貴方なんてだいきらい
みんな不幸になればいいのに
つらい
めんどう
やってられない

一番捨てたいのは私
ふとした瞬間に既視感
溺れるような甘い苦しみ
前にも同じ思いをどこかで

どうしようもなくあたたかく
溢れてくる光の粒と
かなしいという言葉そのままに
揺れる水面と滴る雫

あなたの ....
17歳のころ 遠い夏の日

世界はきらきらと輝いていて
呼吸をするたびに甘く苦しかった

私の辞書は日々更新され
新しい出会いを貪るように消費した
咀嚼も消化も追いつかなかった

時 ....
罵倒されても声は出さない
心が 悲鳴をあげても

代わりに 歌をうたおう
穏やかな水面が荒れないように

波音が空と海との境界を溶かす
自分にナイフの切っ先を向けて
毎夜、月明かりの下 ....
永遠は存在するのかと何度も聞いた

何もそのままではないということを
狭い世界の移り変わりから知る
星は巡り、桜は散り、風が吹く

長くずっと雪が降っていたのに
その日だけ凛とした青空が ....
日曜日の夕方
群青色の冷たい空
閉じ込められたような

地平線の端がじわりと燃える

正解がないのは
どの道を選んでも同じ

世界を美しいと思うのは
積み上げられてきた
歪な歴史 ....
すれ違う街の灯りの
ひとつずつに誰かが生きている

つらいことも苦しいことも
嬉しいことも悲しいことも
誰にも言えないことも
あの灯りの下に集い

確かに存在するのに
永遠にそこに行 ....
深い夜の底で
じっと動かず
溢れようとする思いを
密やかに葬る

溺れてしまう、から
溺れてもいい、に代わり
もがく心は
動きを止めた
「月が綺麗ですね」

大学からの帰り道
電車から降りて見上げた月が
あまりに綺麗だったので

写真には残しませんでした

呟いたりもしませんでした
色彩が夢現の境を決める
柔らかな産毛がつやつやと光り
躊躇うようにそこにあるもの

黄金の液体はさらさらと流れる
破裂しそうな伸縮音

ざらついた肌 伝わる重み
鮮やかすぎるために拒ん ....
窓から覗くこころ

静謐と違えるような濃紺の夜空に
規則正しい月の呼吸音
今ここにあった形はもうここに無く
冴えた輪郭は残像でしかない

バスルームにたゆたう湯気

水面の上下で冷た ....
中村葵(11)
タイトル カテゴリ Point 日付
ごみばこ自由詩215/5/2 18:40
まなざし自由詩215/4/26 0:19
夏の日自由詩914/1/5 18:19
人魚自由詩413/10/2 6:04
祈り自由詩513/3/23 0:46
秘密自由詩1912/12/17 21:49
車窓から自由詩1212/10/19 22:33
深海自由詩312/10/19 22:27
名刺自由詩412/10/11 22:00
果実自由詩412/10/11 21:50
機械と水自由詩12*12/10/9 0:35

Home
0.04sec.