誰も見たことのないお話を求めて
君はいつも私の前から姿を消すの
取り残された私は腹を立てて
誰も見たことが無ければお話など成り立たないよって
君の枕に向かって囁き続ける
誰も見たことのないお ....
綺麗に真っ白に
してしまいたい夜がある

君の緑を夢に見たまま
立ち尽くす私の
足元に広がる蝉時雨
白い花弁は雨に消えるの

むかしあたしは
透明になりたかった
どこまでも拡が ....
アクセスしたら
繋がるなんて嘘だ
皆気まぐれで
酔いたい時には
酔わせて貰えない

すべての情報を
シャットダウンして
あたしは真っ暗の
ゼロに閉じ籠るだけ

いちめんの ....
修正液のしろいろは
白すぎてだめなの
塗りたくった傷口が
浮いて目立ってしまって

滲み混じって
パステルピンクが
時間に壁と
傷口の化膿を早め

あたしの血が
しろいろだったら ....
空の彼方から落ちてくる色は
僕の上から鮮やかに身をひるがえした

ぐるぐる駆け回っている粒子たちが
君と手を繋いでまっすぐに空へ消える

さかさになった緑色は
地面の中で眠っている蛙たち ....
中に溜まった水をあけてしまい
(それはそろそろ腐ってしまいそうだったから)
地面をひたひたにしてわたしは
(時々粘っては私の背筋を凍らせるのだけど)
足先でかき混ぜた泥を拭っては
(きっとあ ....
はだかになってわたし
まっくらなへやの床をだきしめた
おなかの上に寝そべる闇を
なんとかしたかった

降りてくるよるに
カーテンをひいて抵抗したけど
時間制限があったらしくて
ひいやり ....
しくしくと
しくしくと

真夜中に蛙が泣くんです

窓を開けて
そこから伸ばした星で
喧しい蛙たちを踏みつぶしにかかります

そうしたらやっぱり
しくしくと
しくしくと

今 ....
何年か待てば
私の細胞はすべて新しくなる
そうしたらこの
君についての記憶も新しくなるのかしら

心臓の一部の細胞だけは
生まれてから死ぬまで
一度もあたらしくなることなんてないらしい
 ....
雨に濡れたいと思ったのに、
今日はよく晴れているんだ

あまりにも寒いから
部屋の窓を閉めた
カーテンも引いた
電気も消して
傘をさした。

さかさに貼り付けたきみの腕が
そろそろ ....
君が雨の向こう側へといってしまう
私の指は君の枷とは成り得なかった

どこにも行けない手紙を持ったまま
消えない空を追い求めていた君の
首筋の匂いがいつまでも離れないでいるの

不思 ....
捲っていた世界は
去年描いたスケジュール
それに気付かずに
新しい世界をさがしていた

君を絞ったら
苦い味がしたので
わたしはすぐに舌を離したのだけれど
もうその時には既に
夜空の ....
冷蔵庫の中を見つめながら僕はため息をつく
怖かったのはきっと製氷器が動くことを止めなかったから
文字を辿るのと食べ物を詰め込むことは
どこに違いがあるのだろうか
伸びてゆく爪も髪も既に私の支配 ....
箱に詰めて流したきみを
どこか異国の空が受け止めてくれているころかしら
どうしてもコール音が鳴りやまなくて
きみは深海の奥深くへ行くと言ってきかないものだから

回転する機械はいつも
わた ....
君はみぞおちのなかに
あたたかな雨を隠しているのでしょう?

いつになれば海の向こうに渦巻くひかりを
私は集めることができるのでしょうね。

緑色だとか
青色だとか
太陽に照らされると ....
* adenine *


墨色に溶かされたあなたの体が、
ここでは美化されて壁に飾ってありました。

両の腕は二重螺旋の鎖でしっかりと繋がれていて、
アデニンの色に染まった空が少し ....
白い空に映ったわたしは
あまり遠くをみれずに泣いていた

自分を知るということは
絶望するのと変わらない

私の言葉を舌に載せたら
膝の震えが止まらなくなりました

痺れた指先で君の ....
どこにもいけないわたしがいて
どこにもいけないきもちがあるの

なんにもならないことは知っているけど
なんともならないわたしがはがゆい

うまくことばにできなくて
うまくつたえられなくて ....
私はあなたの緑色を
深く閉じ込めることにしました
かわりに私の藍色を
きみの背に縫っておきましょう

囚われた星は
流れ落ちたきみの
カフスが優しく受け止める
それは仄かに光って私の目 ....
adenine・guanine・cytosine・thymine

私を創る、二重螺旋の設計図

繋がれた鎖を振り解けないまま

今日も、大地を踏みしめて。
君が食べた星の欠片をかき集め、
泣き出した彼女の海へと沈めることにしました。
そうすれば切り離した君の足がどこからか生えてくると、
君の指先が求めていた意味が教えてくれたのです。

