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後ろで手を組んで
足をそろえて
ちょこんと立つ女の子のように
春が遠くで見ている
少し
体を傾けて
小さく笑いながら
高齢者の運転は危険だよって
母から車のキーを取り上げた
買い物に行けなくなっても
母は文句ひとつ言わない
ただ
バッテリーが弱るから
エンジンだけはかけてやってと
小さな声で頼まれた
....
なんという空の色
この色は
カメラには映らない
昭和の町の
ミニチュアのような
ただただ懐かしく
暖かく淡い
雨の色よ
丘を越える夢を見たい
風吹く空に金色の
夕陽に溶ける夢を
穴の中にいる自分
暗がりでなおうつむいて
夢さえ見なくなって
どれだけ経っただろう
開けても閉じても目に
色彩 ....
深さを知っていれば
誰の心も
覗く必要はない
酒を飲んで
楽しくなって笑い合い
滑らかな表面の
心地いいあたりで互いに漂う
浅い関係の
なんという絶妙な距離
純粋 ....