それは「ラ・カンパネラ」だった
かきたてるような狂おしい響きに
幼い日に聴いた 胸の震えが蘇える
あのクリスタルの針が
ふれあうような高音が
ころがるように鳴り響く

軽やかに跳ねまわる ....
あなたの心に潜む ティンカーベル

キラキラと 甘い言葉をまき散らし

自由に飛びまわる


気まぐれティンカーベル

目を離した隙に おとぎの国に隠れてしまう


わがままテ ....
熟して溶けた果実のような

あなたの心の滴りは

何をも変える才知の媚薬

甘い一滴 舌先で

受けたとたんに

遠い彼方の記憶の底へ

解き放された魂は

螺旋を描き
 ....
何が起きたのかわからなかった
地鳴りと轟音とともに
その瞬間
すべてを失った
激しく燃えさかる炎と
黒煙の中
太陽は赤く揺らいだ


衝撃と
悲しみと
脱力感の中に
いた
茫 ....
極彩色の数珠の{ルビ許=もと}

魍魎たちは

虚無に{ルビ抱=いだ}かれ静かにねむる


混濁した闇のカオスは

連なる数珠の結界を

破ることなくおし黙る

救われたくは ....
どんよりとした午後
気だるくジャズを聴きながら
ふと コーヒー・ミル引く手を休めると
ポツポツと出窓を鳴らして合図する
気まぐれな訪問者がやってくる

いつのまにか
部屋にながれるジャム ....
スパンコール散りばめたような
ビロードの夜

見上げればぽっかり浮かぶ
上弦の月


こんな夜は
お月さま たて琴にして
静かな森の湖に
音色をそっとながしましょう

銀の小舟 ....
うすいピンクが

おぼろに煙る

満開を恥らう

伏し目がちな花びらに

やさしい朝霧は

そっと

オパール色のしずくを飾る


憂鬱な顔をして

雨雲が

空 ....
唇にルージュを引き

仕上げは濡れ濡れのグロスで

パフュームはPOISON

蕩けそうな目眩い誘って


いつも通うラウンジ・バーは

今夜も密会の花園で

あちこちで手折 ....
息をひそめてじっと待つ

秘密の on line

待たされる時の流れが

狂おしく

逢える瞬間のときめきが

もどかしく

震える手で そっと あなたの心に

触れてみ ....
祭壇の上にぽつり と一つ

甘い香りをただよわせ

みずみずしさを内に秘め

ひっそり 凛然と たたずむ


濃厚な蜜をたっぷりと細胞にふくみ

ふっくりと艶やかな曲線で

 ....
ベッドサイドの淡いスタンドの灯りが
ほの暗い部屋の一角を照らしだしている
窓から見下ろす都会の夜景は
今の私には冷たいほど綺麗に
無表情な横顔で輝いている

独りには慣れているはずなのに
 ....
安易に手に入らないものなのに
ぽろぽろとたやすく綴られていく


       夢
  恋・・・

心地良い響き
唱えると口の中で
泡雪のようにとけていく
まるで言葉の砂糖菓子
 ....
キラキラ輝くパステル色の金米糖

小さな羽を羽ばたかせ

あなたの妖精がはこんでくる


甘い砂糖菓子ひと粒

そっと口に含めば

夢の世界の扉がひらく


噛まないで
 ....
蝶もサナギがら産まれでる時

勇気と幾ばくかの痛みはともなうのではないだろうか



かたい殻の中で内から突きあげてくる衝動に身悶えながら

必死に闇の中で蠢く

満身の力をこめて ....
さっきからわけもなく
ティースプーンで
カップの中をかき混ぜてしまう
テーブルをはさんで
向き合うアナタの輪郭がぼやける

沈黙が岩のように押さえつけるから
うつむくしかなくて
あざ笑 ....
地の底の歌を聴き

暗がりの言葉をまさぐり

ざわめく井戸端をなぎたおし

しどけなく横たわる

絹のストールをひき裂き

ヒリヒリといら立つ

昨日を脱ぎすて

ゆがんだ ....
ああ
また
自分の吐いた
言の葉が
イビツなかたちで
とんでいった

やっぱり
そうだ
着地点をまちがえて
グシャッとつぶれ
ピシャッとわたしにはねかえる

てんてんと
ま ....
無意識の深淵にひそむ邪鬼たちは
まどろむ私を
五次元の奈落へと
密かに誘う

封印を解かれた
亡者の魂は
生ある息吹をもとめて
閉ざされた扉から
怒涛となってあふれ出る

彼らの ....
まくら元のケータイ
今夜こそ「MY SWEET DARIN」
聴きなれた着メロの乾いた電子音
鳴り響いてくれるかと待ちながら
いつしか浅い眠りに落ちていく

やるせないTELEPHONE  ....
憂鬱の影に抱かれた夜は
書物の森へ逃げこもう

迷路のような小道をぬけ
めぐる
めぐる
虚構のトラップ

そっと頬に触れたのは
アリスが捨てた三月うさぎ
逃避の小部屋のカギを開け
 ....
ゆるゆると満ちてくる赤
だんだんせり上がってくるリズム
貝がらの渦のような目眩
たゆたう蝶がまき散らす
媚薬のきらめき

目をとじて
心臓 打つ音よりも早く
先端 行きついたら
突き ....
カタクて アオクて ニガイ時期

紺色のヨロイを脱ぎすてると

だんだんと萌え出るやわらかい息吹き

開け放たれた扉から

しなやかに たおやかに ゆっくりと

きざはし登る

 ....
アウトサイダーな空間を
ひょいとのぞいたことから
サーバーを介するつながりをもつことになった

実際より10才も若く
ふるまうカノジョは
サザンが好きなかわいく淋しい女性だった

年齢 ....
渡 ひろこ(144)
タイトル カテゴリ Point 日付
フジコ・へミング自由詩8*07/4/17 20:16
ティンカーベル自由詩4*07/4/10 23:26
メビウスの滴り自由詩4*07/4/2 0:46
無情の大地へ自由詩5*07/3/31 0:50
亡者の夢(一枚のシュールな絵から)自由詩4*07/3/27 23:59
雨だれシンコペーション自由詩9*07/3/25 2:15
月のたて琴自由詩10*07/3/23 0:50
春の雨自由詩7*07/3/20 19:32
椎名林檎の気分で自由詩6*07/3/16 0:46
blind love自由詩4*07/3/14 1:03
白桃夢自由詩8*07/3/8 21:00
追憶自由詩6*07/3/5 14:45
言の葉菓子(コトノハ・スウィーツ)自由詩4*07/3/5 0:25
フェアリー・アフェア自由詩3*07/3/3 1:24
butterfly ecstasy自由詩6*07/3/2 0:35
かくはん(確犯)自由詩8*07/2/26 23:51
ストレス・フリー自由詩3*07/2/26 0:47
リセット自由詩5*07/2/25 2:08
絵画の向こう側自由詩4*07/2/25 0:27
無表情な朝自由詩4*07/2/23 18:47
書物の森のラビリンス自由詩4*07/2/23 0:23
月夜の幻影自由詩5*07/2/21 23:32
卒業自由詩8*07/2/21 16:14
メル友HOLIC自由詩6*07/2/17 1:26

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