく



終わりは近く 忘れられ
まばゆいひとりがつづいている
息がつまるほどの ....
瀧の夜
火を拾う指
音の無い径
水たまりの径


水の音は鈴
鈴の音は夜
夜の地図は水
光の指をひたす子らの声


火は火のまま底へと沈み
水面に言葉 ....
夜が割れ
なまあたたかい風が降り
明日の朝を見せ
ふたたび閉じる


標は暗く
音は見え 川は見えず
小さな鉄の声が灯り
水に映る夜を扇ぐ


三角の紙の群れの ....
大陸より大きな曇が
森のなかの
ただひとつ倒れた樹を見つめる
川に映る 自身を見つめる


横切る音が雨になり
小さなものを剥がす音が光になる
誰もいない国を過ぎる時
 ....
水に嫌われ
水で追われる
隠れることもできず
すぎてゆく日々


飛ばされそうになりながら
どこへ帰るともなく進みゆく
すれちがう花も
すれちがう蝶もわからない

 ....
夜は融けて立ち昇り
路と壁の亀裂を埋める
通りに捨てられたものに触れ
無機を有機に変えてゆく


階段 廊下
屋根にあふれ
器の水は
空の光にそそがれる

 ....
水から杖を拾い上げると
空気に触れて銃になった
水面に映る双頭の蛇
銃はやがて砂と消えた


路地のむこうが燃えている
火の他に照らすものは無く
誰も居らず
何の音も ....
静かに前髪が降りてくる
羽だけの鳥のように
やわらかな影のかたまり
ひらかれる ひらかれる ひらかれる指


見えない雪
目の痛み
息のはざま 光のはざま
土と風 ....
大陸が大陸を噛み砕き
顎から瀧が流れ落ちる
仰向けの空の背中に
海の光が照り返す


鳥は数字を紡いでは落とし
緑の輪 緑の輪
羊の喉と繋がる空
ゆうるりと廻る虹の柱 ....
旗についた氷が溶け
滴となって径に撒かれ
たくさんの音を描いている


砲声の半分は空を埋め
もう半分は地を満たす
笛は 曇の影をゆく


手櫛の雪
子の頬に ....
透明な砂地の樹が倒れ
枝が根に 
根が枝になり埋もれている
影が打ち寄せ 去ってゆく


空の名札が剥がれ
旋りながら落ちてきて
やっと捕らえることができても
暗 ....
ほどけて蜘蛛になる陽の前を
光の葉と穂がすぎてゆく
海に沈む
巨大な一文字


古い風はさらさらと崩れ
胸像の庭を埋めてゆく
誰かが居るようで居ない揺れ
家と家のはざ ....
爪だけを照らす
蒼い光
ひとつの指に
拡がる荒れ野


星の数だけ
痛みは冷える
砕けた冠
轟きは増す


二つの視線で
つまむ宇宙
それぞれの目の
 ....
時おり止まり
時おり流れる時間の上を
雪と羽はすぎてゆく
星に棘に傷つきながら


雪夜の森に星雲が降り
倒れた霧の塔にまたたき
朝の月 昼の月のふちどりが
消え ....
何か小さな祝いの言葉が
ずっと背中に降りつづいている
鉛の泡
砕ける冷たさ


夜が夜を着ては脱ぎ
雪を渡る光を見ている
そそぎ そそがれ
そよぐうつろ


 ....
緑の下を濃緑が
水のように流れゆく
化石の木々から
止まぬ震動


硝子に分かれる
もうひとつの径
岩穴の向こうの
凍てつく群れ


布 麻
消えかけた火 ....
海の底から立ち上がる城
瓦礫の泡 草の鎖
空と樹 樹の前の樹が重なり
骸のように立ち尽くす


霧と岩は夜に溶け
雷雲は野外の舞台を照らす
山の裾野を登る波音
水 ....
午後の羽の蝶が群がり
枝は一時 空に呑まれる
実は鉱に転がり 水に落ち
空へ還る空を見つめる


砂漠の火花に
鳥は降りる
そこに在ったかもしれない命の
無機と無 ....
光を打つものの影が
空に映り揺らめいている
二本の穂の墓
影が影に寄り添ううた


切り落とされても切り落とされても
見えない部位は羽ばたきつづけ
音の無い風が生ま ....
花のなかの
蜘蛛の影を吸い
水の螺子を巻く指が
静かに空をまさぐっている


まだらな闇
居るはずのない家族との約束
ところどころ見えない階段
現われては消える粉 ....
深夜の白く澱んだ曇から
硝子の光が降りつづいている
枯葉と鉱のはざまの音が
甲と指を擦っては落ちる


あちこちに
赤く乾いた小さな実が散らばり
時おり虫のように震 ....
死も生もなく笑む波を
取り囲んでは光の渦の
散らばる視線を集めて白の
ひとつの樹にだけ降る午後の水


二重の種子の太陽
淵に滲む光
数倍 数十倍にふくらみながら
 ....
水紋のそのままが伝わり
川底の色に雨が加わる
あやまちの子が
夕暮れに手を振る


曇わたる曇から蒼が降り
唱う譜面の切れ端も降る
幾つかに分けられた家並から
楽隊の ....
鉄の孑孑が
陽に吸い付く
山羊は飾られ 剥かれ
刎ねられる


空の管が鳴り
青は黙る
三方向に拡がる風景
外のちから 滴の影


淵の淵から
雨が掘り起 ....
空を渡る種の帯の下
あなたは何故暗い笑みを浮かべているのか
原のなかで
明るい風のなかで


無数の角と無数の羽が争い
多くが失われ多くが生まれた
双つの光が向かい ....
花が居て
狂いたい
と言った
なにもしてやれないので
川にうつる枝のなかに立ち
はらわたの森をひらき
ここにお入り
と 言った


蝶が来て
狂いたい
と言 ....
白島真さんの木立 悟さんおすすめリスト(27)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ふたつ_離れて- 木立 悟自由詩317-10-13
水と虹- 木立 悟自由詩517-9-18
波と紋- 木立 悟自由詩917-5-17
ひとつ_花歩- 木立 悟自由詩717-4-30
紙の鳥- 木立 悟自由詩517-4-10
夜に至る夜- 木立 悟自由詩817-4-6
こぼれ_ひらく- 木立 悟自由詩417-3-30
夜の辺- 木立 悟自由詩117-3-2
ひとつ_視線- 木立 悟自由詩517-2-8
ゆくえ_とどろき- 木立 悟自由詩417-1-28
ひとつ_帰途- 木立 悟自由詩317-1-24
ひとつ_海辺- 木立 悟自由詩1017-1-20
ひとつ_無言- 木立 悟自由詩317-1-11
そよぎ_しめす- 木立 悟自由詩417-1-6
鏡振街- 木立 悟自由詩517-1-3
冬とむらさき_Ⅱ- 木立 悟自由詩916-12-19
冬と射手- 木立 悟自由詩516-12-8
ひとつ_水音- 木立 悟自由詩616-12-3
夜へ_ふたたび- 木立 悟自由詩716-11-17
ふたつ_冬野- 木立 悟自由詩1716-11-14
午後と秘名- 木立 悟自由詩616-11-8
ひとつ_冷笛- 木立 悟自由詩316-11-3
ひとつ_夜音- 木立 悟自由詩516-10-28
夜と羽- 木立 悟自由詩616-10-23
黒よ_黒- 木立 悟自由詩516-9-28
ひとつ_羽音- 木立 悟自由詩8+16-3-18
ノート(緑透火)- 木立 悟自由詩1703-10-6

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する