平凡な服を着て、平凡な食器で食事をする、くつ下にいれる足もいたって真面目、
それらをおしこめておく革靴も、
どこにでもありそうなドアノブをまわし、いつものところに鍵を置いて、アパートのむかい、 ....
雨は ぴーちゃんに 変えるぴーちゃんは 水に
水は からだに
からだは 木陰に 変える


ぼくは わたしに 変える
わたしは あなたに
あなたは きみに
きみは sheに変え ....
空白にかえっていた
天使のことばが
一文字が
けむりがしみる、瞼を
とじると、裏側に
引っついていた
教会にいく日曜日に
父さんからくすねて
おいた煙草に火をつけた
「ぼくはあな ....
教会にいく日曜日まで
まだ何日間かあった朝に
ぼくはゆびさきにひとつ
ひとつ、あなたに纏わる
ことばをつけて
黒目の上にのせていた
瞼の裏側に一文字だけ
引っついて、痛がゆく
なっ ....
入道雲の浮かぶ
背丈ほどもある草むらの
風の抜けていく
ふかみどりに、時折
沈むようになった鉄条網
(U地区)と
わたしが、そう
呼びつづけた街の住人
たちが、みなで立てた
鉄の ....
夜な夜な
あなたが台所から
空のボウルを持ってきて
食卓に置いた
私を人差し指でさして
「空だ」と言う為に

白のテーブルクロスに
私を寝かせて
殴り始める
夜な夜な
ボウル ....
あなたはガラスの容器に
砂糖水、それと
ペニスのぼくをいれる
ぼくは肥大していく
蒲公英みたいに
いや、蒲公英だった

今日はバスタブに
ぼくを沈めた
あなたは
ぼくを導いてく ....
こっちにおいで
ミッフィーになりたいという女の子
夜な夜なふざけた指づかいで梟と遊んでいる
マナーを気にすることも
なくなった食堂に
開けたシャツのボタンをにぎって広島から流れてきたコンクリ ....
僕らは毎日、夕方に海の絵をかいて、すごしたりするけど、海の見えない町に
住んでいたりするから
このままの僕らで、かき続けたら、いつか、この海だって、線だけになってしまうとは思わないか?
くろがね ....
真っ白い、って


乾いた石で造られているベンチが一組、砂地の広場に置かれていた。
祝日の歩道と砂地との境目に、たましいが死んでおり、黒ずんでいる。
ゼラチン状の日差しが、座り込んだ膝を包ん ....
きうわおじいちやんと
いつしよにつりにいた
いぱいつれたのれ
よかた
たのしかた

きうわおかーさんとおねいちやんとしらないしとれ
らどんせんたーにいた
きもちよかた
またいくよ
 ....
ひだまりを一人占めしている僕が、また、おかしな事を言ったと、
お姉さんは、にっこり笑い、手元の林檎を持ち上げた。赤々と、滑らかそうな、肌の林檎を、包みきれない、女の手、はだの色
どこか他所では花見 ....
詩が歩いている
ビルとビルの隙間に
入っていく

詩が食べている
今日の定食という定食を店員の詩がテーブルに置いて

詩が転んでいる
ハイヒールを手繰り寄せて顔を見せないように

 ....
起きている時に
見る夢はきぼうなんて、
呼ばれていた、気が
しません、か?

暗がりに落ちて、

蜃気楼の町が
ホワイトビィラ102号室に上がり込んできて。
わたしを睨んだ。

 ....
体の大切な部分から
どんどん小さくなる
チャーリーは今、
暖色系の床の隙間に
私には見えない
1ミクロンの狭間に
残されていた最後の
チャールズが
落ちていくのを
眺めていました。
 ....
わたしのベッドが
まだ、暗い空に
飛んでいきます
頭から夜の続きに
衝突して
夜が砕けていく
「すみません。さむいからおろしてください。」
ささやかな願い事にも
毛布を巻き付けていた
 ....
雨が降った。わたしは雨の足に圧迫された。爪先から踵まで力に満ちた足は、わたしの体に、触れず、目の前を塞いでいく。雨水の、どの部分も干からびていて溢れてくる。一粒でも零れると、それは止まらなくなり、旱魃 .... 車に乗って
通勤をしていて
最近は下半身を
意識する事が
少なくなってきた
歩くとか走るとか
多く、なかったのに
下半身が家出しました

お風呂に入っていて
何かの昆虫のような足を ....
「泣かないで」
と、電話がくる
夕方の間違い電話で
迷惑ですよ
「泣きません」
と、電話をして
間違い電話よ
そういう暗号で
命令を下すのですか

ひがしずむ
から、つちにしずむ ....
父と母が愛しあって
墓まで一緒なのか
私にはわからない
あいしあう、
響きだけで、どこか
あたたかな国で
糸や針を使い、あいと
しあうは繋がれて
いるのかしら
抜糸、される事はなく
 ....
あの子が
シャボン玉を抱えて
わたしがみちみちと
はえている歩道に
立っている
唇の薄皮を摘み取って
よいことばを
鈴に詰めてしまった
火曜日の光景です

あの子は
三週間おきの ....
ズー(81)
タイトル カテゴリ Point 日付
がちゃがちゃ自由詩3*11/7/20 22:15
she自由詩0*11/7/16 13:06
反転自由詩3*11/7/6 13:20
空白にかえる自由詩3*11/7/6 0:12
(U地区)の青自由詩6*11/6/28 23:29
食卓に飾る花自由詩3*11/6/27 15:30
美味しい空気のある季節自由詩1*11/6/16 13:02
行く末自由詩3*11/5/28 17:12
海に向かう自由詩4*11/5/14 0:09
真っ白い、光自由詩2*11/5/10 17:21
2年竹組・正くん自由詩2*11/4/26 19:55
春の、宴の、庭。自由詩3*11/4/13 15:19
詩が呼んでいる自由詩3*11/3/19 10:30
わたしの恐怖自由詩1*11/3/16 12:34
チャーリー自由詩2*11/3/3 13:04
月のとびらとうそ自由詩5*11/2/23 12:23
雨の後自由詩4*11/2/16 21:27
福寿草が咲いていた頃に自由詩4*11/2/9 22:45
埋葬地自由詩3*11/2/8 0:10
南の挨拶自由詩4*11/2/2 23:30
あの子自由詩8*11/1/23 21:40

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