懐かしい声から
その表情が見える

突然消えたその人は
数奇な人生を送り
普通の人生では
見ることのない風景の中に生きた人


老いた目蓋の奥に
鋭い瞳を覗かせて

奥底から笑 ....
青い月が私に囁くとき

夜の風が吹き抜けて
青い月はいっそう
冷たく見える

一緒にはなれないよ
そんなあの日の
貴方の言葉を思い出す



朝には白く
消えゆく月に

 ....
心を投げた

思いっきり投げた

何度も何度も
あの人めがけて
投げ付けた


ぶつかり砕けた心の
小さく泣いてる破片まで
あの人は
ひとつ残らず拾ってくれて

まあるく丸 ....
両手いっぱいに抱えた色

おばあさんには赤を

泣いている子供にはオレンジを

爽やかな恋人達には輝く白を

配っても配っても
なかなか両手は空にならないから


一番大切な人 ....
目の前にある林檎
赤く赤く鮮やかに


もしも
私に見える林檎の赤が

他の人には
私が見ている葡萄の色として見えていたとしたら

私は他の人が見えている葡萄の色を赤だと思っていて ....
秋の宝石たち

風に乗って
宝石のまわりを音符が踊り
ポップコーンみたいな瞬間の勢いを見せてくれた


手をのばせば届きそうな宝石
眩しい今日
雀がせわしく
朝の挨拶

魚の焼ける匂いに
ピンと張るひげ

眠気には勝てず
我輩は身体を丸めて
もうひと眠り

ぽかぽかお日さま追い掛けて
何度も寝場所を変えな ....
私の頬についた
大きな大きな
キスマーク

冬の花火を
震えながら見ていた
屋上のベンチ

恥ずかしがり屋の貴方が
私につけた
俺専用って印


あざか怪我かと間違うくらいの ....
いけない いけない
悪いクセ

いつのまにか気付かずにまた

ほうらまわりを見てごらん
誰も居ない


心に鍵がかかってる

空気穴さえ見当たらない


ほうらまわりを見て ....
ここが好き
机と本棚の少しの隙間

すっぽりはまって
ほっくりゆったり


ここが好き
縁側に干した布団の上

ぽかぽか陽気に
閉じたまぶたで
視界はオレンジ


ここが ....
地球が悲鳴をあげている

叫んでいるのに
気づかなかった人々

花 咲きほころぶ春
ギラギラ太陽輝く夏
赤や黄色の葉を散らせる秋
白一面の冬



季節をずらし
それらしくな ....
見つけた

奥深い森の中に
ぽつんとあらわれた


絵の具を溶いたような
青い湖


ここに
私の希望が
泳いでいるような気がした

水面を風が舐め
さわさわと騒めいている

深緑の中に
ぽつんとあら ....
深い悲しみを抱き
癒し
眠りに誘い


そして私は
深い悲しみから
解き放たれた吐息を聞きながら



夜の眠りにつく
夢を見た
走り続ける夢

人混みを駆け抜け
雨の中を走り

まだ走る
走り続ける夢


いったい私は
どこへ行きたいのか
何になりたいのか


泥に飲み込まれるような疲労 ....
海に揺らめく
街の明かり


潮の香りに
髪を撫でられながら
二人で少しおしゃべり


食事のあと
ビルの上から見た夜景
あまりのまばゆさに
胸が苦しくなった

海に散らば ....
嬉しくて
気持ち良くて
満たされて
少し恥ずかしくて
楽しくて
自然にこぼれた笑顔


ひとつひとつを束ねて
ナイフで切り離した断面

それがあの日の写真



時間は変 ....
雨よ
私を砕き流し
消し去っておくれ

灼熱の太陽よ
私を溶かし
消し去っておくれ


いくどとなく
願った思い



叶うはずもなく
今日も自分の罪に罰を与えられ

 ....
艶めかしく
雨に濡れた髪

差し出された謝罪の言葉と赤い傘


どちらも受け取らず

ただ
あなたを誘惑してる
濡れた髪


言葉も傘もいらないの
抱き締めてほしいだけ
 ....
タマゴ焼き
ふわりふわりと
足取り軽く
タコのウインナーと
ダンスする

揚げたばかりの豚カツが
レモンのギターをかきむしる

ちょっと嫉妬な
千切りキャベツ

箱につめて
 ....
見慣れた景色
窓の外

あの家の屋根から
少しだけ頭を出していた木も
