大きく息を吸って
止める
止めたまま
しばらく
まだ
止めたまま
我慢ではなく
痩せ我慢ではなく
自分を試すのではなく
限界を知るためでもなく
まだまだ
もう少し
止めといて
....
西の空に希望を背負った夕日が消えてゆく。
黄昏た公園で私は老人を見た。
ベンチに腰掛け自分の両手を見つめている。
その時初めて私にも皺だらけの掌があることに気が付いた。
深 ....
水色の胴体
シルバーの網の中の 透明ブルーの羽
36年間 夏を共に過ごしている
この夏も涼しい風を送ってくれる
やさしい風
冷たい風
なぜか温かく感じる涼風
....
真剣に生きすぎていた
それが他人を傷つけたりもした
どうせ無名なまま死んでいくのに
そんなに頑張らなくてもいいではないか
意味などなくても
だらだらと意思もなく
....
「ばぁばはけっこんしたの?」
「したよじぃじと」
「じぃじのことすきになったの?」
「好きでも嫌いでもなかったのよ」
「どうしてけっこんしたの?」
「皆が決めたの
そういう時代だっ ....
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