沈黙か饒舌と言ったら
明らかに
君の前では饒舌を駆使している

まあ 知ってはいるんだけど
ここまで生きていれば
それなりに 場数は踏んできたから
思うようにいかないもどかしさは
自分 ....
いらないと
言い渡されてしまったのだから
好きなように生きるしかないだろう

誰の手も掴まない
誰の肩にも寄り掛からない

終焉までの道程は
既に立案済みで
多少の誤差やぶれの予測値 ....
昼間吐き出した言葉が
口腔にわだかまって
何時もよりも
唇が重たい夜は
眠れない

まばたきが呼び水のように
なっているようで
目を閉じるたびに
一粒ずつ言葉がこぼれて

ぱたり ....
相場は

笑いだ

上を向けば染みとおるような青が
涙を誘う

けれども



白旗は 

まだ上げられない
おみくじの凶とか
占いのワーストとか
軽んじる君は

向かい風など
もろともせず

両足で立ち
見定めた方向に
確実に
向かっていく

君の強さは
有りたいと願った
希望 ....
夏の初め
曇り空の海に浸かり
上向きに浮かぶ視線は
隠れている
太陽を探すばかり

くるりと反転して
水面を押して
飛び立って行くであろう翼を
もぎ取る勇気もなくて
黒い染みを広げ ....
上手く隠したつもりだったのに
見透かされていたと気付いたときの
戸惑いといったら
恥ずかしさで掘った穴にめり込むほどだ

浮かれてハイテンションな足取りで
酔い潰れる寸前のように
誰の言 ....
皮膚から剥がれ落ちた
憎悪は
砂塵となって
棘に積もる

誰かが誘う
その胸にこの身体を
いだきたいと

造作の整った
左右対称の顔も
抱え込んだ臓物が
はみだして
引き摺ら ....
ぽとぽと
あめだま
おとしたのだあれ

ころころ
あしあと
あなにおっこちた

ぐらぐら
かんせつ
はずれないように

ぺたぺた
のりしろ
はがれないように
わたしが
何も話さない事を
見破ると
あなたは
去って行きました

入れてと
言えなかった一言を
笑顔で
打てなかった相槌を
わたしも
少なからず
持っています

だから
 ....
棚引く雲が
鐘の音とともに
宵闇に溶け
片流れのひさしの影に
桔梗一輪
慕うは天に
焦がれるは月に
裂けた花弁
やがては朽ちて
晒す姿が見窄らしくとも
募る想いは重なりゆく

 ....
ささくれた指先
押し当てた唇から
滲むのは
深まった傷の痛みと
濡れた痺れ

説明書の
但し書きには
何の注意も
されていなかったから
僕には
僕の考えの及ぶ範囲
でしか
走 ....
目を閉じて願うものは
まぶたの裏側で
こぼれ去ってしまうから
君に触れて
言葉にして
後悔と一緒だとしても
確かに刻んでおきたいんだ

さざ波のように
押し寄せる気持ちの前で

 ....
鳥籠の空洞
闇雲に掴む
扉の把手
開け放つ
昨日の私
不調和の貴方

贄として
供物として
間引きを隠し
明日も知らされず
泣く意味も語られず

盈月を括りて
捧げるのは
 ....
ソファの上に置き去りにされた
ぼたんの取れてしまった上着や
引っ掛けて裾の綻びたスカート

そうだよね
いつの間にか繕われて
綺麗に洗って畳んであるなんて
そんなこと
あるわけない
 ....
群れを成し
一点を見定め
乱れぬ様は
予め組み込まれた
仕掛けのように

波紋がやがて
飲み込まれ
波間の一部となり
消えゆくように

石瀬に映る影が
揺れながら
あとを追う ....
風に流されて
落ちた日が
山の端に滲む
飛来した鳥の羽根に
しがみつき
僅かなぬくもりは
山へと堕ちる

眩しすぎる季節が
駆け足で追い立てるから
花たちは散り急ぎ
やがて
萌 ....
きみが
卵をたべたいと
いうから

だから
ぼくは

三匹ならんだ
かえるのひみつを
はなしたんだ

なのに
きみときたら

ながいはなしの
あとに

ひとこと

 ....
口に含んだあめ玉色の
建物や生き物が
こちらへおいでと
手招きをして誘うから
さぞ 甘い夢を
見られるのだろうと
振り返りもせず
あの子は
駆けていってしまった

あざやかに
裾 ....
めだまやきよりも
おおきいの


あなたは
首を傾げながら
尋ねるから

うさぎは
卵からは
産まれないのよ


わたしは
手に取った雪を
固めながら
呟いた

 ....
届けられた手紙には
何と記されていたのだろう
やわらかく細い筆で
控えめに書かれた宛名が
真っ白い封筒に浮き立つ

切られた封の中から
かさかさと
枯れ葉を取り出すような
仕草で広げ ....
開けた扉から洩れた
明るい光と暖かな風
重なり合う笑い声に縋ろうと
手を伸ばしてはみたけれど
扉は再び閉ざされた

戻らなくてはならない
約束の時間だ
あてがわれた場所は
ここではな ....
そこには廂のない
木々を見下ろすような
建物ばかりが並ぶから
欠けない月は
皮膚の下
脈打つ鼓動までも
見通す

懐で熱を吸い上げる
母から貰った
裁ち鋏は
銀色の筋をつけながら ....
袋小路を引き返しては
つまらぬ後悔ばかりを
噛み締める

たぶん
思い描くように
聡明でもなく
敏感でもなく
宛われたまま
哀れむほどに
愚かな存在なのだ

饒舌なほど
青さ ....
君の口から
当たり前のように
吐き出された言葉に
悔しさが込み上げ

何でもないことのように
かわした自身の言葉に
ひどく
衝撃を受ける

あの頃

言葉はどんなにか困難で
 ....
すり切れた半纏の
紅い襟が
小刻みに揺れる

うずくまった
女の子どもは
電気を消した台所で
嗚咽を噛み殺す
母の背中に似ている
頑張らないでいいよって、
自分らしく、
無理をしないで出来ることをしたらいいって、
何時しか耳障りの良い、
都合の良い言葉だけが周りに溢れかえった。

でもそれは、
私の想いを、
私の ....
紅葉の気配が深くなった
山の端も入れず
ただ 高くなる青の中に
馴染めないこの身の
煩わしさを
どのようにして
拭えばいいのだろうか

右端から赤とんぼ
群れをなし
やがて青に融け ....
たぶん
あの時も天上に輝く月は
満月だったんじゃないかな

右目だけで見上げる月は
どうにも薄ぼんやりしていて
焦点が定まらなくて
酩酊感で気持ちが悪くなる

背中にまわした腕が
 ....
ちょっとだけなんて
そんな大それた嘘は言わないから
このままずっと寝かせておいて

気休めや脅かしの言葉なんて
幾つも通り過ぎていったから
今更 届くなんてことはないでしょう

掴まれ ....
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