二〇二一年七月一日 「バリントン・J・ベイリーの短篇集『ゴッド・ガン』」


@rr0101kt そうですよね。先日、届いた『折りたたみ北京』が完璧なものだったため、よけいに、返品がふさわしいと ....
柔らかな機械
拘束されない想像力

サイバネティクスの夢は
四肢をもがれたバッタのように
プレイリストのなかに埋め込まれるのだろう

残酷な朝は天体を廻し
透明な朝をスルーしてゆ ....
商店で見た山崎パンの
バターケーキが豪華に見えた
電話ボックスに置かれた缶コーラに
毒が入っていたニュースが怖かった
ユリゲラーがスプーンを曲げたかと思うと
あのカルト教団の教組が宙に浮いて ....
盆の晩夏に浮かんだ重い雲の隙間から
かすかな青い空が
ひかえめにのぞいていた
いたるところに停車された鉄の馬たち
それぞれが夏の欠片をカートに入れて
手綱を引いていた
盆は静かに終わりをむ ....
慣れた雑音から
都合のいい言葉を拾いだし
持ち帰って洗う

良い音を聞かせ
温い茶をのませ
夜には撫でてやった

ぼんやりと月夜には
影を分けあって吸った

しばらく暮し ....
あの空の下からあの空の向こうまで、なだらかにせりあがりなだらかにくぼみながらどこまでも続くみどりの丘、その丘を白くつぶつぶと覆いつくすほどのあの羊たちがいっぺんに、シーツをめくりあげるように消えて .... 二〇二一年六月一日 「エイン博士の最後の飛行」


 ニーヴンは大好きなSF作家で、翻訳されたものは、すべて読んだけれど、いま、部屋の本棚に残っているのは、カヴァーが好みのものだけで、『ガラ ....
  あらい浪が
  きみの肌のどこかで
  弔われている 私たちは
  擁きあえる 芒の原にこぼれる
  月影に這わせた 指のふしの奥で
二人の会話も水没して遺跡へ還る
時の流れは表層にすぎず
ましてや真っ暗闇
マッチ一本擦って消えるまでの
意識といのちの混同なんて

またすぐ誰かに発見されて
再定義される
そうやって繰 ....
羊が鳴いている
嵐の吹き荒れる草原に
たった一匹だけで
メェメェ、と

あの羊は
はぐれた仲間の群れを
呼んでいるのか
ずっとメェメェと
鳴き続けているだけ

あの羊を
わたし ....
山が私を待っているわけではない。山の作業が私を待っているのである。
朝からミンミンゼミは鳴いている。
心の洞窟に蝙蝠がぶら下がり、鬼蜘蛛がのそりと動く。
湿気のある岸壁に苔がむし、カマドウマのよ ....
鏡まで5センチの距離
一時間、見つめ合う
答えはない
近づいても
あいだにゼロが続くだけで
一人にならない

私は炭素と水素
愛と幸せの外にある
扇風機と蝉の声も
組成が少し違 ....
二〇二一年五月一日 「不老不死プロジェクト」


 ようやく、ロバート・シルヴァーバーグの『不老不死プロジェクト』を読み終えた。さいごのどんでん返しは、予想もしていなかっただけに、新鮮な印象を持 ....
夏の空へと影送り
ぼくを見ていてね。
窮屈な世の中でもがきあがき生きる
孤独をさびしさと名付けたら
涙を流せる呪文になる
命を数える通学路
アリもミミズもカエルもタヌキも
ぼくと変わらず ....
おもいのほか
ながい旅になったね

きみが言うとき
夏はもっと熱くなる

もっと遠くへ行かれたね

言い合いながら
右往左往した
春や秋や冬を思い出すと
夏はますます長く ....
深夜
誰かが窓を叩く

マンション11階
泥棒にしては行儀がいい

盆はまだなのに
誰か帰ってきたのか

そっとブラインドの隙間を覗くと
命を懸けて
光にたどり着いた甲虫だった
 ....
掴めそうに濃い影
昨日の残骸の
花火を拾う
お前たちだけが残って
火をつけた奴らは
消えてしまったのね

川に足をつける
彼女が対岸を指さす
先週あそこで中学生の女の子が溺れて死 ....
二〇二一年四月一日 「時のいたみ」


 ロマンティック時間SF傑作選『時の娘』の5作目は、バート・k・ファイラーの「時のいたみ」10年の歳月をかけて時間旅行したのだが、それがあまり役に立たなか ....
舞い散る雪が
街灯の明るみに
純白に晒され
夜行バス
俺の膝の上で眠る
愛娘
この幸福は
長くは続かないと
予感した

冷え切って
独りで臨む
世界は
その裸形を
剥き出し ....
一.


