それはそう遠くはない過去
殻の外で聞こえた 声とは言えない音
音でもなく上質な雑音 曇りガラスの超音波
出来損ないのコウモリ 例えば
子守唄
....
この世は年寄りに厳しいのだと
言うのです
確かに
熟れ過ぎたトマトをなんとかポジティブにさせようと
引きつった笑いを浮かべているサラリーマンや
理想高く積み上がっているアイス ....
空間と空間の境目は見えないものでして
本当はいくつもの立方体によって作られているであろう
この空間も
1つの大きな立方体として展開されていくのでございます
そのいくつもの立方体も いくつも ....
俺は兎を探している。
寝坊したので言い訳を考えながら道を歩いた
今頃はたぶん3校時目の途中だろう
肩かけ鞄の中で筆箱がガタゴト、ガタゴトと
何かが足に触れ
振り向くと ....
「王様の耳はロバの耳!」
穴に叫ぶ青年の人形の後ろにある青空は偽物なのだが
良く出来ていて青空を一枚剥がせば
愛を誓う少女が1人に黒豹の紳士が1匹
その後ろの窓からは
愛のキュー ....
彼女が叫びました
いいえ 彼女ではありません
彼です
この世界で性別など無意味なモノです
彼女はそんな世界で生まれ 育ってきたのです
そして何かに怯え叫びました
怯えなど存在し ....
目を覚ませば夏だろうか
道路で目玉焼きを必死に焼く 夢を見た
ヒリヒリする
多分足の擦り傷だ まだ治ってない
俺がペタリと座り込んでいる道路には人も車も全く来ない
そこだけ静 ....
黒板にハチミツを垂らし
甘ったるい と
自嘲ぎみにフフフッと鳴いた
浮かれっぱなしの蛍光ピンク
深緑の俺の椅子はドタッと弾かれ
哀れな姿
「愛を!!」と叫ぶシェイクスピアを
蛍光 ....
ちょっと待った携帯が鳴き始めた
よし
わからないのなら小指を見つめな
優しい小指ちゃんはこう言うぜ
「置き忘れた。」
何を
何処に
何故
傘を(蒼い)
喫茶店に(古い ....
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