「カンタンニイカナイカライキテイケル」
叫ぶ少女の影 愛おしく


アコギのネック下げこちらを睨む目に
黒田武士の心意気を見る


あぐらかき声張る顔の険しさは生みの苦痛か生きた苦痛か
あたし別にさびしいわけじゃないけれど
お話したくてサクラにまじる


「アバターよりリアルのほうがカッコイイ」
ホテル行く道つく嘘に反吐


「プレゼントありがとう」と返事したあと今月 ....
キス拒む言い訳にマスクをつけて「風邪ひいた」

マスク越しにチュ


かぜひいて
ママはたまごおかゆつくる
おいしくて
またかぜひこうかな


昭和の夜
ポッケに10円詰め込 ....
癌ゆえに腰をいたがる母のため娘は毎夜腰を痛める


シャワー室
吐いたイソジン蛇となり
浴びてる君の足に絡まる


国籍が違えば体のナカまでも違う不思議を身をもって知る
野を駆けていた犬も老い我が父と散歩で腰の曲げ比べする


鏡には若き日の父と同じ顔
意志も同じく雄々しくあるか
楽しきは酔うていじられまくる時
酔い覚め後のおもちゃの余韻


相向かう絣の彼女に声かけんと
電気ブランを五杯六杯


泥酔し道に倒れて「わかれうた」歌い{ルビ警察=さつ}来たことがあ ....
仕事の憂さ忘れ彼女と四回戦
それでも朝はやってくるもの


夜に咲く恋にうつつの吸血鬼
それでも朝はやってくるもの


仕事なく金なく友なく死ぬ気なく
それでも朝はやってくるもの
 ....
「会いたい」とボールド書きして適当にアド打ったメール
ネットを走る


憎んでもいない母の首
嬉々と斬ってかかえて警察に走る


出来立てのスーツをまとうピュアハート
たくさんつんで ....
作詞家でプロデューサーでフィクサーで
康範仮面は誰でしょう
今日あの子来るか来ぬかと街角で待つ彼の上降る小ぬか雨


桜花雨に散らされ踏み潰れ
やがて流れる赤い廃液


長雨となるたび庭に出て土をかけ直す

目覚めるなよ



今 ....
小屋立てば芝居の怪人隠れ住み若者誘う
劇スパイラル


板の上かたく抱き合うお芝居の稽古を夜も続ける二人


午前2時
公園の隅で{ルビ台本=ほん}を持ち叫ぶ台詞よ
届け世界へ

 ....
夜街にて拾いし花びら手で握り
開けばあらわる恋待ち娘


思い寄せる二軒隣のあの人の部屋の前に落ちたる合鍵


恋別れ衣食生き死にあるごとに我は現れ言葉を拾う
生娘の桜のような唇を冒しがたくておでこにキスする


つきたての餅のごとくにふわふわの稚児の足裏
口びる寄せて


わが手にて花が開いたばかりなる君のお口に熱いキッスを


「この ....
忘れたい記憶の棘は背に潜み
忘れた頃に足裏に落つ


腕ずくで乙女のしるし破られた記憶消したく
夜の街に立つ


同窓会 だみ声聞いて思い出す
孤独な私をなぐさめた君


キス ....
「さようなら」と転校する君
好きだよと言えずの初恋思い出になる


間違えて入った教室で着替えする乙女の姿しばしとどめん


喧嘩ばかりする娘(こ)が下駄箱に入れたハートのショコラ
直 ....
「できちゃった」
あわてふためく彼を見て笑ったその夜
吐き気もよおす


「彼のことあなたより好き」なんてこと四月一日なら言っていい?