刈り取っ ....
ぬめりを帯びたきみの声は、
彼女の黒髪に吸い込まれてしまい。
ぐるぐると絡め取られた手足の先に求めた意味を、
きみは簡単に剥がしては食べてしまいます。

彼女の記憶のなくした部分には緑色のわ ....
干からびた夜空に、わたしの喉は辛く蠢いて。
どうにも君に見せたい星が見つけられずに困っています。

ほら、やっぱりあの日に流れ落ちてしまったのではないかな。

彼女の黒い髪と共に海に流してし ....
墨色に溶かされたあなたの体が、
ここでは美化されて壁に飾ってありました。

両の手首には楔が三本ずつ打ち込まれ、
鮮血に染まった空が少しだけ泣いているように思えます。

細長く、節のある体 ....
いつまで待っていても
もう還ることなんてできない

しかたがないのでわたしは
きみをそこへ入れたがるのだけれど
きみはいつもつかれていて
あまり無理をさせられないからせつないな

 と ....
あたしが
置いていかれることを
どれだけ恐怖に思ってるか
君は知っているくせに

君は
いつも
寂しさから
きえようとするんだね

あいされてるのか
きらわれているのか
もうわ ....
美しい歌声が嘘を残して海に散る。
そんな憧憬をすぐに蹴散らす僕の耳。

悲しみの表面には君の笑顔が映らないように、
僕の涙の成分はすべて君への憎しみで出来ていて、
もう空に昇るのは雨の支配し ....
きみの瞳のみどりいろの部分が欲しくて堪らないので、
せめてあたしと同じくらい愛をくださいと赤い地平線にお願いしてきたところです、

貪欲で俗っぽい自分自身に気づかされ、
ただ普通の磨りガラスに ....
君の首筋に
この指をなぞらせる

はやく
心臓をえぐりだして
左心室の筋肉の美しさを閉じ込めてしまいたいと思う

虚ろを見据えるその瞳は
もう二度と脳内と信号を交換することもないのだ
 ....
きみの濡れたココロが私の頭に咲いた黒い花を溶かすように
きみを汚してゆく僕の肋骨をどうか赦してほしい

改行キーが見つからなくて
仕方なくクラクションを鳴らすのだけれど

蝉の声は今や猜疑 ....
ジャイコ(43)
タイトル カテゴリ Point 日付
田圃の真ん中に出現した蛙たちの檻へ自由詩310/6/7 21:27
カジ自由詩110/5/14 1:41
interface自由詩010/5/14 1:40
訂正箇所自由詩010/2/10 11:25
ばいばいニュートン自由詩410/1/5 0:45
オートリバース自由詩4*09/12/15 0:23
ささくれ自由詩309/11/27 20:43
かえるのうたが。自由詩109/11/25 2:12
プラスティックメモリー自由詩409/11/24 2:09
流星群自由詩309/11/19 0:44
終わる世界へ旅立つ君に自由詩5*09/11/13 0:39
チョコレートだったよ自由詩209/10/7 23:37
カランカラン自由詩109/9/29 21:19
さいはて。自由詩909/9/8 21:42
表面張力自由詩409/9/8 16:18
Deoxyribo Nucleic Acid自由詩2*09/9/6 22:59
台風38号自由詩209/9/5 2:01
めりーごーらうんど自由詩209/9/4 3:08
つくつくぼうし自由詩209/9/3 10:47
四人の署名(Deoxyribo Nucleic Acid)自由詩009/8/27 0:34
落ちていくチミンの。自由詩409/8/27 0:31
シトシンの雨を。自由詩309/8/26 0:20
グアニンの思い出。自由詩209/8/26 0:18
そこにアデニンがいたのなら。自由詩109/8/26 0:02
邪魔な距離自由詩209/8/20 2:18
火曜日の憂鬱自由詩3+*09/8/12 1:23
海嘯自由詩2*09/8/7 23:42
揃えた爪自由詩009/8/2 23:43
食物連鎖自由詩5*09/7/31 22:06
草いきれ自由詩209/7/28 11:48

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