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夏陽がじっくりと焦がす
白い坂道の曲がり角
大樹の木陰、繁り合う枝葉
セミの声
見上げる少年と虫捕り網
身体を揺らしながら
爪先立って手を伸ばす少年
ぼくは坂を下り ....
つい、さきほどまで
天国と地獄が
綱引きしてましたのよ。
でも
結局のところ
天国側の負けでしたわ。
だって
あの力自慢のサムソンさまが
アダムさまや、アベルさま、 ....
I
どの、骨で
鳥をつくらうか。
どの、骨で
鳥をつくらうか。
{ルビ手棒=てんぼう}の、骨で
鳥をつくらう。
その、指は
翼となる。
その、甲 ....
I あがないの子羊
I・I 刺すいばら、苦しめる棘
その男は磔になっていた。
目は閉じていたが、息はまだあった。
皹割れた唇が微かに動いていた。
陽に灼けた身体をさらに焼 ....
コーヒーを飲み終えられたベルゼバブさまは、机の上に置かれたアルコールランプを手元に引き寄せられると、指を鳴らして、火花を発して火を灯されました。すると、ベルゼバブさまの前に坐らされておりました老人が ....
ボードレールの作品世界に通底している美意識は、詩集『悪の華』(堀口大學訳)に収められた詩の題名によって捉えることができる。たとえば、「不運」、「前生」、「異なにほひ」、「腐肉」、「死後の悔恨」 ....
もう もどっては こないよって
あいつは いった
ぼくのことなんか ほっといてよって
あいつは いった
ツチノコ ツチンコ シタリガオ
また どこかで会えるって? ハ ....
真夜中、夜の川
川面に突き出た瀬岩を
{ルビ躱=かわ}しかわしながら
ぼくの死体が流れていく
足裏をくすぐる魚たち
手に、肩に、脇に、背に、尻に
触れては離れ、触れては離 ....
ディオゲネス・ラエルティオスの『ギリシア哲学者列伝』を読んでたら
アリストンという名前の哲学者が、ハゲ頭を太陽に焼かれて死んだって書かれていた。
べつに、ハゲでなくっても、日射病ぐらいにはかか ....
横断歩道の上の白線は
決して真っ白であったためしがありません。
必ず、幾多の轍が、靴の踏み跡が刻印されています。
もしも、真っ白な白線がひかれていたなら
ぼくは、その上を這って渡りましょ ....
幾つものブイが並び浮かんだ沖合、幾つものカラフルなパラソルが立ち並んだ岸辺。その中間に、畳二枚ほどの広さの休憩台がある。金属パイプの支柱に、木でできた幾枚もの細長い板を張って造られた空間。その空間の ....
いくら きみをひきよせようとしても
きみは {ルビ水面=みなも}に浮かぶ果実のように
ぼくのほうには ちっとも戻ってこなかった
むしろ かたをすかして 遠く
さらに遠くへと きみは ....
アハッ
雨のなか、走ってきたよ
出された水をぐっと飲み込んで
プロポーズした
でもきみは
窓の外は目まぐるしく動いているから
せめてわたしたちはこのま ....
いますこし
あなたのかたわらで
あなたのつくる木陰に
わたしをやすめさせてください
かつて
あなたから遠く
遠くはなれていったわたしを
あなたの幹にもたげさせてくだ ....
順番がきて
名前を呼ばれて立ちあがったけれど
なんて言えばいいのか、なにを言えばいいのか
わからなくって、ぼくはだまったまま
(だまったまま)うつむいて立っていた。
しばら ....
底浅の透き通った水の流れが
昨日の雨で嵩を増して随分と濁っていた
川端に立ってバスを待ちながら
ぼくは水面に映った岸辺の草を見ていた
それはゆらゆらと揺れながら
黄土色の画布に黒く染みていた ....
●マドル●マドラー●マドラスト●子供たちは●頭をマドラーのようにぐるぐる回している●マドラーは●肩の上でぐるぐる回っている●ぐちゃぐちゃと●血と肉と骨をこねくりまわしている●そうして●子供たちは●真っ ....
●本来ならば●シェイクスピアがいるべきところに●地球座の舞台の上に●立方体の海を配置する●その立方体の一辺の長さは●五十センチメートルとする●この海は●どの面も●大気に触れることがなく●どの面も● ....
●ぼくの金魚鉢になってくれる●草原の上の●ビチグソ●しかもクリスチャン●笑●それでいいのかもね●そだね●行けなさそうな顔をしてる●道路の上の赤い円錐がジャマだ●百の赤い円錐●スイ●きのう●ジミーちゃん ....
●ゴホン●ゴホン●ある日●風景が咳をひとつ●ふたつ●ゴホン●ゴホン●そしたら●そばの風景も●ゴホン●ゴホン●咳をしだした●そしたらまた●そのそばにある風景まで●最初に咳をした風景に似てきて●ゴホン ....
●それでは●明日のあっくんの「意味予報」をお送りいたします●明日は●午前中ずっと意味が明瞭ですが●昼ごろから晦渋となり●午後から夕方にかけて●ときどき意味不明となるでしょう●夜は●明後日の未明まで ....