「核爆弾爆破させる」と怒鳴りあげ無視される中 ....
嬉々として弁慶濠に投げ飛ばす旧い名刺が桜と踊る


抗争を重ねた二人降格し悲喜こもごもの異動の通知


「後任はこの人です」とメール打つ手が笑い出す
ドウトデモナレ
金勘定知らぬお江戸の花魁も今は諭吉をヒィフゥミィヨ


事終わり寄り添って寝る遊び女と中指だけでコトバを交わす


初めての客となりぬる誉れとて三月も経てば「えー、いつ来たっけ?」

 ....
花見とは心浮立つものなれば憂いはゴミに出してから行け


弁当のウインナーの上花びらがのるを喜び頬張る幼児

初恋は染井吉野の下でキス
オトナは八重桜の下でキス
満月に映える団地の鉄格子 その荘厳さバスティーユにも似て


百幾の魂を吸う土の上 色鮮やかに夜桜ぞ咲く


息子散る場所に両親夜毎来て手向けるコーヒー
湯気立ち上る
ガラス割るホームラン打ち「すみません!」泣く坊主君見てピンクの花咲く


夢に見た少女にも一度会いたいと願う心に青い花咲く


無能呼ばわりは気にせず勤むべし やがてその手に黄金(こがね) ....
メイクにケチつけるあいつを殴るため婚約指輪はめ直すのよ


剥ぎ取った「あたしの分身」付け爪をくれた遊女よ幸せであれ


いつだって死ねるもんねと青酸を首にぶら下げ はや五年経つ


 ....
車輪なる我が頭上をば往復す上司と派遣の相聞メール


昼間には部下突き上げる上司殿 定時過ぎれば派遣突き上げ


目配せを交わすしぐさがうるさくてPCの上カレンダー置く


「お先に ....
縁側で三味線弾けば寄ってくる雄猫一匹二匹三匹…

場末のバー 流しがアコルディオンで弾く小唄にうずく恋の古傷

億円の名器なれども叶うまじ 竿のはげたるビオロの美音

十五夜の月の明かりに ....
合鍵は人から人の手の中で 愛と別れのカノン奏でる

わが指にかき乱されて鳴く猫のその声可愛いや 舌もてふさぐ

ねぇしようしようと夜毎ささやかれ 花を開きし罪におののく

ラブラブのムード ....
御自慢の新車のサイドシートをば独り占めする春の日だまり

誰知らぬ間に思い出を持ち去りて消えたし
春の風のごとくに

春立つ日
去り行く冬に置いていくもの並べたら
カラになる我

丸 ....
放課後になめたあの子の笛の味思い出させる
食堂のカレー


雪合戦
逃げるあの子の盾となり冷水滴る色男かな


「待っててね」げた箱の手紙持って行った校舎の裏で
ひとり凍える

 ....
愛なんていらない
あなたの睡眠薬もっとちょうだい
トリップしたいの


人でなし
顔も見たくない
ちょっと何?
肩押さえないで

そこでキスする!?


ニホンノコト
カ ....
桜咲く
恋のいろはを知らぬ子ら おずおずキスする様を見守り

桜咲く
乙女の証破られし女の恨み籠る血吸いて

桜咲く
見果てぬ地にていくさする恋人待つ身いつか変じて

桜咲く
学び ....
何を指して倫ならずと呼ぶのやら 今はあなたの乳吸うばかり

ラブホ出て逆方向に去るふたり 振り向く男 振り向かぬ女

男などいらぬと笑うプリマドンナ 今日も酒場でディーヴァをくどく

飲み ....
紅林(61)
タイトル カテゴリ Point 日付
あるミュージシャンへのオマージュ短歌108/4/16 18:02
サクラ短歌208/4/15 17:24
風邪を引く短歌208/4/14 21:06
遊郭点景短歌008/4/13 22:46
実家にて短歌308/4/13 4:10
酔った勢いで詠むとこんなん出来ました短歌0*08/4/11 23:55
それでも朝はやってくる短歌2*08/4/10 13:06
走る短歌1*08/4/9 23:57
追悼する気のない追悼歌短歌1*08/4/8 23:25
短歌308/4/7 22:35
舞台短歌3*08/4/6 22:48
拾い物短歌3*08/4/5 22:34
キス・キス・キス短歌308/4/4 19:38
きおく短歌008/4/3 23:57
初恋短歌208/4/2 23:44
四月馬鹿短歌108/4/1 21:40
異動短歌108/3/31 21:52
吉原カノン短歌108/3/30 15:08
桜満開短歌108/3/29 12:28
高島平いんそむにあ短歌208/3/28 5:36
花咲く時短歌2*08/3/27 0:13
アクセサリ短歌008/3/26 6:40
社内恋愛短歌008/3/25 19:19
楽器幻想短歌008/3/24 23:40
rooms短歌208/3/23 23:58
春断章短歌008/3/22 23:34
あの頃ぼくらはアホでした短歌4*08/3/21 7:21
かいわ・せりふ短歌008/3/20 11:11
桜咲く短歌1*08/3/19 6:59
夜歩く短歌6*08/3/18 6:46

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