夏の雲

砂の山を作っては 崩れ 踏み潰されて何も言えず
部屋を散らかされ 怒りたくても ぶつける相手など
酒で酔っ払っては 足を滑らせ ひとり転んで
汚れた靴でとぼとぼ歩いて 人にぶつかっ ....
電源ボタンを長押しする
携帯電話の電源を切った
見えない筈の乱雑な線までもが
空間を埋め尽くす想像・幻覚
電池まで外してかなぐり捨てる
    まだ足りない


街に出たら眼鏡 ....
乗り合わせた連中と
サイコロ振ったりカードを捲ったり
酔っぱらって歌ったり
ここで生まれた
もの心ついた頃には船の上


過去の航跡をぼんやり眺め
濃霧に満ちる行き先に目を凝らす
詳 ....
冷たい水に潜るとき
気持ちよくて
本当にすべてがどうでもよくなる

海の底から見上げる水面は
なんという美しさ

ちっぽけな息が尽きて
ぽっかり海面に浮かぶ

海に支えられてぷかぷ ....
感情は結局最後まで  暴れて逃げだしたりはせず
体の内でただ  小さく静かに揺れていた
おかげで私は  私を保ったまま
望んだとおりの形で  消えていくことができる
一度も辿られることのなかっ ....
水気が日に蒸されて

遠くの景色が霞の向こうだ

夏が白く霞んでいる

山にも霞がかかっている

でも山のそれは白ではなかった

山はなんだか青っぽく見えた


きみの周りに ....
紅色の
トマトを冷やし
塩まぶし
真夏の匂いに
頬の汗ふく

ぐらぐらと
煮えたつ鍋に
泳がせる
モロコシの色
甘く香りぬ

キリキリと
青い腰張る
胡瓜には
味噌を ....
母さんと夕食を食べている

母さんは
ポテトサラダの味付けはどう? と聞く

僕は
葛藤の群青が冷却される三辺のFM波が機体
を下降気流へと誘惑してステンレスがベニヤ
板へとバク宙する ....
電車の窓から見える景色は
近景がこんなにも速く流れるのは何故?
遠景よりも遠ざかるのは何故?
僕の傍にいる方が早く消えてゆく?
ならば遠ざけておかなくちゃ
大事なモノほど消えてゆ ....
白濁する森で。

蜘蛛が
雨糸をゆらすと、
針の穴ほどの
光たちが
きらきら
溶けあい、
うっすらと
午前十時五十分の星座が
現れる。

欲情する樹々が。

目覚めている
 ....
どこともしれない場所で
いまがいつなのかもわからないままうずくまっている

うすいはいいろをした水を飲み込む
立ち込めた霧を食べているような気分になる

青と灰とが入り混じる
薄暗い湖の ....
寝転んでたら
足で
ぐりぐりされた

ぬぉおおお(笑)

目は笑ってなかった

大草原に
少女漫画が捨ててある

ちゃんと
ヤギもいるが
男の子もいる

女の子は
ちゃ ....
たとえば

今君が僕を好きと言ったとして
僕はどう思うだろう?



最近、怖いんだ
何か生み出したいのに
何も生み出せない事が
自分には何もない空虚
それを飲み込む事が
 ....
コンクリートの直方体に
鉄の芯が入り
表面がガラスで覆われた
無機質で重い建造物
その林の中にいると
美しい灰色の空気によって
吐き気がする

夜になると
別の世界が顔を出す ....
吐いたため息をはさんだサンドイッチをいっしょに食べてよ 美しい言葉を
うすぺらいと
思う人もいる
人の心や現実というものを
わかっちゃいないねと
笑う人もいる
そこへたどりつくまでの
流した涙を知らずに
美しい言葉を
幻想だと
突き返す ....
誰かが外から力をねじ込んだ
固く ギリ ギリ と
{ルビ蜷局=とぐろ}を巻いて震える はらわた
突き上げるような衝動!
目を見開き
歯をむき出して
喧しくシンバルを鳴らし 
── 鳴らし ....
Lサイズの西日が

