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凍り付く 空にかざした薄ガラス

ぽつ、ぽつり 浮かんで
じわり、じわ 滲む
淡色の灯


昨夏着られなかったままの
新品の浴衣の布地

それとも十年ぶりに焼いた
パウンドケーキ ....
血の匂い

それは、遥かに、

生きているということ
人びとが 今くちにする
空の色の数
道にいる動物の匂い
草を踏む音
折れた傘の骨の光

知っていてもう覚えていられない

あの日確かに見たような
まるで懐かしい思い出のような

 ....
空を横切る黒い線

手を繋いで風に揺られる

交差点では

信号無視の歩行者が

一人、渡ればまた一人

ヘッドライトの流れに飲み込まれていく

濃紺に反転する手前の空の鱗 ....
秒針は
ガチガチ言いながら
私を刻む
午後九時半

やりかけの洗濯物は
どんどん乾く
外は真っ暗

今朝
置いてけぼりにしたのは
夢か?感情か?

あと六時間
私の明日 ....
ヘッドホンで蓋をして

全世界にお別れをする

頭の中で騒ぐ感情を
小さな機械から溢れる盛大な音に浸して
終わりのない映像が生まれる

目を閉じるほど音が、風が、匂いが
まず頭を包み ....
ひだかたけしさんの三月雨さんおすすめリスト(6)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
つま先の先- 三月雨自由詩4*23-1-19
消える一秒- 三月雨自由詩221-6-13
時代のゆくえ- 三月雨自由詩121-6-13
電線とゆめ- 三月雨自由詩2*20-6-3
忘却と秒針- 三月雨自由詩4*19-9-30
音に溺れる- 三月雨自由詩3*19-2-18

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