誰もがみんなドアをひとりで叩き潰せるわけではない
こうして 震えている間に冬は過ぎてしまったが
一向に震えは収まらない


歯の根が合わない
力が入らない
かろうじて寄りかかって
動か ....
はかない微笑
世界は僕のためになんか動いてくれやしない


はかない微笑
でも、世界は私のためにだって動きはしないよ


嘘だ、君も同じように傷ついているんだ
だってそんなに悲しい目 ....
ねえ、この結婚写真。

私のアップあるでしょう。
ほら、ここ。


隠れて、ないんだよね。


普通気を利かせてくれるんじゃない?
だって、一生に一度のことだよ!?



 ....
わたしが
死んでいった日々を
つぎつぎとかぞえる

いくつもの
忘れてきたものは
燃えるごみの日になんの断りもなく捨てられてしまった


脱皮しても
脱皮しても
同じ
(わたく ....
母は24歳のとき、実業家の三男である父と見合い結婚をした。
父は教養のある人間だが、商社マンにはあいにく不向きであった。
売掛金の回収が滞るとすぐに実家を頼りにして借金をし、
その金は祖母が何時 ....
今日 はじめて夜の中に潜っていたのです
コルトレーンに導かれて
  深く
  深く
街並みを彩る光の その 奥へ
ほんの少しの明かりと薄くて広大な黒
 を
見たのです
ケータイも忘れ
 ....
誰のために

揺れる夜に

囁く




呼応している

思いたいのは

夜があまりにも深く

草木にすら見届けられることのない

場所に

いる



 ....
滑り台に登り
寝転ぶスペースがないので
座って 空を眺める


オリオン座を探してみた
瞬く四角は輪郭が歪んで
中にある三連のはずの星も
つながってしまっている


耐えきれず  ....
負った傷と都合の悪い過去は
片っ端から切って捨てる
少し 尾骶骨が痛い


道端に捨ててうっかり拾われてしまっては大変なので
その都度回収して箱に収めた


赤いの
 ....
娘には愛を受ける権利がある
娘には、すきなときにだっこをしてもらう権利がある


父親の記憶のない娘を不憫に思い
祖母は惜しみなく愛を捧げた
自分の娘に届かなかった愛もセットにして
両腕 ....
今日
はじめて 自分以外の誰かのために
神様にお願いをしました


  霧たちのぼる早朝に
  ひとりで そこに踏み入り
  ひとりで 歩を進める

  人の手の 届かぬ領域
   ....
かえる 跳ぶ 柳の下
かえる 届く 柳の枝
かえる 折った 柳の枝

おとな かえる どなる
こども かえる どつく
かえる とんだだけなのに

かえる なく
かえる あるく
かえ ....
ふうわりと
舞っていく質量は
たんぽぽよりも薄く軽く

飛んでいけ わたくしをつつんでいたものよ
たとえこのジャケットの
一平米あたり幾千幾万と詰められていたとしても
朝の光をひとりで ....
この空は
川だって越えてつながっている
そう思って安心していた
安心したまま
あの夜や言いかけた言葉などを
曖昧にして しまいこんでいたんだ

  食事なら一緒に行くのに
  くだらな ....
ダンボールの開梱を終えても意外と暗くない空に誘われ
出窓を開ける
少々の雲 昨日までと違う形の青

 記念すべき一歩、
  頑張るぞ、オー!
  頑張るぞ、オー!
  頑張るぞ、オー!
 ....
夜明け前に離陸した気の利いた文章たちは
朝焼けのまぶしさに粉々になってしまった


一方 鳴り続けているベースは
地面にかすかな響きを残し昇っていく
成層圏の付近で
散り散りのことのはた ....
あたしの中にこんなにたくさんのキミがいるから
説明のしようがなくて
身体だってどうしてふたつなのか理解できなくて
ああ
どこから切り取って差し出せばいい?
あなたは わたしの中にいるのに
あなたは わたしを切り離すことができるんだね

