雪の結晶が開いたり閉じたりする夜に
瞼の中のもう一つの瞼を眠らせるように
内側から鍵のかかった黒猫の中で
一体どのような犯罪が行われていたのか
雪の結晶が開いたり閉じたりする夜に
鳥籠の中に ....
霊性の滴り、夢の場所
貴女は遠く遥かに居て
輝く星辰を仰いでいる
爆発し続ける星辰を
渦巻く宇宙の生動を

  *

ミサイルが飛び交う大地に
今、幼子の血は流れ
幾百もの積み重な ....
薄日の街道を歩いて行く
太陽は見えない
ずっとずっと歩いて行く
薄日の白んだ街道を

堆積した時がまた一時解き放たれる
鳴り響くサイレンのなかで
哀しく蒼白に
踊る子どもたちは
ガラ ....
そしてヒトは何万年もの間争いをしている。
そして
銀河の岸では鬼たちが歌を歌っている。
そして
星々の亡骸に
花を供えて
ひとつひとつの星に
黙礼をしていく鬼たち
そして
失われた
 ....
以上のように
この旅行プランは
タイムマシンの要らない
タイムトラベルです

日光江戸村で
二百年前の日本を散策し

東武ワールドスクウェアで
現在の世界を一周し

イチエフ周辺 ....
 *

燐寸一本の囁きで
秘密は燃えあがる
煙は歌い
香りは踊り
時間は灰に
わたしはおしゃべりに



 *

コンマ一秒で宇宙の果てにまで移動したかのよう
喪失の悲しみ ....
  ねこが
  しみこんでいる路地
  空がきれいだ
  電線が微かにたわんで
  ビルのむこうまでみえる
  わたしたちが死んでいくのがみえる
終電逃した神様が始発待つ間に作った、
新しい生き物は、エレキギター片手に、
世界一悲しい歌を歌う。

月の裏側にある街で、
マッチングアプリ起動したら、
ものすごい数の、リトルグリーンメン ....
その
メロディラインに
沿って
冷え冷えと
目覚めていく

忘れてしまった
過去のことは
ただたましいだけ
降りしきる
雨に濡れ
あつく
波打って

渦巻く声の嵐
硬質に ....
電車に乗って
どっかにいこう
部屋の中で地図を見て
そのままでかけよう

いつのまにかはぐれて
もう二度と出会わない
あの地図はどんなに悲しくなっても
川には流さない
あの玩具の ....
雪は身じろぎもせず降っていた
無人駅のホームはすでに雪で埋め尽くされ
その明るさはほんのりと
ともし火のように浮かんでいた

ストーブを消し、鍵を閉める
無人駅の除雪番からの帰りしな
積 ....
みえないものを可視化するのが詩人ならば
いつかぼくもその列に並ぼうとおもった

いつか詩人になれるのならば
そういう人生を選ぼうと想った

誰も容易い戦場にはいないのだが
もう哀しみをく ....
香る。見える。
金木犀と遠く突き抜けるような空
何年経とうが鼻の奥に、目蓋の裏にあるのだから

泣くほどのことでもない。
「思い出す」と書くには頻繁すぎるほど
些細なことが引き金になって
 ....
口元から読経がながれる
もの言わず燃えたぎる焼き場にて
圧倒的なあの世が降りてくる

惜別をぶち抜く感情のほとばしり
わなわなと肩が共鳴する後ろ姿
人目を払いのけ崩れ落ちる黒影

命に ....
台所で支度をしていたら
アルファベットたちが
まな板の端っこを
ふらふらと歩いてきた
みんな
疲れきっているように見える

誰かが落っこちた
また
落ちた


次から次へ ....
暗くなる前に灯りの準備をして欲しい、悪い夢を見ないに越したことはないから、静かな音楽を流して、狂気じみた思いを鎮めて、安らかに目を閉じることが出来たらいいね、こうして話してしまうと願いというのは全 .... 気持ちいいことの
代償に死んじまった
真っ赤な蛇たちが
僕んちの前に並んでる

朝、目を覚まして
そんなもん見ちまったら
やあ、どうする?
僕は走った列の最後尾にいる
間抜け野郎 ....
ましろい膚ごしに
あおや、あか
薄く透けた血のながれが
だくだくと
交わされながら
こころを
もて余していた


はるの
ひびく晴れまに
散らされたすみれの
はなの匂い ....
待ち続ける者にして、探し続ける者は、
悲鳴の中で飢えて、
目くるめく逆光の音韻の中で、
彼らのための晩餐を支度する。
彼ら。・・・彼らとは旅する者。と、旅に同伴する者。
気流のような骨と多様 ....
今夜、黒い雨合羽の男が電話をくれる気がしてる。
分厚いタウンページの、僕のページを引き当てて。
死が個々の匂いを失って、
腐乱という可視光線の屈折が、ただ
広々としたコンクリートの壁にその染み
ともならず、うつり行く走馬灯の懐かしみにも馴染めず
哀れにも雨曝しの自己の内部へ突っ込む。
 ....
クッションを抱いて
その中に閉じ込めた温もりが
冷めてゆく前に体を丸めた
まだ触れていない場所があったな
まだ聞いていない言葉があったな
もっと時間があると思ってたのに
駐車場は探さなくて ....
光のもたらす恵みは計り知れないのに
空気より空気感ないよな

太陽光がなくなったら
きっとパニクるぜ
ムーンライトがなかったら
暗黒の夜になっちまう

その昔
俳人松尾芭蕉は旅の途中 ....
青い制服が似合う学生さんが
足早に過ぎゆく川岸
うずくまる野良犬
声も出せずに
いつだって逢いたい心に
吹く風は早くおいでと誘なう
さいはての孤独地獄へ、とか
ハハ。

今日だけは子 ....
パンはもうすぐ焼けると思う
夜が来たり
雨が降ったりする
人間の気持ちを傷つけたくて仕方がないときがあり
着替えて
街を廻る

そんなふうに
蓋をして
砂みたいになっていく
 ....
1

コミケの意味さえも知らずに、そこでは生身
のラムちゃんが見れると聞いたのもので。中
味も知らない冊子を所定の場所にドンと置く
と、待ってましたとばかりに、とは言え、一
言 ....
雨の午後、僕は水を得た魚座の青年になる。
乾燥肌が和らぎ、滑らかな動きで筋トレをする。
和音の順番で開く身体が
ほつれた傷口を差し出す時は
ウサギの林檎が心臓になる
抑えきれない声が震えるほど
耳を揃えて蘇る気持ちを
足したり引いたりしながら育ち
出口へと導いてくれた
夜明 ....
匂いがするから
君が好きさ
メガネをかけてないときにも
不安定じゃないのは
君といるときだけ

窓辺に目を細めながら
置いたサボテンに
水をやってくれるかい
冗談のつもりで喋った ....
ひとは幸福でありたいものだ

生きる場はなかなか自由には選択できないが

問われるシーンがあるとしたら
自分自身を選択して生きてゆきたい

ぼくも自分と家内と社会との折りあいに
四苦八 ....
日々野いずるさんのおすすめリスト(100)
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