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「ところで、エインスベル様。このごろ、気になった話があるのです」
リグナロスは、エインスベルに振り向いて言った。
「実は、祭祀クーラスが良からぬことを企画していると……」
エインスンベルは、きつ ....
「よくご覧なさいませ。ここは、過去の時代の神殿でございます。
 神殿には、そこに捧げられた武具というものがあるもの。
 お探しであれば、あなた様の武具も見つかりましょう……」
「必要以上の敬語は ....
「次元跳躍を使いましょう、エインスベル様」ヨランが言う。しかし、
「待て、ヨラン。次元跳躍は、今は使えない。リグナロスがいるのだ。
 次元跳躍は、その手に触れている者にしか、効果は発揮されないのだ ....
エインスベルの前に、いくつもの屍が積み重なった。
それは、彼女が望むところではなかったが……仕方がないのである。
彼女は、クールラントの未来を背負った身、祭祀クーラスとは、
異なる道を歩むべき存 ....
虹の魔法石は、魔力を吸収する。その内部でどんな働きが起こっているのか、
ヨランも、エインスベルも、ましてやアイソニアの騎士やリグナロスなど、
思い至るところではなかった。この魔法石は、
この世の ....
エインスベルの言う通りだった。
虹の魔法石による結界と、その台座は揺らいでいるものの、
建物自体にはその破壊効果は及んでいないようだった。
(虹の魔法石とは、かくも強力なものなのか?)

ヨ ....
エインスベルの右手が光り、雷撃の呪文が放たれた。
結界が火花を上げる。しかし、その結界は揺らがないようであった。
「なるほど、強力な結界のようだ。
 すべての魔法が無効化されるというのも、頷ける ....
「ヨラン。今が何時の日か、知っているか?」
「リールの月、十一日でございます」
「わたしの裁判と処刑まで、間もないな」
「おい、盗賊。何のことを言っているのだ! 早くここを脱出するのだ」

 ....
「そうでございましょう。エインスベル様、
 しかし、お急ぎくださいませ。衛兵たちがやがて異変に気付くでしょう……」
「分かっている。しかし、この空間。
 どこに何が祀られているのか?」エインスベ ....
「修道院だと? クーラス派のものか?」と、アイソニアの騎士。
「いいえ、もっと古い時代のものです。おそらくは、
 魔導帝国アルスガルデが繁栄していたころに、作られたのでしょう」
「それは、大層な ....
「そうなのです。わたしも、エランドル様にそのことを言いました。
 ですが、彼はさらに高いものを目指しているようです。
 世界の再編です……」そう言うヨランの言葉は、震えていた。
彼が素人ながらに ....
「分かった。その魔法石は、わたしが預かろう。
 しかし、ヨラン。お前はリグナロスとも通じていたのか?」
「盗賊の情報網を軽く見てはいけません、エインスベル様。
 あなたの傭兵団の長、エイミノア様 ....
そして、エインスベルの牢獄の鍵が開けられた。
エインスベルは、左手首をさすりながら、牢を出る。
エインスベルは、牢獄で自らの身を傷つけていたのである。
それは、自らが生きているということを確かめ ....
「ヨランよ、アイソニアの騎士よ、どうしてここへ?」
「ここまでの衛兵は、全て騎士さまが倒しました。しかし帰りは……」
「何だと? 良くやったな、ヨラン。そしてアイソニアの騎士……。
 ここにいる ....
エインスベルは壁を見つめながら、沈黙していた。
先ほどから、リグナロスがエインスベルのもとを訪ねてきていた。
「エインスベル様。助けはたしかに参ります。それまで、
 どうかご辛抱なさいますように ....
「ところでヨラン。今は何月の何日だ?」と、アイソニアの騎士。
「俺たちは、ハーレスケイドで長い時間を過ごした。
 エインスベルはもう処刑されているのではないか?」
「心配はございません。今は、リ ....
「分かった、ヨランよ。お前はエインスベルを救えるのであろう?
 わたしは、そう出来なかった。今は……いや、言うまい。
 今回の遠征のこと、俺は誇りに思うぞ、盗賊ヨラン。
 お前は、龍族と交渉し、 ....
「なら、お前のことは信用できるな。ヨランよ、
 この地下室からの脱出通路を、俺に教えよ!
 今すぐにでも、エインスベルの救出に向かう」
「はっ。御身が思いますままの良きに」と、ヨラン。