わたしは 問いかけてみた
声は やわらかい壁に吸い込まれて消えた


どこにいるの?
あなたは手を振り去 ....
吸って 吐いて 跳んで
分かる?
視界の広がり
体の軽さ
吸って 吐いて 跳んで
ほら、もう一度

ほんとうは
みんな空を目指せるんだよ
もし望むなら
「翼がないから」
人々は口 ....
はじめにパズルを解いてみせたのは誰?
スタンダードの流れるバーで
テキーラとカルアミルクを
失敗の余地のない完璧なシチュエーション
アクシデントの入り込む隙間も ない

一度だけみせたのは ....
無邪気なわたしたちのどちらかが
少しだけレバーを押したら
予告なく
飛行機は離陸した


脚本は既に完成しておりまして
降りることは不可能です

無数の街の煌めき
無数の星の囁き
 ....
もう このままで  立ち止まりはしない
 普通
 妥協
 最善
すべて振り払って
走ることこそが生きること
振り返っている暇はない
つまずく
傷は
顧みずに
乾くままに

遥か ....
走る目線の先よりもむしろその大本のほうに吸い寄せられる。目尻の下がったやや細い目。長くて適度にカールした睫毛。黒味の強い黒目、が私を見つめたかと思ったらそれは何のことはない業務的な会話で時折覗く白い歯 .... ねえ
今日は手を繋いでこられたね
空の見える場所
海の 遥かに揺れる場所
星が降るまでにはまだ時間がある


誰もいない
雲以外は
ねえ
晴れるかな


少し戸惑いながらあな ....
雲が切れる
突き刺さる青の広がり、無限に


わたしたちは
脈を打つプロペラのリズムで息を整え
パラシュート
OK、OK、OK


それなら
今すぐ飛びたて
空が青ければ気分も晴れるほど人間は都合よくできていない。
それは夏になったからといって恋をしたことなどただの一度もない事実からも証明できる。



感情は引力で私を押し倒し、重力で沈める。
 ....
今日も太陽はご機嫌ななめで
一面に白い濃淡が広がっている

北風は旅人のコートを脱がせることができなかった
知っているくせに


空がこんなにつめたいのを
「仕方がない」で済ませる人と ....
戻るものなのだと 思っていた
         想っていた
         想ってきた
   そこに   いた


  90゜ 歩きだして
 180゜ 振り返って
 270゜ 見失っ ....
ぼーっと
通路に座り込んで
足を投げ出して
そのまま横たわる途中で

ボートハウスの屋根の上
の丘
の上の空

見つけたんです

あと、30分
開けてしまった
くるしい

蓄積したさまざまな理不尽は
皮膚の表面から放出されることなく反射する
何度も
何度も
尾鰭が付いて膨らんでいく
出口を忘れてしまう
体内を回り続ける

 ....
伊織(90)
タイトル カテゴリ Point 日付
新世界自由詩3*10/5/18 22:16
はかない微笑自由詩2*10/3/1 22:47
花嫁(笑)自由詩2*10/2/12 17:32
目を閉じて、いる自由詩0*10/2/3 18:49
つっかえ棒自由詩5*10/2/2 21:53
night dive自由詩3*10/1/31 16:24
夜光自由詩2*10/1/20 16:32
一月のある日自由詩3*10/1/12 13:39
しっぽ自由詩9*10/1/6 18:02
おやすみ自由詩4*10/1/5 1:18
祈り自由詩3*10/1/4 23:41
かえるのうた自由詩3*10/1/4 3:48
羽毛自由詩409/12/3 19:32
願い[group]自由詩309/10/31 20:00
ワンルーム・ディスコ[group]自由詩009/10/30 14:52
Speed of Sound[group]自由詩209/10/30 7:44
The best thing[group]自由詩009/10/30 7:43
I still Love U[group]自由詩009/10/29 0:13
Zero Gravity[group]自由詩109/10/28 23:30
Kiss And Music[group]自由詩109/10/28 23:28
NIGHT FLIGHT[group]自由詩009/10/27 20:51
Dream Fighter[group]自由詩109/10/27 20:50
edge[group]自由詩009/10/27 1:25
love the world[group]自由詩209/10/26 17:12
Take Off[group]自由詩109/10/26 16:57
まあいい、それでも世界は廻っている自由詩609/10/1 19:19
天気待ち自由詩409/9/29 2:38
spiral自由詩609/9/25 12:11
ボートを待ちながら携帯写真+ ...209/9/22 15:31
はこ自由詩509/9/22 6:09

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