トンビが、空の深いところで回っている。
 
仰向けで、それを眺めている。
 
今、僕は死ぬところだ。
 
 
 
トンビが、空の深いところで回っている。
 
-無音。
 
静か ....
自分に一体何が出来ると云うのだろう?

夏の青空、積乱雲を見上げて思う。

自分に一体何が出来ると云うのだろう?

真夏日の熱風に晒されて思う。

出来ることと言えば、そうね ....
詩の一言は、ウイスキーの一滴で
 
一片の詩は、ウイスキーのショットで。
 
ウイスキーとカウンターで向き合うと
 
ウイスキーは語り始める。
 
暫く、それに耳を傾け、うんうんと相槌 ....
雨がふるふる、雨が降る。
 
サラサラ、さらさら降り注ぐ。
 
群生する花々も濡れている。
 
窓ガラスも、カウンターのグラスも濡れている。
 
そんな日のウイスキーはオーバンで。
 ....
健やかな時ばかりじゃないさ。
 
雨の月曜日だってあるさ。
 
デートを断られる週末だってあるさ。
 
独りでつまんない時だってあるさ。
 
病に臥せる日もあるさ。
 ....
約束が降り積もって行く。
 
日々の喧騒に埋もれて行く。
 
古くなった約束が堆積していく。
 
そしてやがて見えなくなる。
 
「近々」は「そのうち」になり
   ....
川っぺりの、橋の袂の
 
新緑の木下で、ちょっと一息。
 
川の上には、同じ色の風が流れてて
 
木漏れ陽が流されていく。
 
青空が青くない。
 
けど、清々 ....
夜へと漕ぎ出す小さなボートに
 
キミとふたり。
 
ウイスキーの波に揺られて、揺られて
 
キミとふたり。
 
闇夜の空は真っ暗闇で
 
星一つありゃしない。
 
同じく海も ....
ボトルの中で、夜が揺れている。
 
月が千切れて浮いている。
 
街灯も同じく千切れてて、
 
河口で静かに唄ってる。
 
ボトルの中で、夜が揺れている。
 
微かに潮の香りがして ....
迷彩柄の夕焼け空です。
 
グレーと朱色と紫の。
 
迷彩柄の夕焼け空と
 
焼け焦げた炭の様な街並みとに
 
挟まれそうになりながら
 
居並ぶ街灯に導かれるまま
 
男は駆 ....
空を見上げる。
 
留まる鱗雲に、ふと時の流れを忘れる。
 
風の櫛が髪をすく。
 
目をつぶって風の匂いを嗅ぐ。
 
夏が近づいている。
 
あの夏を思い出してみる。
 ....
二本の平行棒の前に立つ。
 
足を少々引きずりながら、ゆっくりと進む。
 
二本の平行棒は、滑走路だった。
 
まばゆい朝日に照らされた滑走路だった。
 
朝露が散りばめられて、誘導灯 ....
窓ガラスに映り込む室内灯
 
それは空に浮かんだ飛空艇。
 
雲はゆるゆるゆっくり流れ
 
飛空挺は勇壮に泳いでる。
 
 
 
ああ、俺もその飛空挺に乗せておくれよ。
 
あ ....
キミのハナウタを聞く
 
 石鹸の香りがする
 
キミの手料理を食べ
 
 何気ないことをしゃべり
 
キミの笑顔に癒やされる。
 


あって当たり前のことだけど
  ....
 
 
暗がりの街に、雪がちらついていた。
 
凍りつく大気、その向こうに雲
 
際は銀色に縁どられて
 
放射される天使の梯子
 
電線が揺れて、僕らはマリオネット
 ....
八重咲き桜の、白き花弁にさす紅の
 
艶めかしさにさす光。
 
光の粒に時は凪ぎ、深い記憶の谷間には
 
清流となった夢が飛沫を飛ばす。
 
さしかかった旅人は、一瞬己の旅人たるを ....
時の流れに身を置くことは、
 
延々と続いていく筒の中を
 
匍匐前進で進むことに似ている。
 
 
 
 
狭くて、振り返ることなんか出来なくて、
 
前に進むこ ....
キミの笑顔が見れた日は、

見上げた空が曇っていても、降り注ぐ無数の滴が

宝石のように弾けるのを見て

街全体が、打楽器のようにリズムを奏で

耳を澄ませば、そこにもJAZZが流れて ....
 