ヨ ....
「今は龍族のことなど、放っておいて下さいませ。
 エイミノア様のことに関しては、残念でございました。
 ですが、今はエインスベル様を救う時です……」
「そうだった。エインスベル……」と、アイソニ ....
気がつくと、そこはオスファハン邸の地下室だった。
ヨランとアイソニアの騎士とは、頭を振る。
(一体、何がどうなったのか……)
「アイソニアの騎士様、わたしどもは現世へと帰ってきたようでございます ....
「死んではなりません、エランドル様!」オーマルが叫ぶ。
「あなたは、我らドラグネイアスの救いでもあらせられます!」
「ふふ。我は託す、そこなる道化師へと。……虹の魔法石を、
 よく使え!」そう、 ....
「汝はドラグネイアス。我に仕えるものである。
 そして、汝自身が生きた意味も、やがて分かるだろう」
エランドルの言葉に、オーマルは首を垂れたみせた。
「殊勝だな、オーマルよ」──と、アイソニアの ....
「エランドル様。本当に大丈夫なのですか?
 このオーマルは、貴方様の身を案じております……」
「心配するでない。あそこを見よ、あそこには、
 虹の魔法石が陣座しておる。我の代償としてだ」

 ....
そして、中空に光が放たれた。三人を、七色の光彩が包み込む。
「エランドル様!」オーマルが、別室から叫びながら現れた。
「心配ない。オーマルよ、我がこの者たちに、
 虹の魔法石を渡したことは、忘れ ....
「今さら救世主の顔など、お前には似合わないぞ?
 お前は、ドラゴンどもにエイミノアを殺させた。一人の殺人者だ。
 そして、多くの人間の命を奪ってきたのだ。そうであろう?」
「そうだ。わたしは救世 ....
「ドラゴンが自然な姿? どういうことだ?」アイソニアの騎士が尋ねる。
「お前は考えてみたことがないか? 人はなぜ争い、殺し合いをするのかと。
 人は愛する者のために生き、時には家族のために犠牲を強 ....
「一体何が起こったのだ?」アイソニアの騎士とヨランは、驚き、叫んだ。
「案ずるのではない。奴らが暴れ始めたのだ」
「奴らとは? ドラゴンたちのことですか?」
「そうだ。今奴らは、怒りの最中にある ....
「ずいぶんと高飛車に出たではないか。『エインスベルを救え』とは?
 人にものを頼むのであれば、まずは膝を屈するべきであろう。
 ましてや命令など……。俺は、アースランテの千人隊長だ!」
「頼んで ....
「科学? その言葉も何度か聞いた。科学とは、一体何だ?」
「科学とは、そうだな。文明が行きついた、一つの到達点だった。
 そして、人間を滅ぼす元ともなったものだ。分かるか?」
「分かりはしない。 ....
「お前は、人間の未来のために、一人の男を殺したというのか?
 俺は、決してお前を許さない」と、アイソニアの騎士。
「しかし、対話なくして、お前たちが虹の魔法石を手に入れることはないぞ?
 良いの ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
脱出(六)- 大町綾音自由詩1*22-11-7
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虹の魔法石(八)- 大町綾音自由詩1*22-11-2
虹の魔法石(七)- 大町綾音自由詩1*22-11-2
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虹の魔法石(五)- 大町綾音自由詩1*22-11-1
虹の魔法石(四)- 大町綾音自由詩1*22-11-1
_虹の魔法石(三)- 大町綾音自由詩1*22-11-1
虹の魔法石(二)- 大町綾音自由詩1*22-10-31
虹の魔法石(一)- 大町綾音自由詩1*22-10-31
アースレジェへの帰還(九)- 大町綾音自由詩1*22-10-31
アースレジェへの帰還(八)- 大町綾音自由詩1*22-10-30
アースレジェへの帰還(七)- 大町綾音自由詩1*22-10-30
アースレジェへの帰還(六)- 大町綾音自由詩1*22-10-30
アースレジェへの帰還(五)- 大町綾音自由詩1*22-10-29
アースレジェへの帰還(四)- 大町綾音自由詩2*22-10-29
アースレジェへの帰還(三)- 大町綾音自由詩1*22-10-29
アースレジェへの帰還(二)- 大町綾音自由詩1*22-10-27
アースレジェへの帰還(一)- 大町綾音自由詩1*22-10-27
アイソニアの騎士とエランドル(十五)- 大町綾音自由詩1*22-10-27
アイソニアの騎士とエランドル(十四)- 大町綾音自由詩2*22-10-26
アイソニアの騎士とエランドル(十三)- 大町綾音自由詩2*22-10-26
アイソニアの騎士とエランドル(十二)- 大町綾音自由詩1*22-10-26
アイソニアの騎士とエランドル(十一)- 大町綾音自由詩1*22-10-25
アイソニアの騎士とエランドル(十)- 大町綾音自由詩1*22-10-25

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