過ぎ行く歳月を知らせるかのように
大きくなった


風のある日は
大きくうねり

晴れた日は
緑を激しく ....
雨に打たれて
溶けて私は水になり

土にしみ込み
消えてしまえたら

雨上がりの強い日差しに
裁かれて
細かな気体になり
空へと舞い上がれたなら


どんなに楽であり

そ ....
喧嘩ばかりだけど
泣かされてばかりだけど

私はあなたが大切


悪ぶっても
強がってもダメ

隠れた本心知ってるよ


みっともなくて
気にしすぎで
心配性で
弱虫で
 ....
記憶が
ぽろぽろ
剥げ落ちて

さっきのことも
分からなくなる


いつか
あなたが誰かも
分からなくなるのかな


恐怖は包装された箱の中

いくつも
転がっているか ....
何回しても
いくつになっても

慣れることなく
いつも
いつも

恋する気持ちは
初心者で

いつも
いつも

経験が
モノを言わない

それが恋
あなたは
初めから
そっと隣で見ていてくれた


あなたの一言に
心満たされ
涙したり
笑ったり


癒しと言う言葉の持つ意味は
きっと
あなたのような方の為に
存在するの ....
あの頃は

純粋で
汚れもしらず

楽しみも少なかった


でも
だからこそ
透き通っていた


いまさら出会って
あの頃は
すごく君が好きだったんだ


なんて
 ....
そこにあるものは


全面を青く塗り潰した

あたかも絵のように飾られたもの


ある男は言った

ただの青かと


ある女は言った

涙の絵なのねと


子供は言 ....
たとえば

お刺身を食べるとき
お箸じゃなくてスプーン


ちょっと一周走ってくるのに運動シューズじゃなくて下駄


私の隣で
昔の彼女との楽しかった思い出話を自慢気に話する私と付 ....
透き通る空
どこまでも青く


爽やかな風は
部屋をかけぬけ
昨日までの憂鬱を
持ち去ってくれる


空を見上げ
吸い込んだ空気
体内で粒子になって
私の細胞に
元気をくれ ....

まだ冷たい風に吹かれ
空を見上げたら

白い風船が
力を使いきり
はらりはらりと私のもとへ

糸の先には
まあるい花の種
育ててみようと思いたち

長旅で疲れたであろう種 ....
舞狐(93)
タイトル カテゴリ Point 日付
電話自由詩9*09/1/24 23:06
青い月自由詩3*09/1/24 7:08
貴方だから自由詩10*08/12/10 7:37
抱擁自由詩8*08/12/9 20:20
黙思自由詩7*08/10/28 18:11
秋の宝石携帯写真+ ...7*08/10/19 19:59
【チョコレート同盟*連詩】明日から笑う猫自由詩8+*08/10/18 18:02
キスマーク自由詩6*08/10/4 11:48
悪いクセ自由詩9*08/10/3 6:14
ここが好き自由詩14*08/9/17 7:00
地球自由詩7*08/8/23 11:23
青の中の希望携帯写真+ ...9*08/8/5 14:29
包む自由詩4*08/8/1 23:46
夢で自由詩9*08/8/1 19:23
洒落た夜に乾杯自由詩6*08/7/11 0:19
あの一瞬自由詩7*08/7/8 13:53
くりかえす日々自由詩10*08/7/4 18:44
さあ 早く自由詩7*08/6/22 21:46
しみじみと自由詩5*08/6/19 23:35
変化自由詩11*08/6/15 11:09
消えて自由詩9*08/6/12 17:01
あなたへ自由詩6*08/6/9 6:35
空虚自由詩7*08/6/5 17:55
初心者自由詩8*08/6/2 13:27
恋文自由詩10*08/6/1 13:24
セピア色の告白自由詩9*08/5/30 17:36
群青自由詩21*08/5/27 10:17
それをなんと言うのか自由詩6*08/5/25 7:51
青と風自由詩8*08/5/21 23:51
通過自由詩7*08/5/16 16:18

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