よくないものを
無知で繕うと
いいもののようにみえた



汗にふちどられて
境界線が消える




二.


問いへ向かう旅

解1・(虹はなぜ虫 ....
 傘を差しても濡れてしまうほど豪雨だったが、今は止んでいる。風は緩やかに吹いて、となりの籾乾燥施設傍の、クルミの小径木に巻き付いた葛の葉が揺れている。ヒヨドリたちが鳴き始めたから雨は当分降らないのかも ....  蝉が破裂しそうに鳴いている。ぐるりと囲むメタセコイアの枝のすべてから鳴き声が降り注ぐ、時々ふっとそれが止むと、夏の日ざしも相まって、ちょっと世界が終わったみたいになる。
 その大きなニュースが ....
二〇二一年二月一日 「ルミナス」


『90年代SF傑作選』下巻の8作目は、グレッグ・イーガンの「ルミナス」数学の話で、なんのことについて書かれてあるのかはわからなかったが、小説を読む楽しみはあ ....
{引用=水に溶ける道化師}
 あの尻に開いた窓との間に
雨の幕
 ブロック塀を上手から下手へ
  一羽のスズメ 
   踊る小娘
米を撒く
   無礼千万
豆も撒く
   満員御礼
 ....
波打ち際の賑わいに飽きて
少し沖へと泳ぐ
足が地球に着かなくなれば
急に独りが押し寄せる

海は突然生き物になる
いくつかのうねりを助走にして
高くそびえ立った
生まれたばかりのその腹 ....
銀色のプラットフォームは静かだ
何かが終わってしまったような
白い虚ろな光があたりを満たしている

駅名表示もない 時刻表もない
すべての列車はもう過ぎ去ってしまったのかもしれない
他の乗 ....
二〇二一年一月一日 「わが愛しき娘たちよ」


『80年代SF傑作選』上巻の4作目は、コニー・ウィリスの「わが愛しき娘たちよ」女子寮にいる女の子が主人公。そのモノローグで語られる話がちっともおも ....
二〇二〇年十三月一日 「学園紛争」


 ぼくは同志社大学の1980年度生だ。1980年度に入学したって話だけど、ぼくの大学一回生の後期の授業は、学園封鎖で潰れた。後期テストはレポート試験だった ....
その人の思い通りに
ならないからって、
私が気に病むことはない。
遠雷
今日も私を生きる



いろいろと会話したら、
他の存在のために七割位
自分のために三割位の
力などを注ご ....
熱のなかで
ほどけていくときに
みんな ひとつの 記憶でした

ひすい色の鳥
一切れの歌声
水の運動

ほんのわずかの 知っていること をとおして
世界をみようとするとき
 ....
七さんのおすすめリスト(1477)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
詩の日めくり_二〇二一年七月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩14*22-8-22
ピーターラビットのうた- マークア ...自由詩922-8-20
居酒屋あらわる- うめバア自由詩1222-8-20
町のスーパー- 山人自由詩3*22-8-15
雑音- はるな自由詩322-8-15
数えられるもの- 片野晃司自由詩1522-8-15
詩の日めくり_二〇二一年六月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩12*22-8-15
肌_芒の原- 草野春心自由詩422-8-14
球体の幽霊- ただのみ ...自由詩3*22-8-14
- 逢坂 冬 ...自由詩9*22-8-12
山の細道- 山人自由詩6*22-8-10
in_the_middle_of_a_mirror- mizunomadoka自由詩322-8-8
詩の日めくり_二〇二一年五月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩12*22-8-8
空へ影送り_命へ祈り- かんな自由詩622-8-6
- はるな自由詩522-8-3
幽霊の旅路- ガト自由詩4*22-8-3
帰省- mizunomadoka自由詩222-8-1
詩の日めくり_二〇二一年四月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩14*22-8-1
夜行バスと世界- ひだかた ...自由詩322-7-29
断片集「ト書き」- 簑田伶子自由詩6*22-7-25
強い雨の後の曇天- 山人散文(批評 ...5*22-7-23
メモ- はるな散文(批評 ...322-7-20
詩の日めくり_二〇二一年二月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩15*22-7-18
遊泳禁止- ただのみ ...自由詩3*22-7-17
夏の泡- そらの珊 ...自由詩8*22-7-13
銀色のプラットフォーム- 塔野夏子自由詩5*22-7-11
詩の日めくり_二〇二一年一月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩13*22-7-11
詩の日めくり_二〇二〇年十三月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩15*22-7-4
※五行歌_三首「宙の月」- こしごえ自由詩3*22-7-3
- はるな自由詩222-6-29

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