●森川さん●過去の出来事が自分のことのように思えない●って書かれましたが●たしかに人生ってドラマティックですよね●齢をとってもいいことはたくさんありますが●じっさいにそれがわかるのもそのうちのひと ....
OVER THE HILLS AND FAR AWAY。
●「なんていうの●名前?」●「なんで言わなあかんねん」●「べつに●ほんとの名前でなくってもいいんだけど」●「エイジ」●「ふううん ....
●コップに入れた吉田くんを●空気が乾燥した日に●風通しのよい部屋に二日のあいだ放置しておくと●蒸発して半分になっていた●これは●吉田くんが●常温でも空気中に蒸発する性質があるからである●コ ....
●捜さないでください●現実は失敗だらけで●芸術も失敗だらけ●ちゃんと生きていく自身がありません●ハー●コリャコリャ●突然●自由なんだよって言われたってねえ●恋人没収!●だども●おらには●現実がいっ ....
●桃●って呼んだら●仔犬のように走ってきて●手を開いて受けとめたら●皮がジュルンッて剥けて●カパッて口をあけたら●桃の実が口いっぱいに入ってきて●めっちゃ●おいしかったわ●テーブルのうえの桃が ....
●先斗町通りから木屋町通りに抜ける狭い路地の一つに●坂本龍馬が暗殺されかかったときの刀の傷跡があるって●だれかから聞いて●自分でもその傷跡を見た記憶があるんだけど●二十年以上も前の話だから●記憶違いか ....
二〇二二年十一月一日 「夢」
お金を盗まれる夢を見た。
二〇二二年十一月二日 「夢」
また盗まれる夢を見た。こんどは靴だ。修学旅行先でだ。ぼくは高校生だった。
....
二〇二二年十月一日 「ネモ船長の最後の冒険」
海外SF傑作選『異邦からの眺め』6作目は、ヨゼフ・ネスヴァドバの「ネモ船長の最後の冒険」太陽系を破壊しに来た異星人たちをやっつけに地球から ....
二〇二二年九月一日 「フィリップ・ホセ・ファーマー」
ぼくの大好きなフィリップ・ホセ・ファーマーの本が Amazon のネット古書店で、1円とか2円で売っている。なかには数千円のものもある ....
レタスさんの田中宏輔さんおすすめリスト
(256)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
坂道と少年。
-
田中宏輔
自由詩
13*
23-6-19
メシアふたたび。
-
田中宏輔
自由詩
12+*
23-6-12
骨。
-
田中宏輔
自由詩
14*
23-6-5
黒い光輪。
-
田中宏輔
自由詩
11*
23-5-29
ベルゼバブ。
-
田中宏輔
自由詩
13*
23-5-22
『斎藤茂吉=蠅の王(ベルゼバブ)論』。
-
田中宏輔
自由詩
13*
23-5-22
ツチノコ_ツチンコ_シタリガオ。
-
田中宏輔
自由詩
12*
23-5-15
葵橋。
-
田中宏輔
自由詩
17*
23-5-8
カラチョキチョキ。
-
田中宏輔
自由詩
17*
23-5-1
白線。
-
田中宏輔
自由詩
13*
23-4-24
反射光。
-
田中宏輔
自由詩
13*
23-4-17
水面に浮かぶ果実のように_____
-
田中宏輔
自由詩
12*
23-4-10
RAIN_SONG。
-
田中宏輔
自由詩
15*
23-4-3
いますこし、あなたの木陰に
-
田中宏輔
自由詩
23*
23-3-27
四月になると
-
田中宏輔
自由詩
17*
23-3-20
高野川
-
田中宏輔
自由詩
17*
23-3-13
LA_LA_MEANS_I_LOVE_YOU。
-
田中宏輔
自由詩
10*
23-3-6
TUMBLING_DICE。
-
田中宏輔
自由詩
10*
23-2-27
CLOSE_TO_THE_EDGE。
-
田中宏輔
自由詩
9*
23-2-20
AMUSED_TO_DEATH。
-
田中宏輔
自由詩
10*
23-2-13
WISH_YOU_WERE_HERE。
-
田中宏輔
自由詩
10*
23-2-6
A_DAY_IN_THE_LIFE。―だれよりも美しい花であ ...
-
田中宏輔
自由詩
11*
23-1-30
HOUSES_OF_HOLY。
-
田中宏輔
自由詩
13*
23-1-23
FEEL_LIKE_MAKIN’LOVE_。
-
田中宏輔
自由詩
10*
23-1-16
Jumpin'_Jack_Flash。
-
田中宏輔
自由詩
9*
23-1-9
ROUND_ABOUT。
-
田中宏輔
自由詩
13*
23-1-2
MILK/THE_WHITE_ALBUM。_──乳用牛ホルス ...
-
田中宏輔
自由詩
13*
22-12-26
詩の日めくり_二〇二二年十一月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
11*
22-12-19
詩の日めくり_二〇二二年十月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
14*
22-12-12
詩の日めくり_二〇二二年九月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
11*
22-12-5
1
2
3
4
5
6
7
8
9
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