 
人が何かを信じるときは
 
その根拠を探して、探して
 
そうして見つけたその根拠こそが
 
その総てだと思う。
 
いや・・・思うというよりは、思いたいものだから ....
長い 長い 坂の上には
 
青い 青い 春の空があった。
 
坂の上の様子は見えないけれど
 
それまで切らしていた呼吸の事も忘れて
 
最後の数段を登りきる。
 
 
 ....
パブミラーみたいな青空に
 
幾条もの電線が、擦り傷のように付いている。
 
パブミラーみたいな青空に
 
並ぶボトルのようにビルが立っている。
 
電柱がバースプーンのように世界 ....
レンゲ畑に雨が降る。
 
レンゲ畑に雨が降る。
 
背後の山は、雲に溶け
 
アブサンみたいに乳化する。
 
レンゲ畑に雨が降る。
 
レンゲ畑は誰もいない。
 
誰 ....
この両の脚が踏みしめるここがどこで
 
その先が何処に向かい、何処を目指してるのかを
 
完全に理解出来ている冒険者は、
 
一体どれだけいるだろう?
 
 
 
毎日が一生 ....
ねぇ、知ってた?

あの、蒼い、碧い、

青い海はね

たくさんの、たくさんの

みんなの流した 涙でできてんだよ。



涙って言ってもね

たくさんの、たくさんの

 ....
バーカウンターで一人呑んでいると

ひとつ空席を挟んで 右隣のサラリーマン風の男が言った。



「どうせ俺は会社の、一つの歯車に過ぎないからさ」と。



おいおい、冗談じゃない ....
狂った世界に 独り。



誰もいないのだと この数年思って

生きてきたのだけれども

調子の悪いラヂオから

「 ・・だ・・か・・ いま・・・・か・・ 」

と音声のような ....
鍋に水を張り 火をかける。

沸騰するまでの間に とりあえず死んでみる。



グログロと煮立った鍋に 指を一本

千切って 落とし 再び1時間。



その間にリビングのTV ....
つまらぬものを つまらぬと言うのは

つまらぬ。



つまらぬものと 向き合ってみて

よくよく観察などしてみて

人から見れば つまらぬ遊びを

見つけることができれば い ....
失恋は、華だ。

なにより色恋には、夢がある。

だから失恋は、より多い方が良かろう。

恋愛は、叶ってしまえば・・・ね。



希望は、雪だ。

持ち続けるからこそ、吹き晒さ ....
6月

明日には台風がやってくるという夕暮れ

空は壮大なるオーケストラを響かせ

そこに波乱万丈のオペラ劇が展開された。



夕闇の町並みは、息をのむ観客のように空に釘付け
 ....
元親 ミッド(114)
タイトル カテゴリ Point 日付
空の深いところで自由詩316/11/5 4:23
飯を食い、寝て、そして。自由詩2*16/7/9 0:38
僕はそれをじっと聞く。自由詩116/6/25 20:44
雨がふるふる。自由詩216/6/25 20:29
生きてさえいれば 自由詩216/6/10 20:16
約束が降り積もって行く。自由詩116/6/9 20:32
祈りよ、飛んでゆけ。自由詩116/6/9 20:30
ウイスキーの海で。自由詩216/6/9 7:33
ボトルの中で。自由詩216/6/8 1:52
迷彩柄。自由詩016/6/4 12:38
消えていった詩を思う。自由詩416/4/28 19:27
滑走路自由詩116/3/28 14:45
飛空挺自由詩016/3/22 2:27
当たり前に出来ること自由詩115/11/24 1:38
「世界に満ち溢れるもの」自由詩515/6/11 1:19
グレンリベットが云う自由詩115/6/11 1:16
筒の中自由詩115/6/11 1:15
JAZZが流れていたりした。自由詩315/6/9 22:47
***** 祈り *****自由詩3*15/6/9 22:40
長い 長い 坂の上には。自由詩215/6/9 22:35
パブミラーみたいな青空に自由詩115/6/8 22:25
レンゲ畑に雨が降る。自由詩015/6/8 22:24
冒険者自由詩1*15/6/8 22:22
海の名残。自由詩313/7/30 22:56
歯車とコレクター。自由詩1013/6/12 23:10
狂った世界に 独りの男。自由詩113/6/12 21:23
空焚きの鍋.自由詩313/6/12 21:01
己でつくれ。自由詩413/6/11 21:25
最後の深呼吸。自由詩313/6/11 21:08
空梅雨に台風。自由詩113/6/11 20:44

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