ぼくは会社を休んだ。株式の建築会社だ。今朝、目を覚まし、まだ眠りたらないモグラのように目頭をこすると木魚を叩きながらこっくりこっくりと居眠りをするつやつやなお坊さんが一瞬あたまをよぎり、その幸福そう .... なないろの架け橋から
ダムが嘔吐している
あじさいが
潤んだ目を擦り合わせ
ねむたげな林道
葉うらで演奏される口琴
耳をすます野池
水面の波紋に
意識が吸い込まれ
蛙の呼吸に同調した ....
春へ
迷いこんだ赤とんぼに
音信を宛てる
なんとなく
くち淋しくて
見知らぬ子どもの
懐かしい
薄荷の味する
はなうたをぬすむ
ぐらつく
奥歯のように
母音を舌で
ころがしてい ....
筆先を紙上に置く
まだ、なにも見たことのない
目のことを思う。
インクがにじみ
黒点が生まれる。

筆先を右に移動させる
まだ、なにも聞いたことのない
耳のことを思う。
ふたつの黒点 ....
天井から集まる
星屑のめいめつが
頬からこぼれそびれて
睫毛にからまり
目を閉じると
角膜の表面に錨をおろし
浮標のように
ただ揺れている
覚束ない眩しさを
ひとつ摘んで
たやすく ....
花瓶から
あふれた水の
殆どは書き記されて

干上がった
窓辺に立てられた
イーゼル

幼児に
水で手を
洗われるような

3月に画布を
はる
雨傘のとても良い
鳴声を聴きながら
裁ち切られた
耳鳴りをさがしている
砂丘で失くした
二月の誕生石を
さがす女の
袖口からほつれた
生糸に視線を落とし
遠い目をする
仕草のように ....
炊飯器をけりとばし
ビー玉が釜からこぼれ落ちる
冷蔵庫の野菜室から
子どもが飛びだして
線路には気をつけなさいとだけ
忠告をする

透明な硝子のなかに
天の川が流れたような
白い模様 ....
襟を立てて
子宮に還りたいと
手折られる関節
いつか窓から
来訪した譜を
爪弾いた
罪人を、外套に
収容する

風力発電所が
洋上に向ける
鋭い、まなざし
交差点に
突き刺さ ....
sample(39)
タイトル カテゴリ Point 日付
君に伝えたい自由詩1*12/9/8 2:49
釣れないな自由詩412/9/7 1:02
郷愁自由詩412/9/5 22:41
空白自由詩5*12/9/4 22:37
暗礁自由詩1012/9/3 12:40
3月自由詩5*12/9/2 0:55
針と糸自由詩212/8/31 22:34
キッチン自由詩112/8/30 22:01
冬にうまれて自由詩4*12/8/29 12:51

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