猿ぐつわを噛まされた
裸の青白い男が椅子に坐っているので
私はどういうわけか
ふるさとを思い出さずには
いられない

椅子の背に両手を縛りつけられ
陶器のようにつるりとした太ももに
一 ....
 修辞に位置付けられるきざはしの出現はいみじくも重なり合う因果であるが、
 しかし私たちの生活を根底から揺るがすほどのナルシシズムを包含しているわけではなく、
 ただ、
 夕映えから派生する杞憂 ....
 たった一本の卒塔婆のように
 不健康に伸びた櫓から
 私はずっと向こうの火山を見守る

 今にも昂りそうで昂らない
 噴き出しそうで噴き出さないそれを
 ひたすら見守りつづけて幾星霜も過 ....
豊島ケイトウ(33)
タイトル カテゴリ Point 日付
猿ぐつわの男自由詩15+*10/7/25 18:54
散在しつづけるきざはし自由詩7*10/7/10 21:38
対峙自由詩13*10/6/25 11:07

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