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二人ベットで退屈なニュースを見てる。
「腕枕した手が痺れるのは、
ハネムーン症候群っていうんだぜ。」
君はそっけない返事、頭をどける気配もない。
ニュースは温暖化現象の話題。
コメン ....
自分でも信じられないけど、
もう家には帰りたくないんだよ。
君には信じられないかも知れないけど。
この狭くて汚い部屋が、
君が帰ってくる場所だと信じてるんだ。
惨めたらしくね。
今 ....
君が食べたいと言ったから、
近所のスーパーでスモークサーモンを買った。
298円──破格の値段だ。
「皮がついてる……刺身の切れ端?」
ほとんど文句に聞こえるコメントを呟きながら、
オリ ....
一番恐ろしいのは、己の弱さ。
そいつが囁く、言い訳という名の誘惑。
夜半過ぎ、映らないテレビに自らを写して、
滲む爪先を凝視した。
奇妙な雨音だけに耳を傾け、
ただ、逃避した。
そ ....
幸せは此処には無い。
何時も過去と未来に点在するだけ。
傍らにあるのは空き缶、吸殻、コンドーム。
それと誰かの笑い声。
彼女は激怒した
「私は貴方を理解できない。
貴方がそれを拒否するからだ。」
きょう未明、彼女はそう言って部屋を出た。
大凡36度の熱源を失った部屋で、
僕は寒さに震えて結末を考える。
....
啄まれた左手首は
どこに還元されたのだろうか
硬い表皮に囲まれた何かを踏みつけた少年は
内股で
どこに向かっているんだろう
引越しのトラックが運ぶシリコンの人形は
父親の形見によく ....
積まれた缶ビールを弔って
食器の過去を洗い流し
灰になった溜息に埋もれて眠った
寝不足を冷たい水で隠してみても
鏡には疲れた昨日の俺が写る
「電車とお客様が接触し…電車が遅延して…
....
人間になり損なったピノッキオは
流されて海へ出た
潮の流れにぐるぐると頭の向きを変えられ
漂う彼を波が見つけて粉々に打ち砕いた
コ
ナゴ
ナニ ウ ....