彼女の詩を読んで
しばらくしてから
背筋が冷たくなった

詩のせいなのか
ほかの理由なのか
わからないでいる

感動とか
反射的なもの
じゃないのか?

詩のせいじゃないのか
 ....
モスグリーンの空
淡いピンク色の雲から
紅白ストライプ
包み紙にくるまった
パイナポーキャンディー
降ってきた

僕はタイヤを
パイナポーの輪切りに替え
シースルーカーで
ドライブ ....
夜に咲くひまわり
いつも
月に合わせて
首を振っていた

物足りない
思いを抱きながら

太陽を
あの明るい
太陽の光を
もう一度
顔いっぱいに
浴びたい

ある夜
止 ....
しんしんと
降る夏の雪

僕は外套を脱ぎ
マフラーを外し

蝉は鳴かない

音をなくす者の
白い昼に降りた

蚊は飛ばない

四肢を振り
流れるツタ

煉瓦のような
 ....
おむつを替えるのも
今晩はこれが最後
しんどかったけど
今日も一人で
なんとかやり遂げた

昭和ひとケタ世代の
あのちっちゃくて
可愛いおばあちゃま

ラストだ

部屋にはボ ....
不安の数だけポプラの葉
空を隠し蠢動する

拒絶
あっちへ行けと
こっちへ来るなと
拒絶

俺はお前の
スカアトに隠れている
のに

パンティからの
白く割れた光
俺の背中の生霊は
眼が合ったと因縁をつけ
そのまま俺に取り憑いた
男子学生だ

あれから肩が重いし
口もちゃんと開かない
吐き気もする

妖怪高校の職員室
俺は怒鳴り込んだ
教師 ....
俺の子供でも
おかしくない
若い男が
いきなり
「俺はお前の慣れの果てだ。」
と言ってきた

若い男は
公園のソファに横になると
「こっちに来い。」
と手招きした

野ざらしの ....
空の味がなくなってきたので
バラの香りのする
菊の葉っぱに包んで
ポイ捨てした
どこに
あれだよ
病院の窓から見える
あれだよ
日暮れ時
蜜を求めて飛ぶアゲハが
自殺した美しい女達の
芙蓉のような人魂に迷い
燃えて無くなってしまった

いかに美しくても
幸せになれなかった
業深き女達の
貧しい平等

鱗粉 ....
呼吸をするたびに
口から蛍を放つ

今年もまた
忙しくなってきた

子供のころ
蛍狩りに行って
飛んでいる奴らを
割りばしで
捕まえては食べていた
その
バチなのだろう

 ....
桜の花を消した緑の炎
丘の上で震える
5月
雲は海に溶けて
この青空にはない

良い匂いのする風

僕を動かしている
レモン
レモン
また一枚
シャツが脱がされていく
5 ....
星雲の強烈な光
片方の瞳孔に浴び
身もだえる俺
頭を押さえつけられ
逃げることができない

涙がとまらない

鼻腔に漂う
甘い乳の匂い
この人間拘束帯
実はオンナだ

お前は ....
指の動かないピアニストが
ピアノの前に座っている
聞こえる
聞こえる
彼女
宇宙の中の
沈黙になった
無音が聞こえる
弾ける
踊る
僕は
愛している
愛し続ける
ピアニストよ ....
俺のいのちが
下水を通って
どぶ川にダイブした

