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エプロンをつけたおじさんのような
がらがら声のおばさんのような
二人組が立ち止まり
暑いのか涼しいのかさっぱりわからないねえと
言っている横を

私はTシャツ一枚で通り過ぎていくのだが
 ....
雨や風にさらされて
月日が過ぎて
崩れては消えてゆく

光と影の浮き沈みで私に語りかけ
三味線を鳴らし唄うのは石の像

笑っているのか
哀しんでいるのか
なんだろう
くすくすとささ ....
目を閉じると

砕けたゼリーがモザイク画のように

パステルカラーが

注がれていく風景は

ゆっくりと流れていく

揺らぐ気持ちは表面張力のように

こぼれそうでこぼれ落ちな ....
空高く晴れ模様

影は濃く

潜る深い意識の世界へ

アスファルトに映る

私の影は

生き生きとしていたので

ずうっと眺める

影は何かを話したくて伝えたそうだ

 ....
泡が弾けては増えていく

一口泡髭踊らし拭い青い空

目を閉じて喉を鳴らす

苦みが鎖骨のあたりの張りを和らげる

顔が華やぐ

夏が来るよ

でもまだもう少しと

きゅう ....
ぱすんと音を鳴らし

アイスキャンディーを取り出す

自転車を漕ぎながら

あっこの味あたりだ

今日も一日暑かったけれど

今時分の風が気持ちいいなあと

公園で立ち止まり木 ....
ちょっと暑いので

ちょっとだけ窓を開ける

そよそよ風が入ってくる

肌を撫でなんとも心地良く

ひんやり身体と

心を落ち着かせてくれる

そうちょっとだけでもいいんだから ....
幼稚園のそばを通ると
叫ぶような声で子供たちが歌っている

歌っているというよりは
ぼくのわたしの声が一番大きいんだぞと
叫んでいるようで
うるさくてしょうがないんだけれど
楽しくなって ....
家を出たとたん
タピオカころころ雨粒ころころ
大きな傘さしチャリに乗る
ぱらぱら降ってすぐ止むかんじ

春風ちょっと強いかな
子供が傘でちょっと浮いている
楽しそうに笑って
台風かね台 ....
今日は一日天気で

日の照る中ティーシャツで過ごしたので

夜寝る前になっても

背中に暖かい温もりまだ残っていて

身体のストレッチをしていくと

太陽の温もりがゆっくり手足まで ....
大きな交差点

大きな歩道橋

スロープを自転車でカタカタカタと登り

ごぉおおと息を吐き出していっきにくだっていく

地に足がつかない浮いた感じ

幼い頃の他愛のない浮いた夢が叶 ....
雨が降って少し止む

鮮やかなレインコートを着た子供が歩いている

雲が流れて優しい鳥の声

コンクリートの脇っちょから咲く

可憐な透明オレンジ色の雑草は

遠くの国からハローハ ....
バイクで信号待ちをしていると
学習塾の窓がそっと少し開き
にゅうと黒板消しを持った手が現れた
ぱんぱん一生懸命腕を振って
ぱんぱん外壁に叩いているのだが
あまり白い粉は出てこないみたいだ
 ....
近所の人はおじいさんとおばあさんが

一緒にいるところを見たことがない

どっちがどっちにくっついて

おもちのようにふっくらまっしろ

のびていくしわしわ

仏のように柔らかな如 ....
とても古くて大きな樹木
人がすっぽり入れるほどの
祠があり神様を祀っている

樹木に近づくと
その清らかさに心を打たれ
身体を樹木の中へと入れると
ひんやりと冷たいけれど
太陽の光が染 ....
神社の脇に湧き出ている水を

手をかざして一口飲むと

喉をコロコロ撫でる

境内に生える大木から

風が気持ち良く流れており緑が眩しい

少しずつ身体中の細胞に広がる湧き水は
 ....
本日をもって閉店させていただきます

うちから徒歩一分の
スーパーマーケットが何十年かの幕を閉じた

棚はがらがら
生鮮食品とお惣菜ぐらいがあるだけなのに
人が溢れてうねりうねって彷徨っ ....
小六修学旅行京都八坂神社
昔ながらの雰囲気のある
土産物屋に無造作に掲げられる
最中の二文字
ひらひら軒下にゆれる
人気のなさが胸を打ちはじめる

