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昔、愛した女の庭には
大きな花桃の木があった。

その木は
春になると
その女の唇のような
濃い
桃色の花を枝いっぱいにつける。

その花びらひとつひとつは
どうしてもその女の爪の ....
あなたはなぜ葉をむらさきに染めてまで

凍てた地面に命をはびこらせてまで

この寒い冬に咲くのだ

痛いだろう

葉も茎も花も


でもあなたが今咲いていることで

私は生き ....
杉の木の地肌には

落雷の焼け跡があって

炎の枝を広げたその後に

彼は大きな枝をまた伸ばした

彼の肌には苔のいい匂いがあって

失ったてっぺんを補うくらいの広い枝を

私 ....
stさんの黒田康之さんおすすめリスト(3)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
花桃の木- 黒田康之自由詩421-3-14
ふゆのはな- 黒田康之自由詩121-2-19
杉の肌- 黒田康之自由詩221-2-17

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