Sサイズの町を照らす頃

Mサイズの犬が

SSサイズの猫と

キッズサイズの路地へ入り

LLサイズの夕食を済ませ

フリーサイズの庭で眠るのです。

 ....
寝ても覚めても
 迸る感情
君の事を想いつつ
朝日が昇る
まだ形状の定まらない
 流体の太陽

金床に流し込み
躊躇の槌で打ちつける
超高温の金属は
赫灼と輝き
理性 ....
あれは炎だ
理由も道徳も求めない炎だ
まごうかたなき赤い炎だ

怖れを知らぬ
黒い鳥が炎を目指す

命とはそういうものだ

せめて美しい君を覚えていよう
たった一日でしぼんだ朝顔
 ....
雹かな?と思ったけど、シラウオだった
晴れマークの天気予報が
小魚が 朗らかに ピチピチはねて
アスファルトの下で壊死していた イノチも復活

死者だって降ってきて 必死に飛び跳ねて ....
並ぶつもりで
並んでいるのではないし

何億光年も離れた小さな星の住人が
語り伝えた
神話など知らぬ

集まって
輝いているように見えても
それぞれ
果てしなく遠い

線でつな ....
その絵画は、
曰く付きだった

とある画家の
最後の傑作であった

まず、その絵のジャンルが分からない
人物画なのか肖像画なのか
風景画なのか何なのか

ただ、正確に言うと ....
一瞬、黒を染める閃光
一瞬で死んでしまう火薬たち
目を離すものか
瞬きなんてするものか
君と過ごす最後の二人の時間
涙なんて……
…ううん、やっぱり無理だ

霞んだ花火、震えるほど ....
工場の裏に生えた草を抜いていて思った
この国は何て豊かな国なのかと
何もしなくてもこんなに沢山自然に草が生える
知らない名の草が生える
1ヶ月でこんなに生えるなんて凄い生命力
しゃがんで ....
パセリってなんであんなに残すひとが
多いんでっしゃろな
れっきとした野菜でっし栄養だって
野菜のなかでもトップクラスなんでっせ

嫌いでっか
飾りもんと勘違いしてはりまへんか
もしかして ....
弱点と書かれたところが硬かった 川の底に揺らいでいる
藻のように
空気の流れに逆らわず、
その身を風に預ける

静かに息を吐き 吐き
お腹の中にある
心の中にある、
全てのものを吐ききる

空っぽ
身体中が空っ ....
今日は、りんごの解剖を行う

はぁ
りんごですか

うむ。いいか、このりんごは何色だ?

赤色ですが

では、解剖してみようか

−ほら、解剖したら赤ではなくなったよ

 ....
今時手紙だなんて
何の意味があるのか

下書きまでして
何の意味があるのか

800円もするのに二通しか入っていないレター・セットに
何の意味があるのか

細くて伸びやかな青いインク ....
水素さんのおすすめリスト(55)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏の雲- 小谷りり自由詩216-8-7
シャットダウン- 凍月自由詩5*15-8-7
船旅- ただのみ ...自由詩14*15-8-5
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- 自由詩215-8-4
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ポテトサラダと葛藤の群青- 村乃枯草自由詩11*15-8-2
置いてけぼり- 凍月自由詩7*15-7-27
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モンゴル- nemaru自由詩4*15-6-16
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都会- 凍月自由詩9*14-11-13
サンドイッチ- かの自由詩2*14-10-26
赤い月はノクターンを奏でる- そらの珊 ...自由詩17+*14-10-10
誰ももうネジを巻くな- ただのみ ...自由詩22*14-10-8
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融鉄- 凍月自由詩16*14-10-4
夕火の温度を僕は知らない- そらの珊 ...自由詩2614-8-2
「おかえりなさい」- るるりら自由詩18*14-8-1
プレセペM44- Lucy自由詩18*14-7-30
滲んだ絵画- 凍月自由詩3*14-7-29
FIREWORKS- 凍月自由詩4*14-7-26
草茂る国- ichirou自由詩17*14-7-26
それって_あきまへんで- HAL自由詩15*14-7-26
弱点と書かれたところが硬かった- 北大路京 ...自由詩414-7-23
空っぽ- 猫の耳自由詩414-7-23
解剖台#7/23-21:12:48- 凍月自由詩2*14-7-23
いまどきの特別- クナリ自由詩4*14-7-19

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