もともと軽いそれは
プカプカ
河口まで流れていった

突然無数の
鈍色のナイフに囲まれた
ボラの稚魚の群れだ

俺のいのちは
 ....
俺が出した命を
俺の犬が食っている
尻尾を振りながら

そんな汚いものでも
お前は喜んでくれるのか

俺はもう一度
ひねり出した

フガフガと鼻の周りを
命だらけにして
嬉々と ....
疑問があります

人間は本当に
サルから進化したのでしょうか

とても疑わしい

せめて現代のサルが
類人猿になるところを
目撃できたなら
納得も行くのですが

放っておいたら ....
アルツハイマーの魂が
何度も「部屋」から
抜け出してしまうので
管理者はとても困っていました

そこで
ベテランの僕に
彼女を「部屋」から出さないようにと
指示がありました

僕は ....
芝生の生い茂った
小高い丘のてっぺんに
池がありました

そのほとりに
風車のように
クルクルと回る
赤い花が咲いていました

その花を見ていた僕は
淋しくって
淋しくって
思 ....
修学旅行で長野の永平寺に行った
若い坊さんが
俺たちのホストだった

晩御飯を食う前に
「いただきます。」
て何をいただくか知ってるか
奴は得意げにそう言った

そんなネタ俺は知って ....
植物と昆虫では
どちらの命が軽いのだろうか

満開の桜の古木に
ガソリンをぶちまけて
チャッカマンで火をつけた
まさに炎舞
いい感じの地獄絵図だ

キッチンのフロアに
突然現れたゴ ....
チーズを食らうように
女を抱いた後
俺はなぜか
冷たい海にすむ
尖った魚じみて

触られたくなかった

愛があれば
離れたくないのならば
愛がないのだろう

深まりゆく秋
レ ....
よく当たるので評判
スクランブル交差点脇
宝くじセンター

鯨に食われる前の
鰯の群れの一匹のよう
僕はセンター目指し
交差点を渡っていた

「ビシー」

左肩に突然
ディープ ....
溶かした夜を流し込んで
ゆっくり固めた
冷たい道路

消えそうな
ヘッドライトだけを頼りに
僕は走り続ける

気づいてしまった

昼もまた夜で
光もまた闇だと

月も星も
 ....
秋の空の
その
一番遠い所で
蒼く揺れていた
あこがれ
片思い

好きだった
だけど
決して
口に出して言わなかった

そばにいるだけで
よかった
それで充分

会って ....
秋が来て
少し硬くなった
夜と言う果実

その表皮を
ゆっくり
ゆっくりと
冷えたナイフが
削り取っています

水のような風が
ダイアモンドの粒を
吹き上げながら
刃先へと運 ....
8憶光年離れた所から
昼寝中の僕の所へ
死んだ母親がやってきた

わざわざ
「もう、あなたのことを守れない。」

言いに来たのだ
天井に映る暗い顔

約束が違うな
思いつつ
 ....
溶鉱炉で白熱する
脳髄
掬い上げれば
途端に
灰色の唄が

始まる
始める

歯で噛む
歯応えの無い
灼熱
一オンスの光る肉

歯も溶けているし
口も無いから
大脳皮 ....
夜には確かに
黒い雪のような
質量がある

この部屋にも
だんだん
だんだんと
降り積もってくる

足元から
僕の座っている
ソファを
すっぽりと包み込み
上へ上へと

 ....
僕に対する
非難や敵意には
徹底的に反撃する
反射的に反撃する
躊躇はしない

プッチッ
とか
ピチッ
とか
切れてる以前に
反撃している

蛇とか
鰐とか
鮫とか
そ ....
ゴデル(30)
タイトル カテゴリ Point 日付
遅れて来た戦慄自由詩120/9/11 11:08
キャンディーレイン自由詩2*20/9/10 10:45
ひまわりと流れ星自由詩1*20/9/7 10:44
summer snow自由詩1*20/9/3 9:45
グループホーム自由詩2*19/7/19 18:30
ポプラ自由詩2*19/7/16 11:31
剝がし屋自由詩2*19/7/8 17:39
若い男自由詩1*19/6/28 18:36
お彼岸自由詩1*19/6/26 18:08
美人魂自由詩7*19/6/23 18:56
自由詩2*19/6/3 18:13
5月自由詩4*19/5/7 17:55
星雲自由詩1*19/4/26 15:35
眼で弾け自由詩1*19/3/19 18:32
海風自由詩4*19/1/9 16:12
自由詩6*18/12/24 14:51
素朴な自由詩3*18/12/4 17:52
部屋自由詩3*18/11/30 19:01
赤い花自由詩4*18/11/29 19:37
いただきますの永平寺自由詩5+*18/11/26 19:36
リスト自由詩2*18/11/25 19:34
チーズ自由詩3*18/11/20 17:19
歩く座禅自由詩3*18/11/6 18:33
ひとの道自由詩5*18/11/3 18:21
あこがれ自由詩6*18/10/30 18:43
夜 自由詩7*18/10/23 18:26
約束自由詩3*18/10/19 16:52
メルティーブレイン自由詩2*18/10/18 16:01
夜の質量自由詩1*18/10/15 18:38
切れるより速く自由詩1*18/10/10 19:10

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