背骨が浮いている
間に挟んだピアノの音階は、 じわりとけて霧散する夕暮れ
歩くことをやめた亡者の形骸に後退
軋み続ける
撓っている
真白に、正常に伸ばされた骨の上で清く

ゆるやかに逆立 ....
展開する君が散り やがてそのまま上空へ還るだろう
青冷めた真四角が熱を失くし ひらひらとたゆたうようにして髪を透かした
片手に本 片手に針を持って君は
発光する翅片を集めて 擦りよせる額で標本を ....
白く溜息をつく 春を終えた相対の鍵
音符、と爪弾いて 等間隔を殺す君、残骸、ハレルヤ!
見誤っている 落下点が焦ってその中で羊水が跳ねた

ハウエヴァー 色を食っては放つ硝煙で
ハウエヴァー ....
雨の降る音のエンドレスループループループループ。
(聞こえない音が聞こえるという錯覚、朝の訪れを恐れている、太陽が殺しに来る、夜の足音が遠ざかる)
揺れながらにして落ちる、段落を刻みながら箱庭 ....
ガラスのような爪の角度で傷 喉を焼いた消息のもとに
運ばれる鉄線が 初めの陶酔に塗れている
帰るんだ 相殺するみたいな声だけで わたし と定義する
浸されていく盲目に 色を混ぜては瞬きをす ....
青さに眩む前に夜明けの列車に体を乗せた
何処までも続くような錯覚で、延長の向こうの水面を見ている
駆けて、星の海と鯨が昇る空と、眩しさだけの昨日と
仰ぐその瞬間にシャッターを切る
聴こ ....
落ちてくる、
展開されるいくつもにさよなら
穿たれる風景にひとかけらの曇り 風花
散ってはまたくゆらされるのでしょう
ティーヴィーで嘆く人の流れに
真っ逆様に落ちてくる鳥の影が
 ....
落ちる飛翔を抱きしめている
遠景、クラシックのレコードの一室、朝を迎えない夜
果てまでのカウントダウンの抵抗を
爪弾かれる黒白と、久しく鮮やかに染まりたいと願う君の
底を知らず 墜落、 ....
鮮やかな発色に濡れる君の手を噛んでいるだろう午前三時のキッチンで所在をなくした鋏がひとつまたひとつと果物ナイフの刃を研ぐ未然形───。A4サイズの俎で黙った鯉が赤く焼かれる前に祈りを探している。

 ....
君の背中にナイフを突き立てる

爆撃したその空間から飛び散る欠片にキスをしようと
思い立ってから飛びだすまで三秒の間さえも存在しなかった
鋭利 トリガー 貫いては焦点 繰り返される弾丸の ....
鉄屑が降り続くから傘をさす。

Headphoneから流れる音楽に陶酔、している、ゆらゆらと。
正しさを祈りながら、リズムの上を歩いている。それが安定しない直線の歪みであっても、悲しくはなか ....
コンタクトレンズを入れる君の傍で
シンクに水を溜める音が響いている

悲しければ、と呟けばそこに
光るものが、あっただろうか
歌え、と促す君の指に 撫でられるようにして浮遊する
 ....
月を投げる所作で骨を嬲る

あなたよ
速度を落とし日に暮れ呼ばれ遊ぶあなたよ
春が待つようにして 白く落ちた嘆きがあるのだ
知らずして手をやる 水に揺れたのは破片であったか

 ....
水川史生(13)
タイトル カテゴリ Point 日付
背骨が浮いている自由詩213/2/3 12:03
透明標本自由詩110/7/9 16:07
ハウエヴァー/スプリング/エンズ自由詩010/7/8 1:49
夜明けるクラクション自由詩210/7/6 17:22
雨垂れる黙祷自由詩4*10/7/4 7:23
夜の眼自由詩3*10/6/30 21:21
落鳥自由詩8*10/6/28 18:40
独奏自由詩1*10/6/27 0:45
イン・ザ・キッチン自由詩2*10/6/25 20:05
残光自由詩1*10/6/23 22:15
自由詩1*10/6/21 14:46
冷める部屋にて自由詩5*10/6/20 16:33
月と骨自由詩6*10/6/19 17:16

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