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水の声を聴くがいい
水面のゆらめきに影をとられ
なお掴みがたきひとよ
あなたもまた歴史の谷を
流れる水の影なのだ
水は石理を濡らし
戦禍をまたぎ
あなたの口を潤した
だがこの水 ....
墓石のあわいを這いまわった風に
肉体という温度をおもいだす
血という言葉はなまじろい蛇のように
とぐろを巻いて しめつけようとしている
線香の煙を青空の雲とうかべれば
どこへと行く そこ ....
どこまで漕いで行こうか
こんなにも暗い夜だ
幽かに揺れている水平を
描いているのはいつの波紋か
この舵だけが覚えていることだ
銀の月が爛々と眩い
溶けているのだな、おまえ
うつくしく ....
おれが居たんは楽園とかいう果樹園やが
アホウな鳥が啄んだあげく
雲ん上で糞ひり出したもんだから
おれは泥ん中に落ちちまってよ
隣で生ってたあいつらあ
灼然な御神木だとか
世界一臭え花だとか ....
この花は永劫の畔にゆれている。
あまたのうつろいをながめ
蕾という名の一輪となって。

風よりもとうめいなあなたの声が、
水面をやわくなでている。
どことも知れずに吹いてきては。

 ....
太陽がとおく大洋の彼方を翔ぶ。
あらゆる波には
千々の銀箔が散りばめられていた。

不滅の翼などはない。
宙に驕った罰であろうか、
この黄金には蒸発さえ赦されない。

落日。

あ ....
月にいきてえんだよ

息ができねえとか
華がないとか
雲がうかんでねえとか
音がないんだとか

そうかいそうかい、
どうでもいいんだって!

おれも男だからさあ、穴が
あった ....
美しいもの。

鉄塔のあいまからこぼれ落ちた夕暮れ、
逆光のなかに貌のない雑踏、
砂時計をころがす赤児、

美しいもの。それは指揮者のない調和、
影のない演奏の旋律。
白梅/

三月の梢に白梅が一輪

打つ、打つ、秒針が打つ
朧夜の風は一握の砂
一握の砂は白梅の香
散る、散る、白梅が散る

白梅の梢に静寂が一輪



竪琴/

月の寝台 ....
田中修子さんの新染因循さんおすすめリスト(9)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
水の声(改)- 新染因循自由詩6*21-8-8
ぼ石- 新染因循自由詩220-9-21
- 新染因循自由詩17*19-6-22
蓮になりてえ- 新染因循自由詩8*19-5-22
永劫の蕾- 新染因循自由詩13*19-2-14
傲慢の火- 新染因循自由詩6*18-12-10
いきてえんだよ- 新染因循自由詩1218-12-5
美しいもの- 新染因循自由詩818-11-8
白梅/竪琴- 新染因循自由詩4*18-10-8

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