たとえば僕が泥酔し
朝も夜もない生活をしていれば
ネットの広告で
シジミ汁のおすすめが
貴様、見ているな!
たとえば父母が老境で
明日をもしれない齢となれば
メールの広告で
遺産相 ....
目の前の小さな世界で溺れてる
ニュースにもならない出来事は
大海の向こうには何の影響も与えない
それを知れば足がついて
我に返るだろうか
シャボン玉のような
ノンフィクションがひとつ
....
暗闇にともしび
あたたくきんのひかり投げかけて
道行く迷子を微笑む
100均のガチャをせがむ子供のように
宿命は背負いきれない覚悟がたりない呼ばないで手放して
わたしは傀儡じゃない
気 ....
でも
また君の
大きさも小ささも
あのあたりだからここらへん
しばらくしたら
あちら側のこちら側
しかし
どうにも左だから
そう思うと右で
でも
右だと左なるし
戻るから進ん ....
最近、酔いやすい
〝日本酒の会〟元会員
酒豪の私は今いずこ
日本酒二合か
ワイン半瓶か
ウィスキーロック三杯か
そのくらいで
昨夜、中国ドラマにも酔う
恨みを手放し ....
春の訪れは誰の心をも弾ませる
名もなき花は顔をのぞかせ
白くて柔らかな笑顔を見せる
暖かくなりつつある日差しとは裏腹に
未だ肌寒い大気に体を震わせながら
もし過去に戻れるなら
コロナ禍に戻りたい
恐れすぎず
自分と家族を大切にしたい
孤立しすぎたんだ
あの世界の恐怖にとらわれすぎたんだ
大きく変わらなかったとしても
もう少し深みを ....
もうすぐ日本が世界が地球が
滅びてしまうなら
私はあなたに会いに行く
1号線から2号線
ずっと歩いて歩いて
ひとめあなたに会いに行く
どんな声で話すのか
どんな顔で笑うのか
しかめっ面 ....
体を洗うのに
ずっと使っている
赤箱の石鹸
気づけばストック切れ
急遽ドラッグストアへ
棚には青箱ばかりで
赤はない
二軒目で
ようやく見つかる
当たり前にあると思う ....
少し遠いスーパーまで
ゆずとかぼちゃを買いに行ってきた
明日は冬至なので
かぼちゃを小豆と煮て
ゆず湯に入る
いつもはシャワーで済ませるため
お風呂は贅沢に感じる
たった1個だけれど
....
小学生のとき
教室でモンシロ蝶の幼虫を育てていた
クラスメイト全員に与えられた
翡翠色のいもむし
そっと指の腹で撫で
キャベツの葉をあげ
毎日見守っていた
やがて蝶になるはずのそ ....
三丁目二番六号付近の路上に林檎を置いた
いつか君と出会うための魔術だ
御堂筋を渡る、四丁目のあちこちに足跡を残す
南船場四丁目をさらに巡回する
反復は呪われた想いだ
破れた地図の ....
日本は前科者です
先の大戦で
金で賄えないものがあります
人の命
僕が子どものころ見た戦隊ものの悪役で
金で解決できないことはないと叫ぶ者
反省の色は消え
またぞろ同じムーブ ....
いつだって
逃げ出したいのは
空の彼方
まぼろしの国
そこに住む住人は
みな穏やかで
過去を問わない
未来も尋ねない
お元気ですか
から始まる会話は
今日あった細やかなことを
....
朝に聞いた曲
心の目が柔らかく開く
見落としていたもの
忘れていたこと
目玉焼きのカタチに
母が
洗濯したハンカチの色に
父が
リキッドの眉墨には
妹
私の ....
誰か一人が歩いているとき
町の喧騒はさみしく かなしい
誰か一人が笑っているとき
町の灯りはさみしく かなしい
だから雪は濡れているのです
うろ覚えの愛情のように
冷たい雨が降りだした町に
冷たい夜がやってくる
夜明けはいつも遠い
トーストの微笑みも
紅茶の雫も
珈琲の湯気も
夜明けの向こう側にある
手を差し出しても
触れることができない幻を
....
忘れたくない
自分は
存在しているということを
有り難く思う
命を味わおう
・
ありがとう
いつも
ありがとうを
ありがとう
いのちよ
・
※ 五行歌とは、五 ....
通りすぎていった雨にまだ濡れている。まだ舗装されたばかりの黒いアスファルトにもはやすっかりと晴れあがった青空が映りこんで、まるで磨き上げた曹灰長石(ラブラドライト)かなにかのようにその淡いみずいろを反 ....
師走の候
医院の待合室
暖房を入れ始めてから日が経つ
ブラインドの向こう
夏からの工事は、まだ終わらない
受診後の患者様たち
次の予約は年明けが多い
帰り際に掛けられる言 ....
憎んだのは
あなたがたじゃない
夫と花の名前を持つひとだ
憎んだのは
有り難いことに
過去の話だ
誰も
私自身にさえ
歩き始めた陽のあたる道を
邪魔させやしない
過去の ....
散歩の帰り道
ガス会社のフェンスに
ひとさし指先ほどの
緑のサナギ
アゲハの類か
細い指先で畳まれた
葉っぱのようで、
その美しさを観察する
雨風を凌げるものなど
周りに ....
時間は川に流れ込んで
海に注がれていった
思い出は沖の方の
船が網に集めている
オレンジ色が海面を揺らして
波の音がだんだん寂しくなる
水平線に飲まれていく太陽
思い出を吹き飛ばす風 ....
胸の奥にしまいこんである
宝物みたいな想いは
大切すぎて
詩にかけない
たった五文字
ことばにすれば
安っぽくなる
このままずっと秘めたまま
スマホを置いて散歩へ
私達は便利の奴隷
人工知能もやって来て
共存してもしなくても
使っても使われても
私達は便利の奴隷
スマホとの距離感を
7オクターブ離し ....
ありがとう
優しいひと
宛先のない手紙を空に向けて飛ばす
風が想いを運んでくれる
逢いたいと願うだけでは
足らなかったの?
自分が自分を邪魔するように
伸びすぎた前髪が視界を遮るから ....
「絶対」とか
「何が何でも」とか
不要な力みでしかない
過剰なイエスとでも言おうか
不自然な力は
力というものを
発揮しない
「絶対に叶えてやる」とか
「何が何でも達成して ....
「こたつは麻薬や」
あなたは そう呟いて
こたつから抜け出した
まるで逃げだすように
不覚にも長い昼寝に陥り
試験勉強を邪魔された──
あなたの言い様
こたつに悪気はないのに ....
姉は
母の遺影だけ渡してくれた
お父さんのは?
とは聞けなかった
彼女の中では
一生赦せないひとだったのだろうから
母の情の{ルビ強=こわ}さを受け継いだ姉
酔って暴れる父を
....
ことばが灰になる
皮膚を焼くのと同じ匂いで、
私の祝詞は、
毎月、かすかな煙をあげて消失する
――わたしたちは
プーチン大統領に起因する不条理に反対する、
と
白紙の地図を焦がしな ....
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