どこに棲んで どんな名前でいようと
あなたとわたしのはずが
どこに棲んで どんな名前を選ぶかで
壊れそうになる

あなたとわたしが鳥ならば  
仲良く小枝で巣を作り 
もしもふたりが ....
台所の流しの前に突っ立ってひとり
母が黙々と八朔を食べている 
手際よくむかれては口に運ばれる寸前を
遠慮なく横取りした 娘だった頃

母の顔はおいしそうでもうれしそうでもなかった
自 ....
青い服でとなりにいるけれど
距離は大きい
知らない人みたいなフリで
話さないでよ

お酒を飲むわ 昼間から

早くケリを付けたい

あなたが夫だとして
私は妻かしら?

「いっ ....
あなたの望む解放を
どうやってあなたに手渡そう
形のない贈り物を 届けるのに
言葉は必要ですか?

言葉ですら 音ですらないものを
ふたりが共有できたら
何にも頼れず生きてゆける?

 ....
町外れの自転車置き場で働くじいさんの
親指をなくした手が あの日人類を救ったように
謎のツールを操るその手が 近く世界の危機に歯止めをかける
もう待ってはいられなので
行動をおこす
ドツボにはまる
ぬけなくなる

もう待ってはいられないので
あきらめる
そう簡単には
手放せない

もう限界も近くなって
かきむしる
切 ....
枯れ蜻蛉の体は青かった
貝の内側ように鋭く光る腹
砂漠を行く風は 美しい彫刻をつくった後
その青みでひと休みした
もっと小さな虫たちは その鮮烈に心を手に入れた
今はもうどこにも 
ひ ....
どこにいても 何をしていても
ゆるがないものを持って 

「根っこが生えるような家をつくりたいのです」
と、僕は大工さんにお願いするのです

いつでもどこへでも旅立てるようなものしか
置 ....
もうすこししたらあなたがやってくる
小さな袋にいいもの持って
私は黄色の花びらを お皿に浮かべて待ってるわ
それから一緒に土の中 虫かごもって出かけるの
何千メートルおりたところに 静かに雪が ....
気持ちいいのだけつなぎ合わせて完成の途中の完成を収めた 音

1.宙に漂ううちに覚えた一番最初からあった子守唄
2.そこへ還るための入り口
3.ヒトデ、珊瑚その他深海生物の日常会話
4. ....
おまえがなけりゃ ああこんなにも哀しい日々 
ぽっかりと穴のあいた虚しさよ
おまえがなけりゃ人生は こんなにも 
ゆたかになるはずがなかったのさ
歓びの朝も 愉しい午後も
夜には星のささや ....
音がすべてを解決する
悪く映るものも、善く映るものも
すべてを自由に導く
自由ははじめからここにあった
耳のない人が 注意深く澄ませると
波ははじめからここにあった
顕微鏡で見るような細胞 ....
たべものであり、くすりであり
ははであり、こころ
なかでねむると あたたまる
つまらないことをしては 美しさを忘れ
また置き去りにしている 奇跡のとき
どこまでも追いつけない 船にふたりは
のっているのか それとも ひとり小舟で
沖にゆれる 鐘の音も届かない 隔たり
 ....
とろりす(14)
タイトル カテゴリ Point 日付
自由詩212/3/6 0:01
八朔自由詩812/2/22 0:00
ごっこ自由詩111/10/11 19:16
ゆるぎない自由詩111/7/24 1:55
救世主自由詩011/7/17 0:32
七夕自由詩011/7/7 22:29
枯れ蜻蛉のはなし自由詩311/7/1 14:00
自由詩211/6/19 12:54
帰宅自由詩011/6/16 2:18
曲名自由詩211/6/13 2:01
珈琲讃歌自由詩511/6/10 13:54
自由詩111/6/6 17:12
それは自由詩011/6/4 21:16
_自由詩211/6/3 15:23

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