さいちゅうって
なんのさいちゅう
 ....
傘をさして外に出れば

藍色の灯火が揺れている

深海魚のまなこの奥に眠る

遥か太古の記憶が

生温かい雨粒と一緒にこめかみを撫で

息がとまる

藍色の雨が深く私を染めてい ....
山奥の沢
大きな石の上に寝転がっていると

こんぽろりん
こんぽろりん

遠くの方から小さな
木琴の音色が聴こえてくる
私は少し調子の外れた
しかし心地の良いその音に導かれるように
 ....
おばあさんが畑を耕していると

赤茶けた色に長方形におちょぼ口がついた一輪挿しが

いくつもいくつも出てきた

そこは古くから陶芸が盛んな町

今はない窯元があった土の下に陶器だけが眠 ....
バイクで走っていると

その家は高野豆腐みたいな家

古くて四角くて緑がたくさん

黄土色の柔らかそうな壁こげ茶色の柱

赤いポストが錆びて擦れて鈍色に輝く

見た目は良くないけれ ....
うつ伏せに寝ていると
今日はたまたま息子さんが居て
こっちへやってきて髪をさわる
中国語の心地良い抑揚
髪の匂いがいいよとお母さんに言ったらしい

色々なマッサージや整体を経てここにやって ....
真っ白な空に飛び込むと
記憶がだんだん失われていき
気がつくと白い部屋にいる

外を眺めるとレモン色の月が輝いている
手を伸ばすとすっぽりと明かりが降りてきて包まれる

目をうっすら開け ....
身体中にほくろが或る男
無数のほくろ一つ一つがコンプレックスの塊であった
写真では意外に目立たないようであるが
映像になるとほくろが
身体中を蠢いているんじゃないかと
恐怖に陥るので極力見な ....
誰かが忘れた

飴色のカーディガンを羽織って

はっぱすきっぷじゃんぷして

風に乗る

滑るように

玉虫色に輝く茂るみどりの山を越えていき

鉄塔線の上に着地して

お ....
たくさんのどきり

わたしの世界がくるり

ころりころりと転がっていき

すっかり忘れていくうちに

ここはどこだか見覚えのある馴染む感覚が

ぽたぽたと濾過していく仕組み

 ....
あんぱんとカレーパン

明日の食ぱんを買って

パン屋さんを出ると

とっても可愛い白くてパンのような女の子が

こんにちわとあいさつしながら入って行った

毎日ふわふわの出来たて ....
むなさわぎむささび

さっきしずかにとおりすぎた

わさびかみしめさわがしい

ずっとよいんはつづいていて

わびさびおかしななびげいと

のうりをよぎるむしのしらせ

むなさ ....
木漏れ日が気持ち良い

緑が光りを浴びて生き生きしている

鳥の声も嬉しそうだ

人の声がする

嬉しそうな声だ

ちらりほらり木々の間から

鮮やかな着物を着た女性たちがこち ....
鵜飼千代子さんの灰泥軽茶さんおすすめリスト(92)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
秋のはじまり- 灰泥軽茶自由詩1413-10-11
やわらかな五百羅漢- 灰泥軽茶自由詩13*13-9-29
パステルカラー- 灰泥軽茶自由詩613-9-7
千切れた影は何処へ行く- 灰泥軽茶自由詩713-6-13
ビールの泡と目を閉じる- 灰泥軽茶自由詩613-6-8
アイスキャンディーと夕暮れ- 灰泥軽茶自由詩913-6-6
窓をちょっとだけ開ける- 灰泥軽茶自由詩713-5-27
叫ぶ子供たち- 灰泥軽茶自由詩1013-5-25
雨もよもよ- 灰泥軽茶自由詩1113-5-19
太陽の温もり- 灰泥軽茶自由詩6*13-5-14
歩道橋スロープ- 灰泥軽茶自由詩6*13-5-13
ナガミヒナゲシ- 灰泥軽茶自由詩8*13-5-11
黒板消し- 灰泥軽茶自由詩10*13-5-10
おじいさんとおばあさん- 灰泥軽茶自由詩7*13-5-9
樹木の奏で- 灰泥軽茶自由詩5*13-5-8
美味しい水- 灰泥軽茶自由詩9*13-5-7
さよならスーパーマーケットさん- 灰泥軽茶自由詩10*13-5-6
まさかの最中- 灰泥軽茶自由詩6*13-5-3
藍色の雨- 灰泥軽茶自由詩5*13-5-1
山女の木琴- 灰泥軽茶自由詩9*13-4-29
一輪挿し- 灰泥軽茶自由詩8*13-4-27
高野豆腐家- 灰泥軽茶自由詩5*13-4-25
中国整体院- 灰泥軽茶自由詩7*13-4-24
空白の空- 灰泥軽茶自由詩8*13-4-22
ほくろの或る男- 灰泥軽茶自由詩4*13-4-19
春の羽- 灰泥軽茶自由詩6*13-4-18
濾過装置- 灰泥軽茶自由詩6*13-4-17
パン屋さんにて- 灰泥軽茶自由詩9*13-4-16
むなさわぎはちぶんめ- 灰泥軽茶自由詩7*13-4-14
陽春の花- 灰泥軽茶自由詩7*13-4-13

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