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風一吹き静まる街に冬陽射す
ぽかんとして我一人居る冬陽の底
帰ろうよ声の木霊する冬の暮れ
声と声が交わるあいだ
柔かな光が横切って
わたしは不意にいなくなる
うねる大気が木霊して
鈍色空は僕の心
鈍色空は僕の気分
鈍色空は行き止まり
そうしてぼんやり全てに呆けて
僕の心に花野が開ける
狭い暗渠を通り抜け
あの無上の花野に至る
遠くの森はいつの日か
愛娘と歩いた森
今頃木々が色づいて
キラキラ綺麗に輝き出し
二人で辿ったあの道を
艶やかに照らしているだろう
娘よ、お前は元気かい?
今頃二十歳のその道を
....
訪れる
時はじんわり
湧き出づる
その時わたしはオレンジの
奥処の懐かしい陽に照らされ
生きている、生きている
くっきり浮き立つ輪郭と
物という物が発散する
確かな響きに包まれて
活 ....
曇天の下、
足早に通り過ぎていた街並みが
ぱたんぱたんと倒れ出す
書き割りの如く呆気なく
次から次に倒れ出す
後に残っていたものは
果てなく続く大地のみ
俺は ....
今宵、
白い部屋に
在るもの在るもの
自らの輪郭を鮮明にして
回流する澄み切った夜の空気に
すっかり馴染んで留まっている
横たわっている私もまた寛ぎ
在るものたちと繋がり合う
揺るぎな ....
懐かしい未知は
遠く空へと続く道
気流の音が鳴り響く
大気圏を通過して
桜色した巻き貝の
トンネル抜けて
帰還します
ぼうっと過ごしている
この午後の一時を
自動車の走行音
黄金に照り輝く瓦
微かに揺れる送電線
何処までも澄み渡る蒼穹
この私が今此処に存ること
この午後の一時を
ぼうっと過ごし ....
巨大スクリーン天空の
奥へ奥へ流れていく
鰯雲を背景に
右へ左へと
歩き去る
人人人
確かに属していた
あの世とこの世の境界の
フルサトを捨てて何処までも
雲の切れ間から
青が光って覗いている
俺はくたびれ脱力して
道端に腰掛けている
わけの分からない宣伝カーが
ゆっくりと通り過ぎて行く
ひんやりと動かない空気
傾きかけた太陽
何も変わら ....
秋晴れや雲なき空の青深し
汝が静か深まる青に吐息つく
秋深まり君なき夜の銀河濃し
遠くで鐘が鳴っている
ひんやり切ない秋の日に
何処までも高い青空に
追いかけても追いかけても
決して追いつけないあの場所で
(金木犀の花が軌道を舞い
秋の大気が生まれるところ)
遠く ....
うっとりと金木犀の秋日かな
込み上げる郷愁の念空高し
群れをなす曼珠沙華と青空と
ひたすら憧れて
螺旋階段を昇っていく降りていく
根無し草の宙吊りで
呼ばれるように拒まれるように
(何一つ叶えられることはないのだと)
遠い遠い鐘の音を追いかけながら
ただひたすら憧れて
うねる雲を見ていたら
わたしは私でなくなっていた
わたしは流出して溶けてしまい
涼風とともに雲をかき混ぜていた
何者かに肩叩かれて目が覚める
誰も居ない夜闇に腐臭が漂って
布団のなか嫌な汗かき死を拭う
未だ薄暗い病棟の廊下を
行き来する人達、
それぞれの様々な幻を
歪な足取りで運んでいく
とんとんとん、と
縺れて引き摺り屈曲して
閉鎖病棟の午前四時
反復される夢現、無限
一瞬に切り取られた光景は
世界の戦慄き 時空の揺らぎ
一瞬に切り取られた光景は
詩の基層 根源の木霊
一瞬に切り取られた光景は
君の吐息 透明な
みんみん蝉の鳴き声が
ギラつき始める昼下がり
私は君に沈み込み
君は私を受け入れて
二人は一つに溶けていく
天蓋が開くのを待ちながら
苦痛と陶酔入り交じり
骨の髄まで溶けていく
台風が過ぎ
半開きにされた窓の外から
みんみん蝉の鳴き声
沸き起こっては
濁音となり溶けていく
熱射の夏、時の沈黙
銀河系の旋回する音が聴こえる
ベッドの上で 日がな一日過ごしては
....
こたきひろしさんのひだかたけしさんおすすめリスト
(321)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
冬陽
-
ひだかた ...
俳句
4
18-11-27
街角にて
-
ひだかた ...
自由詩
9*
18-11-27
呆けて
-
ひだかた ...
自由詩
9*
18-11-22
遠くの森
-
ひだかた ...
自由詩
12*
18-11-18
時間・続(改訂)
-
ひだかた ...
自由詩
3*
18-11-13
大地
-
ひだかた ...
自由詩
12
18-11-12
時の開け
-
ひだかた ...
自由詩
12*
18-11-9
巻き貝
-
ひだかた ...
自由詩
16*
18-11-2
二階の窓(改訂)
-
ひだかた ...
自由詩
11*
18-10-28
ガラス越し
-
ひだかた ...
自由詩
6*
18-10-20
道草
-
ひだかた ...
自由詩
13*
18-10-18
秋空
-
ひだかた ...
俳句
12*
18-10-13
憧れ・続
-
ひだかた ...
自由詩
12*
18-10-3
秋日
-
ひだかた ...
俳句
10
18-9-28
憧れ
-
ひだかた ...
自由詩
9
18-9-25
わたし
-
ひだかた ...
自由詩
12
18-9-17
病魔
-
ひだかた ...
俳句
5
18-8-22
病棟の朝
-
ひだかた ...
自由詩
4
18-8-18
吐息
-
ひだかた ...
自由詩
2
18-8-15
法悦
-
ひだかた ...
自由詩
5
18-8-13
入院生活
-
ひだかた ...
自由詩
8
18-7-31
1
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8
9
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