迷い犬はどこへ行く
都会の隅の雑踏で
蠢く影を身に潜め
声なく空気を震わせて
迷い犬はどこへ行く
春の終わりの夜の夢
風に手紙を運ばせて
木のドアを軽くノックして
迷い犬が夜を行く
 ....
月が蒼白く空を照らすころ
誰かの遠吠えが街にこだまする

悲しみのかけらを風に乗せて、
残響をひびわれた壁にぶつけながら
届く当てのない空気の振動となって
コンクリートに吸い込まれていく
 ....
喉が枯れてしまった時の水のように
あなたが私の心に触れていくとき
きっと感謝の香りが私の手のひらから流れ出すだろう。

言葉に潤いを持てなくとも
顔が砂漠のように干からびてしまっていても
 ....
乾燥した指先が触るピリリとした氷の感触に
僕の神経はわずかに震えを見せる

3本の指先がオレンジを少し溶かして、
口腔内にアイスキャンディボールを押しこんだ

カランコロンと脳の遠くで鳴り ....
空気が粘土のように冷たくなり、
小鳥のように夜のはじまりを告げる。

葬式を祝福するように、夜の人々は
近い未来の道を歩きながら、
ここには戻らない決意を顔に見せ始める。

時計の針を逆 ....
氷の塊となった麦茶を
24度の室内でゆっくりと溶かしていく。

一滴一滴の水滴が、
麦茶の表面を伝わり落ちて、
冷たい水の姿に戻っていく。

一つの滴が氷を伝うたびに
静かな部屋の中で ....
Yuuki(6)
タイトル カテゴリ Point 日付
迷い犬自由詩114/3/21 2:55
遠吠え自由詩213/4/4 0:25
残したいもの自由詩112/11/5 23:01
冬に食べるアイスキャンディボール自由詩012/2/14 1:27
夜のはじまり自由詩311/9/28 22:45
凍った麦茶自由詩111/9/25 18:20

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